瓦屋根の面戸に施工されている漆喰、そもそも漆喰の特徴と役割ってなに?

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瓦屋根の面戸に施工されている漆喰、そもそも漆喰の特徴と役割ってなに?

更新日:2021年07月26日

 屋根は屋根材だけでなく様々な部材を使用していることがありますが、それは瓦も同様です。昔から瓦を使用されている方はメンテナンスの経験上、専門用語をご存じの方もいらっしゃいますがどのような瓦が使用されておりどのように補修するのかを知らない、知りたいという方も非常に多いです。

瓦屋根の基本

 瓦屋根は歴史が長い分難しい用語が使用されている事が多い為、聞いたことが無い、どこを指しているかわからないという事もザラです。今回は基本的な部分ですが、瓦屋根に施工されている漆喰についてご紹介したいと思います。瓦屋根の場合面戸と呼ばれる部分に施工されるのですが、その特徴や施工方法、注意点は今後のメンテナンスにも役立つかと思います。

漆喰の役割は?

漆喰壁 漆喰壁

 瓦と密接な関係にある漆喰は消石灰に糊、すさ、粘土、砂などを混ぜて塗る材料ですが、主な役割としては瓦の固定と棟の土台を覆い水の浸入を防ぐ役割を持ちます。漆喰自体は非常に頑丈で耐久性が高い素材ですので外壁材として使用されることもあります。外壁の場合は部分的な塗り直しを行うことでかなり長い間使用することもできるようです。また漆喰は調湿性・抗菌性に優れていることから内壁の仕上げとして使用されることも増えています。手塗りの為貼るだけのクロスとは違い施工期間も費用も掛かってしまいますが、こだわりたい、アレルギー等を気にしない生活をしたいという方には非常に人気です。

漆喰撤去 漆喰詰め直し工事

 一方瓦の影響も受ける屋根では10年程度で割れ、剥がれを起こすことから10~15年での漆喰詰め直し工事が推奨されています。漆喰詰め増し工事と呼ばれる既存の漆喰の上に塗り重ねる施工方法もありますが、既に劣化し剥がれかけている漆喰の上に重ねても同時に剥がれ落ちる可能性がありますのでオススメはしておりません。

面戸漆喰

面戸漆喰

 面戸漆喰というのは大屋根・下屋根ともに棟の土台を覆うために施工されている漆喰を指します。この部分の漆喰が剥がれると土台を形成している内部の土が流出してしまい、土台を支えられなくなってしまいます。すると棟の歪み・崩壊を招き雨漏りにまで発展することがありますので十分にご注意ください。

 ちなみに上記のように土と漆喰で棟を形成する方法は「湿式工法」と言われ昔から伝えられている施工方法ですが、瓦屋根だけでなく屋根を重たくさせる要因として考えられていました。そして最近導入されつつあるのが「乾式工法」と呼ばれる施工方法です。乾式工法は土を使わずに木材と専用の金物で土台を形成します。その土台を覆うように防水性に優れた乾式面戸シートを取り付けることで漆喰の役割を果たします。棟瓦は木材に対してビス打ちをすることで固定もでき、雨水の浸入も許さない仕上がりになります。砂埃が出ることもありませんし、湿式工法よりもはるかに軽く仕上がる特徴を持つのが乾式工法です。

乾式工法の下地 乾式面戸シート

 瓦屋根にはこだわりたいが軽く仕上げたい、漆喰の剥がれが気にならない生活がしたい、瓦のずれが気になる等、瓦屋根に対して不安をお持ちの方は一度私たち街の屋根やさんにご相談ください。

漆喰の塗りすぎが雨漏りを引き起こすことも

 現在の瓦屋根はまだまだ湿式工法(漆喰を使った)施工方法が主体です。漆喰は現在ホームセンターでも販売されており、水を混ぜるだけで施工も可能ですのでDIYで補修することも可能です。が、一つ注意点があります。面戸漆喰は平瓦と棟の瓦の間にある三日月部分に詰めるのですが、詰めすぎて瓦よりも外側まではみ出してしまうと雨水の流れを悪くさせ、かえって雨漏りを誘発してしまう可能性があります。

