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脱気筒って何?脱気筒についての基礎知識をご紹介

更新日:2020年7月29日

 マンションの屋上やベランダ、バルコニーなどに取り付けられている、金属の突起物。見かけた方もあるかと思いますが、一体何だろう、と疑問に思った方も多いと思います。実はこれは脱気筒と呼ばれるもので、特に最近普及し屋上や平らな屋根(陸屋根)では不可欠と言っても過言ではないものです。
 今回はこの脱気筒について詳しくご説明したいと思います。

屋上にある脱気筒 脱気筒

脱気筒とは?

 脱気筒とは、屋上の防水層と下地(コンクリートなど)の間に、雨や室内の湿気などで発生する水蒸気を外へ排気するための筒のことを指します。マンションなどの屋上の真ん中あたりについているステンレス製の筒で、一定の面積ごとに設置されています。隅っこではなく、真ん中に点々と設置されています。特に屋上コンクリート下地の目地の部分に設置されています。目地の凹みは排気経路として有利だからです。

脱気筒の役割

防水層の膨張 ステンレス製脱気筒

 屋上やベランダの下地というのは、日常の雨や屋内の湿気・水分を含んでおり、昼夜の温暖差や太陽の熱により水蒸気を発生します。この水蒸気が下地と防水層との間に発生してしまうと防水層の膨張や、シワの原因になってしまいます。防水層が膨らむことで下地との密着性が損なわれてしまうのです。そうなると防水層の耐久性が脆弱になり、雨漏りなどの原因となってしまいます。防水層の膨張はシート防水に限らず、ウレタン防水やFRP防水でも密着工法で施工した際に起こる現象です。そうならないように通気層を通し湿気を排気する脱気装置が必要となるのです。それが脱気筒なのです。
 ただ、防水層の膨れは施工時に手順を守り、脱気筒を設置していても起こりえます。膨れていることで即座に雨漏り被害を引き起こすかというとそうではありませんが、膨れ箇所が破断して、シートが破れてしまえばそこから雨水の浸入を許すことにもなるためいつまでも放置をすることはできない状態です。メンテナンスの時期が訪れているとお考え下さい。

防水工事の種類

脱気筒が設置される屋上やベランダ、バルコニーでは防水工事が欠かせません。防水工事にはいくつか種類があります。 ・シート防水  防水性のあるシートを敷く方法です。シートには塩ビシートとゴムシートがあり、どちらも耐用年数は10年以上と耐久性にすぐれており、安価なのも魅力です。シート防水の施工方法には密着工法と機械的固定工法があります。密着工法は、接着剤を使用して下地とシートを貼り付けます。風に強いというメリットがありますが、下地の影響を受けやすく、下地が割れるとシートも破れてしまう可能性があります。機械的固定工法は、下地とシートの間に通気シートをはさむ工法です。湿気や水分の通り道ができるので防水シートの膨れを防ぐことができます。 ・FRP防水  FRPとは繊維強化プラスチックと呼ばれるもので、私たちの身近なものによく使われています。FRP防水は塗膜防水の1つで、液状のものを流して防水層を作る為、シート防水のようにつなぎ目がないことが特徴です。FRP防水はとても強度が高い上に軽量であることからどんな場所でも使用することができます。一方で、費用が高いことがデメリットです。 ・ウレタン防水  FRP防水と同じ塗膜防水です。FRP防水に比べて費用が安いことや、伸縮性があるのが特徴で、防水層のひび割れのリスクを抑えることができます。一方、防水層が乾燥するのに時間がかかるため、工期が長くなってしまうことや職人の腕によって仕上がりが左右されることが弱点でもあります。

脱気筒の種類

 脱気筒の種類は大きく分けてステンレス製、アルミ製、塩化ビニール製の脱気筒があります。

1.ステンレス製
 ステンレスでできた脱気筒です。ステンレスは、鉄に10.5%以上のクロムが混ざり、非常にさびにくくなった鉄をステンレス鋼といいます。ステンレスはさびに強いだけでなく、耐熱性にも優れ、加工しやすいという点も特長です。

2.アルミ合金製
 軽さが特徴のアルミですが強度不足が難点とも言えます。そこで、アルミに強度を与えるために、ほかのさまざまな金属を融合させたのが、アルミ合金製の脱気筒です。腐食を防ぐ酸化被膜が剥がれないようアルマイト加工したものが一般的です。

3.塩化ビニール製
 塩化ビニール製の脱気筒です。ベース部が塩化ビニールで、キャップの部分はステンレス製です。塩化ビニールは耐久性に優れ、耐用年数は50年以上とも言われています。塩化ビニール製の脱気筒は塩化ビニールシートとの相性がよく、接着性が高まり防水性が向上します。

脱気筒の設置

脱気筒設置 ベランダへの脱気筒設置

 脱気筒を取り付ける個数は、施工方法や屋上の面積、脱気筒の製品仕様によってもさまざまですが、50~100㎡に1個程度で設置する場合が多いです。また蒸気が上に逃げるため、設置する場所は勾配の高い位置になります。

 しかし、たとえ脱気筒が設置されていても、自然環境にさらされる屋上は経年と共に防水層の劣化が進んでいきます。また、屋上面積の少ないマンションでは脱気筒が設置されていない場合も多く見受けられます。脱気筒を設置していないことで防水層の劣化が進行し、雨漏りの原因になってしまっていることもあります。特に築年数が長くなると膨れが発生しやすくなります。屋上などの大規模修繕工事やベランダの防水工事の際には、脱気筒を新設することをおすすめします。それは防水層の膨れの原因となる水蒸気を逃がすことで屋上の防水効果が長持ちし、建物の耐久性保持にも役立つためです。屋上やベランダなどは、長期間においてメンテナンスをする機会が少ない場所でもあるため、修繕する機会には、なるべく防水層の劣化を促進する要因を取り除くことが重要です。大規模修繕工事の際には、屋上のメンテナンスを行うよい機会ですので、防水層の修繕と共に脱気筒の設置をしましょう。

脱気筒設置の様子

脱気筒の設置 ウレタン防水材

 脱気筒を設置します。ここでは古い防水層に溜まった水蒸気を逃がすのが脱気筒の役目です。設置後床面にウレタン防水材を塗布していきます。

ウレタン防水2層目 トップコートを塗布 

 ウレタン塗膜防水の2層目を形成していきます。大きなへらで平滑にならしていきます。ウレタン塗膜防水によって2層の防水層が成形されました。紫外線を遮断するためにトップコートを塗布していきます。脱気筒の周辺を塗った後、床面も塗っていきます。

脱気筒設置完了

 マンションなどの広い面積の屋上では、湿気や蒸気などによる防水層の膨張を防ぐために、蒸気を逃がすため、脱気筒を設置いたします。一定間隔で複数設置することにより、蒸気を逃がし、防水層を長持ちさせる目的があります。マンションなど大規模修繕工事の際にはぜひ脱気筒を新設、もしくは交換してみてはいかがでしょうか。私達街の屋根やさんでは、こうした屋上の防水工事も承っております。是非一度お問い合わせしてみてください。

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