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【金属屋根】トタン屋根の種類・特性・利点・注意点と、最適な補修・メンテナンス方法を徹底解説
更新日 : 2025年02月18日
更新日 : 2025年02月18日

住宅の屋根や庇(ひさし)はもちろん、物置や倉庫などさまざまな建築物で採用されているトタン屋根。しかし、錆びや経年劣化が見られた際に、どのようなメンテナンスを行えばよいかご存知でしょうか?
「トタン屋根の修理費用はどれくらいかかるの?」
「傷んできたら、新しいトタン屋根に張り替えればいいの?」
このように、意外と悩むポイントが多いのがトタン屋根の特徴です。
そこで本記事では、トタン屋根の種類や特性を整理し、メリット・デメリットを踏まえた適切な維持管理方法をご紹介します。

トタン屋根とは、鉄板に亜鉛メッキを施した金属製屋根材の一種です。
コストが安く、施工も比較的簡単なため、高度経済成長期を中心に住宅や倉庫、工場など幅広い建物で広く普及しました。

また、瓦屋根と比較すると軽量であるため、建物への負担が少なく耐震性に優れているのも特徴のひとつです。コストパフォーマンスの高さに加え、日本の地震事情に適していたことも普及を後押しした要因と言えるでしょう。
しかし、近年では、さらに耐久性が向上した「ガルバリウム鋼板」などの金属屋根材が主流となり、新築住宅でトタン屋根が選ばれるケースは少なくなりました。
それでも、築年数の古い建物や、物置・倉庫といった非居住空間では依然として活用されています。
トタン屋根は、適切なメンテナンスを施すことで耐用年数が大きく変わるため、定期的な点検と適切な補修が不可欠です。本記事を参考に、最適なメンテナンス方法をチェックしてみましょう。


トタン屋根は主に以下の3種類に分類され、それぞれ形状や施工方法に違いがあります。
瓦棒葺きトタン屋根

「瓦棒葺き」は、棒状の木材(芯木)を等間隔に配置し、その間に折り曲げたトタンをはめ込んで固定する工法です。
屋根の頂点から軒先へと縦方向にトタンを設置するため、雨水の排水性が良く、勾配(傾斜)の緩い屋根でも施工しやすいのが特徴です。
波板トタン屋根

波板トタン屋根は、その名の通り波状に加工されたトタンを使用した屋根です。
薄い鉄板でも波型に成形することで強度を確保できるため、軽量でありながら一定の耐久性を持ちます。主に倉庫や納屋、仮設建築物などでよく見られるタイプです。
折板トタン屋根

折板(せっぱん)トタン屋根は、トタン板を大きく台形状に折り曲げることで強度を向上させた屋根材です。
水はけの良い形状をしているため、傾斜の少ない屋根にも対応可能で、工場や体育館など広い面積をカバーする大規模建築物に適しています。

トタン屋根は、コストパフォーマンスの高さや施工の手軽さといった利点を持つ一方で、採用を検討する際には欠点についても理解しておくことが重要です。
まず、トタン屋根の主なメリットについて解説します。

他の屋根屋根材よりも格安で施工できる
屋根材の種類 | 1㎡あたりの施工価格目安 |
トタン屋根 | 約5,000~6,000円 |
金属屋根材 (スーパーガルテクト) |
約9,000~10,000円 |
トタン屋根は、他の屋根材と比較して材料費が非常に安価です。 さらに、施工手順がシンプルなため工期が短縮でき、工事費用も抑えられるのが特徴です。
一般的に、トタン屋根の施工費用は1㎡あたり約5,000~6,000円程度とされています。 これは、同じ金属屋根材の中でも高い人気を誇る「スーパーガルテクト」の施工単価(約9,000~10,000円/㎡)と比較すると、非常にリーズナブルであることがわかります。
軽量で耐震性が高い

トタンは、金属製の屋根材の中でも特に軽量な部類に入ります。 屋根の重量が軽いほど、建物の構造体への負担が減少し、地震発生時の揺れも小さく抑えられます。
特に、日本の伝統的な瓦屋根と比較すると、トタン屋根の重さは約10分の1程度しかなく、耐震性能の観点では最も優れた選択肢の一つといえるでしょう。
高い防水性を備えた、雨漏りしにくい構造