屋根上の埃 屋根上での作業

 また屋根上での作業ですので非常に危険です。漆喰詰め直しの作業時は既存漆喰を剥がしたり土台の補修等で少なからず屋根が汚れ一層滑りやすくなります。費用を安くするためにDIYを行い怪我をしてしまっては本末転倒です。少しでも不安を感じるようであればしっかり瓦屋根の施工に長けた専門業者に工事を依頼するようにしましょう。

漆喰のメンテナンス

 面戸漆喰のメンテナンスには2種類あります。劣化が軽度であれば「漆喰詰め直し工事」、漆喰がほとんど剥がれてしまったり棟瓦が歪んでいる場合には「棟取り直し工事」が必要です。それぞれの工事の手順をご紹介いたします。

漆喰詰め直し工事
①古い漆喰を撤去
 瓦は50〜100年ととても長持ちですが、漆喰は20年ほどで寿命を迎えます。劣化した漆喰の上から新しい漆喰を詰めてもすぐに剥がれてしまいますので、劣化した漆喰を綺麗に取り除きます。
②新しい漆喰を詰める
 隙間があると雨の侵入口となってしまうので、隙間なく漆喰を詰めていきます。すべての箇所に漆喰を詰めたら、工事完了です。

棟取り直し工事
①棟の撤去
 まずは棟を構成している、棟瓦・のし瓦・土を撤去します。
②土をのせる
 棟をまっすぐに作るために糸を張り、棟を支えるための土をのせていきます。さらにその上にのし瓦をのせます。
③漆喰をつめる
 棟瓦をのせて面戸に漆喰を詰めます。その後、銅線で棟を固定して工事の完了です。

 街の屋根やさんでは、瓦屋根の漆喰についてお住まいの状態にあった最適なメンテナンス方法をご提案させていただきます。定期的にメンテナンスを行なってお住まいを長持ちさせましょう。

瓦屋根のメンテナンス

・防水紙や野地板の補修、交換
 瓦屋根は耐久性が高くメンテナンスフリーと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、メンテナンスは必須です。確かに瓦自体は耐用年数が長く、長持ちする屋根材ですが、瓦の下にある防水紙や野地板は瓦より先に寿命を迎えてしまいます。防水紙はその名の通り、雨水が室内に入らないように防水をしているのですが、寿命を迎え穴が空いてしまうと雨漏りが発生します。防水紙や野地板だけ補修・交換をする屋根葺き直し工事や、防水紙や野地板、屋根材も交換する屋根葺き替え工事が必要です。

・瓦の補修
 台風時には、瓦のひび割れや欠け、ずれ、落下が発生してしまうことがあります。隙間から雨水が入って屋根を劣化させてしまったり雨漏りの原因となりますので放置してはいけません。瓦のひび割れはコーキング材で補修することができるのですが、瓦の周り全てをコーキング材で塞いでしまうとかえって雨漏りの原因となってしまいますので注意です。瓦は1枚ずつ交換が可能なので、費用も多くかかりません。

まとめ

 住宅の施工においては工期短縮・コスト削減、高耐久を求め天然の材料が少なくなりつつあります。一方調湿・抗菌・耐火性に優れた漆喰は屋根や外壁で使用されており、まだまだ活躍の場が広がる可能性もありますので、漆喰の特徴は知っておいていただきたいと思います。特に瓦屋根は過酷な環境下でも耐えなければならない重要な部位です。面戸漆喰が剥がれることで下地も崩れ瓦屋根全体の劣化を招く恐れもあります。だからこそより一層漆喰が剥がれていないかを確認する必要があります。普段の生活では見えにくい屋根ですので、台風や地震後に合わせ数年おきの点検・メンテナンスを心がけましょう。私たち街の屋根やさんは新型コロナウイルス対策を徹底した上での無料点検を行っておりますので、瓦屋根の状態が気になる、耐震性を考慮したメンテナンスを行いたいとご検討中の方はお気軽にご相談ください。

 記事内に記載されている金額は2021年07月26日時点での費用となります。
 街の屋根やさんでは無料でのお見積りを承っておりますので、現在の詳細な費用をお求めの際はお気軽にお問い合わせください。
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