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エスジーエル（SGL）鋼板について徹底解説！｜ガルバリウム鋼板を進化させた次世代屋根材

　まずは、エスジーエル鋼板にについて、簡単にご説明させて頂きます。

　近年の住宅は、使用されている建材が以前よりも耐久性が向上しており、30年程度で建て替える必要がある「フロー型」の時代から脱却して、「ストック型」の時代へと移り変わっています。これは、新しい建材の進化により、住宅の耐用年数が長くなり、より長期間にわたって健全な状態を維持できるようになったことを意味します。

　そのため、屋根や外壁に使用されるめっき鋼板の製品においても、より錆に強い製品が求められています。つまり、長寿命な建材が使用されている住宅が高評価を受ける時代になったと言えるでしょう。

　こうしたニーズに答える為、ガルバリウム鋼板製造の先駆者である日鉄鋼板株式会社は、培った経験・最新技術開発により従来の物より高い耐食性を持つ次世代ガルバリウム鋼板を製造しました。
　それが、現在注目を集めているエスジーエル鋼板です。

ガルバリウム鋼板との違いは？

　簡易的に説明させて頂きますと、エスジーエル鋼板とガルバリウム鋼板の違いは表面のめっき成分にあります。

　アルミ・亜鉛を主成分とするガルバリウム鋼板のめっきにマグネシウムを添加させたことで、エスジーエル鋼板は、ガルバリウム鋼板と比較して約３倍の耐食性を持ちます。

　塩害に悩まされる沿岸部や雨が多い事により湿度が高い地域など、腐食しやすい環境であってもその高い耐食性を発揮します。特に、切断部や傷が付いている部分などの腐食しやすい箇所において非常に耐食性を発揮します。
　以上の様に、エスジーエル鋼板はガルバリウム鋼板の性能を向上させた製品です。

　近年では、金属屋根材・その他の建材を検討する場面においてガルバリウム鋼板が採用されることが多いと思われます。
　しかし、前述しました通り、エスジーエル鋼板は、ガルバリウム鋼板の耐久性をさらに向上させた材料であり、今後、ガルバリウム鋼板に代わり主流となる可能性が高いです。

　現代の需要にマッチした高機能・高耐候性を持った製品として、今後も注目を集めていくでしょう。
　将来的に屋根リフォームをご検討される場合、エスジーエル鋼板製屋根材も選択肢の一つとしてご検討されることをおすすめいたします。
　これほど長期間使用できる金属屋根材は他に類を見ない為、街の屋根やさんもおすすめいたします。

金属屋根の天敵「錆」

　金属製の屋根材の天敵となるのが経年劣化によって発生する「錆」です。
　一昔前のトタン屋根のイメージ通り、経年劣化によって錆が発生します。そうした錆の広がりを防止する錆に強い屋根材が、金属屋根の最大のテーマでした。
　そのテーマを基に開発されたのが強い耐食性を持つガルバリウム鋼板であり、さらに進化をしたエスジーエル鋼板です。

錆に強い金属屋根材

　つまり、エスジーエル鋼板の最大の魅力は、錆に強く長期に渡って使用できるといった金属屋根材最大のテーマをクリアした製品であるという事です。

　※試験方法　JIS H 8502（サイクルの内訳：塩水噴霧 2h 5%NaCl・35±1℃　乾燥 4h 60±1℃・20～30%Rh　湿潤 2h 50±1℃・95%Rh以上）
　※日鉄鋼板株式会社カタログより画像参照

　また、錆に強いという事は塩害にも強いと言えるため、海の近くにお住まいの方にも非常におすすめです。

　※試験方法　JIS Z 2371
　※日鉄鋼板株式会社カタログより画像参照

　海の近くのお住まいは、潮風により金属部分の酸化が進行してしまいます。
　従来のガルバリウム鋼板の保証適用は、沿岸部から5Km以上離れた場合に限られます。しかし、エスジーエル鋼板の場合、保証適用範囲は500ｍ以上と10分の１まで縮められています。