トタン屋根は、屋根の流れ方向に沿って一枚の板を使用するため、継ぎ目が非常に少なくなります。 この構造により、雨水の浸入リスクが大幅に軽減され、雨漏りの発生を防ぎやすくなっています。
また、降雪の多い地域でも、この防水性の高さがメリットとなり、雪解け水による浸水トラブルを抑える効果が期待できます。
ここまで、トタン屋根の主なメリットを3つご紹介しましたが、現在のリフォーム業界において、トタン屋根を新たに採用するケースは減少傾向にあります。
その背景には、以下のようなデメリットが関係しています。

錆びやすい

トタン屋根は、表面の亜鉛メッキが摩耗し、鉄部分が露出すると錆が発生しやすくなります。 錆が進行すると屋根材に穴が開き、最終的には雨漏りの原因となる可能性があります。
「金属製の屋根だから錆びるのは仕方ない」と思われるかもしれませんが、近年では耐食性に優れたガルバリウム鋼板が主流となっており、トタンの錆びやすさは大きなデメリットとなっています。

断熱性能が低い

トタン屋根は熱を通しやすく、断熱性能が低いため、特に夏場は屋根からの熱が室内に伝わりやすくなります。
これにより、室温の上昇を招き、冷房の効率が低下して光熱費が増加する要因となります。 逆に冬場は熱を保持しにくく、寒さが直接室内に影響を及ぼすため、快適な住環境を維持するには追加の断熱対策が求められます。
雨音が響きやすい

トタン屋根は素材が薄いため、遮音性が低く、雨や風の音が室内まで響きやすい傾向にあります。
特に強い雨が降ると、騒音が気になりやすく、就寝中や静かな環境を必要とする場合にはストレスの要因となることがあります。
頻繁なメンテナンスが必要

トタン屋根は耐久性の面で他の金属屋根材に劣り、特に錆を防ぐために定期的なメンテナンスが欠かせません。
一般的には、5~10年ごとに防錆塗装や補修が必要とされ、これを怠ると劣化が急速に進み、最終的には屋根の交換が必要になるケースもあります。
初期費用が安くても、長期的なメンテナンスコストを考慮すると、他の屋根材の方がトータルコストを抑えられる場合もあります。
トタン屋根はかつて広く使用されていましたが、現在ではより高性能なガルバリウム鋼板などの屋根材が普及したことで、新築やリフォームでの採用が減少傾向にあります。
しかし、倉庫や物置など、住居ほどの耐久性や遮音性を必要としない建物では、コストの安さを活かして今なお活用されています。
用途によっては依然として有効な選択肢となるため、建物の目的に応じて適切な屋根材を選ぶことが大切です。

トタン屋根の耐用年数と交換の目安について

トタン屋根の耐久期間は、一般的に15~20年程度とされています。 しかし、これは設置環境やメンテナンスの状況によって大きく変動するため、一概には言えません。

年月が経つにつれ劣化は避けられませんが、強風や台風などの自然災害による損傷や、飛来物による表面の傷が原因で錆びが進行し、腐食が広がる可能性もあります。
特に、瓦棒葺きのトタン屋根では、内部の心木(しんぎ)が湿気や雨水の影響で腐食し、固定している釘が効かなくなることで、屋根材が浮き上がったり、最悪の場合は剥がれて飛散するリスクが高まります。
そのため、定期的な点検と適切な補修を行うことが重要です。数年ごとに専門業者に状態を確認してもらい、錆び・浮き・腐食などの兆候がないかをチェックすることで、計画的なメンテナンスを行いやすくなりますよ。
トタンの劣化症状
1. 色あせ

