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あまり聞きなれない「谷樋」についての基礎知識とメンテナンス

更新日:2020年7月8日

 「樋」というと、みなさんはどのようなイメージを持つでしょうか。屋根や外壁についている、雨水を集めて排出する長い筒上のもの、そんなイメージがあるかと思います。樋というのは普段屋根や外壁を見ると目にすることができるものがほとんどなのですが、今回紹介する谷樋、というものは実は外からはほとんど見ることができないものです。しかし、屋根にとってはとても重要な部分でもあります。
そんな「谷樋」について、ご紹介したいと思います。

 谷樋

谷樋って何?

屋根の谷間にある樋 谷間にある樋

 一般的に屋根の軒先部分に水平に取り付けられている筒状のものが「軒樋」、建物の壁に添って垂直に取り付けられているのが「竪樋」と呼ばれています。これらを総称して「雨樋」と呼ばれます。
「谷樋」というのは、これらの雨樋と違い、屋根の上に上らないと見る事の出来ない場所、屋根と屋根の間の「谷間」にある樋を、谷樋と呼びます。

 

谷樋でのトラブル

亀裂の入った谷樋 谷樋
 この谷板金。屋根と屋根のはざまにあり、両方の屋根からの雨水が集まって流れる部分ですので、谷樋では通常の屋根材よりも頑丈な材料が使われたり、同じ部材でも厚みを持たせたりしています。しかしそれでもやはり雨漏りのトラブルが絶えません。ここでは、雨漏りの主な原因を解説します。

1.経年劣化

 年数が経ってくると谷樋が強風などの影響で傷んだり曲がってしまったりすることがあり、正常に雨水を排水することができなくなります。谷樋が歪んでしまったために雨水が流れず水が溜まりやすい状況になると、劣化も早まりそこから錆が発生し穴があくことで雨漏りしてしまいます。特にトタン屋根ですと、雨水の排水能力が高い分、緩やかな勾配の屋根に採用されるケースが多いのですが、緩やかな勾配の谷樋で歪みが発生してしまいますと、雨水に流れの勢いがなく、水たまりが出来やすくなり、錆びて穴が開きやすくなってしまいます。

 

2.オーバーフロー

 

 雨水を処理しきれず溢れてしまうことをオーバーフローとはといいます。経年劣化による谷樋の変形や、集中豪雨や豪雪、落ち葉やゴミなどの詰まりなどで、排水処理できない状態を指します。谷樋が雨水を処理しきれなくなると、排水されなかった雨水が逆流し建物内部に侵入してしまいます。特に勾配が緩い屋根ですと、ちょっとしたゴミでも雨が溜まりやすく、長期間ゴミが溜まったまま放置してしまいますと、そこから錆びて穴が開いてしまうケースがあります。

 

金属性の谷樋

銅製谷樋の錆 銅製谷樋

 古い家では銅製の谷樋を使用しており、銅製の谷樋は一生ものと言われていました。銅は鉄と違い、酸化すると「緑青(ろくしょう)」と呼ばれる青緑色の錆が発生します。この緑青が銅板の表面に皮膜をつくり、内部の腐食を防ぎます。錆が銅を守ってくれるわけです。これにより銅板は高い耐久性を持っています。ですが、最近になり銅製の谷樋であっても穴が開きやすいケースがあることが分かってきました。陶器瓦の釉薬には銅を溶かす性質があり、この釉薬が流れて銅板に接触することで腐食させてしまうケースや、近年多くなっている、酸を含んだ雨の影響により、銅製の谷樋を腐食させてしまうケースなどです。
 現在、谷板金は錆びにくいガルバリウム製のものが主流ですが、雨が集中する谷樋ではガルバリウム鋼板を使用しても傷んでしまいますので、交換する際はより耐用年数が長いステンレス製のものをお勧めします。

 

メンテナンス

谷樋 金属屋根の谷樋

 瓦やスレートなどに挟まれた谷に設置されている谷樋ですので、いざ傷んでしまって交換となると、意外と工事は大変な作業となります。特に瓦屋根以外は手間がかかるため高額になりがちです。瓦屋根は部分的に瓦を取り外すことができるので、谷樋の周囲の瓦だけを外して交換することができるのですが、その他の屋根は面単位で屋根材を剥がしていかなければなりません。つまり、1箇所の谷板金を交換するにはその左右両面、屋根2面分の屋根材を剥がさなければならないのです。屋根材というのは、葺くときは下から上へと葺いていき、施工手順を守って順番に重ねて葺いていきます。解体するときは逆に上から下へと、順番に外していきます。瓦はいったんずらした瓦を再利用することは可能ですが、スレートや金属屋根などは撤去した屋根材を再利用することはできません。瓦屋根以外で谷板金を交換しなければならなくなった場合は、屋根カバー工法を選択した方がリーズナブルになることもあるのです。
 交換工事となると非常にコストがかかる谷樋ですので、定期的に詰まりなどの掃除や塗装メンテナンスなど行い、なるべく傷まないように労わっていく必要があります。

 

谷板金はステンレス製がおすすめ

 谷板金には現在ガルバリウムを使用するのが一般的です。ガルバリウムとは、亜鉛とアルミニウム、シリコンでめっきされた鉄板のことで、金属の弱点である錆に強いことから、屋根材としても使用されています。しかし錆に強いといっても、全く錆ないわけではなく、いずれは劣化してしまいます。また瓦屋根では、瓦の重厚感にあわせて銅製の谷板金が使用されていることもあります。銅製のものは長持ちすると思われる方もいらっしゃるかと思いますが、傷みやすい谷板金は銅製でも20〜30年ほどで劣化し、穴が空いてしまうこともあります。
 そこで谷板金を交換する際にはステンレス製のものがおすすめです。スレンレスはキッチンのシンクに使用されているように、錆に強い金属です。ステンレス製の谷板金に交換することで、より長く快適に過ごすことができます。しかし、ガルバリウムと同様に全く錆びないわけではありませんし、もらい錆によってステンレスが錆びてしまうこともあります。長持ちさせるために定期的に点検を行いましょう。

 

まとめ

メンテナンス後の谷樋

 谷樋は屋根と屋根の重なり合った谷の部分にあり、適切に雨水を処理するための樋の一種です。そのため傷みやすく、丈夫な素材が使われています。銅製やガルバリウム鋼板製、ステンレス製などがあります。しかし傷んでしまうと谷間にあるために瓦など一度撤去してから工事することになりコストがかかりますので、定期的な点検が欠かせません。
 谷樋についてもしご不安な点があるのでしたら、一度私達街の屋根やさんにお問い合わせください。

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