　穴あき保障に関してもガルバリウム鋼板であれば10年の所、エスジーエル鋼板の場合は25年と延長されました。
　エスジーエル鋼板の魅力は、とにかく錆に強く金属屋根材の中でも非常に優れた性能を持っているという点です。

他の屋根材と比較して劣らない

　長期に渡って使用できる屋根材の代表と言えば和瓦です。しかし、その重量から屋根材として使用されることが少ない傾向にあります。
　それに代わり増加傾向にあるのがスレートや金属屋根材です。

屋根材別耐用年数の目安

　※必要なメンテナンスを行なった場合の目安です。立地や環境などにより変わります。

　例えば、エスジーエル鋼板が使用されているアイジー工業の「スーパーガルテクト」は、表面に遮熱フッ素樹脂・遮熱ポリエステル樹脂が施されていますが、この塗膜は経年により徐々に劣化が進行してしまいます。メーカーが推奨している時期に塗装メンテナンスを実施する事で、30年を超える耐用年数を期待する事が出来ます。
　耐用年数が50年を超える釉薬瓦などの和瓦と比較すると劣ってしまいますが、その他の屋根材で長期に渡って使用したいと考えた時は、エスジーエル鋼板の屋根材が適しています。

軽量であるため耐震対策になる

　エスジーエル鋼板に限らず、金属屋根が選ばれる大きな理由が軽量性です。
　大地震が発生する可能性もある現代では、瓦などの重量がある屋根材から軽い屋根材へ替えたいというお客様が増加傾向にあります。

　特に、現在瓦屋根である場合、エスジーエルなどの金属屋根に葺き替えを行う事で屋根の重量は約10分の1にまで減少します。また、スレートからの葺き替えであっても5分の1です。
　お住まいにかかる負担が非常に軽減されるため、屋根リフォームをされる際は、金属屋根もご検討ください。　

　続いて、改めてエスジーエル鋼板について詳しく解説させて頂きます。

「エスジーエル」は進化したガルバリウム

　エスジーエル鋼板を簡単に説明させて頂きますと、ガルバリウム鋼板をさらに進化させためっき鋼板です。ガルバリウム鋼板と比較して高耐久であり、錆に強く、長期に渡って使用出来る素材です。
　現在ではエスジーエル鋼板を採用する屋根材メーカーも増え、外壁材としても採用されるケースも増えてきています。
　将来的には、ガルバリウム鋼板に代わりより進化したエスジーエル鋼板が主流になっていくでしょう。

長期的に使用できる理由はめっき組成

　長期に渡って使用できる理由は、エスジーエル鋼板のめっき組成にあります。

　まず、トタンで使用される亜鉛めっきにアルミニウムを添加したことで耐食性をアップさせたものがガルバリウム鋼板です。
　しかし、アルミニウムをただ含有させれば良いという訳では無く、含有率が高くなりすぎてしまう程、亜鉛の犠牲防食作用が働かなくなってしまう事で鋼板の腐食が進行してしまいます。
　そうした現象を防ぐ為に、エスジーエル鋼板はガルバリウム鋼板にマグネシウムを添加しました。
　その結果、アルミ・亜鉛合金めっきにマグネシウムが共存する事で綿密な亜鉛系酸化物が生成されることに繋がり、安定した素材となりました。
　簡単に説明いたしますと鉄が露出している個所にマグネシウムの成分の採用によって、鉄を保護する膜が形成されるということです。

エスジーエル鋼板の製造会社である日鉄鋼板

エスジーエルの歴史

　屋根材・外壁材に使用される鋼板を錆びにくい表面にする技術は、亜鉛メッキ鋼板の持つ鉄の腐食を防ぐ作用で、昔から活用されていました。
　亜鉛めっき鋼板の歴史は以外と長く、1906年に国内で初めて生産されたと言われています。続く1982年にはガルバリウム鋼板が生産され、さらにその30年後にはエスジーエル鋼板が登場しました。
　
　日鉄鋼板にはこのような歴史があり、亜鉛めっき鋼板のパイオニアとして、研究や技術開発によってエスジーエル鋼板が誕生しました。

　2023年現在、エスジーエル鋼板が誕生してまだ10年余りです。
　誕生してから歴史が浅いエスジーエル鋼板ではありますが、日鉄鋼板の実績に基づいた研究成果に裏付けされた非常に信頼性の高い建材と言えます。

　日鉄鋼板も屋根に施工可能な鋼板を取り扱ってはおりますが、各屋根材メーカーは、日鉄鋼板により製造されたエスジーエル鋼板から屋根材製品の製造を行っています。
　以下に、人気の高いエスジーエル鋼板屋根材をご紹介させていただきます。

アイジー工業：スーパーガルテクト

　スーパーガルテクトは、金属建材のトップメーカーであるアイジー工業が扱っている金属屋根材です。
　次世代の鋼板であるエスジーエル鋼板が使用されており、新築や屋根リフォームの際に非常に人気の屋根材です。

　大きな特徴として、断熱材が裏側に貼り付けられている点です。
　断熱材が貼り付けられていることで、暑さ・雨音といった金属屋根材のデメリットを軽減する効果があります。また、嵌合部にも断熱材が充填されており、隙間なく断熱材で屋根全体を覆える金属屋根です。

　また、施工の際に使用される役物のラインナップが豊富なことも大きな特徴で、屋根の形状に併せて役物を手配することが出来ます。特に軒先部分に使用される「唐草」は、１種類しか用意されてないメーカーが多い中でスーパーガルテクトには４種類もあるため、雨樋交換をしなくても施工が行えるといった利点があります。

築35年の瓦屋根からスーパーガルテクトへの葺き替え

　築35年のお住まいで、これまで屋根のメンテナンスをされたことが無いとのことでしたが、瓦の重量も気にされていることからリフォームの施工を承りました。
　軽量でありながら高耐久な屋根をご希望されましたので、コストパフォーマンスに優れている高耐久のスーパーガルテクトをご提案させていただきました。

ニチハ：横暖ルーフ

　ニチハは、断熱材一体型の金属屋根材を一番に採用したメーカーです。横暖ルーフにはそれぞれグレードが異なる4種類がラインナップされています。

• ・横暖ルーフS
• ・横暖ルーフαS
• ・横暖ルーフプレミアムS
• ・横暖ルーフαプレミアムS

　プレミアムシリーズ※のみエスジーエル鋼板が使用されており、また、αの方が厚みがあります。
　プレミアムシリーズにはエスジーエル鋼板が使用されており、さらに表面には20年の変退色保証が付いたフッ素塗料が施されている高グレードの屋根材です。
※2023年1月現在、「横暖ルーフαプレミアムS」は販売休止中。「横暖ルーフプレミアムS」は2023年3月より販売再開予定

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コロニアルNEOから横暖ルーフαプレミアムSを使用したカバー工事

　既存の屋根材には、劣化の進行が早くその症状も顕著に現れる特徴を持つコロニアルNEOというノンアスベストのスレート屋根材が使用されていました。
　お客様とご相談をさせていただき、ニチハが取り扱っている金属屋根の中でも最もグレードが高い「横暖ルーフαプレミアムS」を使用させていただき、カバー工事を施工させていただきました。非常に綺麗に仕上がったことでお客様にも大変お喜びいただけました。

　これまでエスジーエル鋼板の様々な魅力をお伝えさせていただきました。屋根工事・リフォームをご検討中でご興味をもって頂いた方がおられましたら、ぜひ街の屋根やさんまでお問い合わせください。

　エスジーエル鋼板・その他金属の屋根の中にも様々な種類があります。

　などといったご希望があれば、ぜひお伝え下さい。お住まいの状態・状況をしっかりと点検させていただき、最適な施工方法をご提案させて頂きます。

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