2. チョーキング

3. 錆び

4. 穴あき


トタン屋根は年月が経つにつれて劣化しやすいため、状態に応じた適切なメンテナンスを選ぶことが重要です。
主な修理・リフォーム方法をご紹介します!
屋根の塗装
トタン屋根の基本的なメンテナンスとして最も一般的なのが塗装です。
まず、発生した錆をケレン作業でしっかり除去し、錆止め塗料を塗布。その後、仕上げの塗装を行うことで防錆効果を高めます。
この方法は、色あせ・チョーキング現象(粉吹き)・軽度の錆が発生した際に有効です。見た目を美しくするだけでなく、塗膜によって屋根の耐久性を向上させることができます。

▼費用の目安
一般的な30坪程度の住宅の場合、施工費用は約40万円~が相場です。
この費用には、足場設置、高圧洗浄、下地処理、塗装作業などが含まれます。
部分補修
損傷が軽微な場合は、破損した箇所だけを補修する方法もあります。
小さな穴や剥がれはコーキングや防水処理で対応できるため、早めに対処することで錆の進行を防ぎ、修理コストを抑えることが可能です。


▼費用の目安
1箇所あたり約3万円前後が一般的な費用です。
ただし、高所作業が伴う場合は足場代が15万~25万円程度別途かかるため、注意が必要です。
葺き替え工事
屋根全体に深刻な損傷がある場合や耐用年数を超えている場合は、葺き替えが適した選択肢となります。
現在のトタン屋根をすべて撤去し、新しい屋根材へ交換する工事です。業者によっては「張り替え」とも呼ばれますが、基本的には同じ工法です。
特に、大きな錆びや穴あきが進行している場合に有効な方法です。
最近では、従来の瓦棒葺きではなく、耐久性・耐食性に優れたガルバリウム鋼板の立平葺きへリフォームするケースが増えています。

▼費用の目安
30坪の住宅の場合、施工費用は約100万円~が相場です。
なお、物置や倉庫などの小規模な建物であれば足場が不要となるため、より安価に施工できる場合があります。
4. カバー工法(重ね葺き)
既存のトタン屋根の上に新しい下地を設置し、その上から新しい屋根材を施工する方法です。
ただし、トタン屋根の場合は下地の補強が必要になるため、葺き替え工事と比べても大幅にコストが抑えられるわけではありません。
また、傷んだトタンをそのまま残すため、長期間の耐久性を求める場合は葺き替えを選択する方が望ましいでしょう。

▼費用の目安
施工費用は約80万円~が一般的な価格帯です。
【要注意】トタン屋根のDIY修理は危険です!

「トタン屋根は比較的扱いやすいから、自分で修理できるのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、実際にはさまざまなリスクが伴うため、慎重な判断が必要です。
トタン屋根の補修作業は、基本的に高所での施工となります。
屋根は勾配があり、表面が滑りやすいため、適切な安全対策を施さなければ、落下事故につながる危険性が非常に高いのです。
さらに、屋根の上に乗ることで塗装面を損傷させたり、内部の木材が腐食している場合には踏み抜いてしまうリスクもあります。その結果、トタン自体に深刻なダメージを与えてしまう恐れがあります。
このような理由から、簡単な補修作業であっても、専門業者に依頼することが安全性と耐久性の両面で有利になります。

信頼できるトタン屋根の修理・メンテナンス業者の選び方とは
トタン屋根のリフォームを検討する際、金属屋根の施工に精通した「板金業者」に依頼するのが一般的です。
確かに、板金専門の職人は金属素材の特性を熟知しており、適切な施工を行うため、安心して任せることができます。
しかし、トタン屋根のメンテナンス方法は、葺き替えやカバー工法だけではありません。
屋根塗装やシーリング補修など、状況に応じてさまざまな対応が可能です。
そのため、オススメなのは、多様な工事に対応できる業者に依頼し、現地調査の結果をもとに最適な施工方法を提案してもらうことです。

一方で、契約を最優先する業者には注意が必要です。
例えば、本来は塗装のみで問題が解決するトタン屋根に対して、不必要な葺き替えを勧める業者がいるかもしれません。
また、塗装専門の業者であっても、適切な補修が必要な状態の屋根に対して、塗装だけで済ませようとするケースも考えられます。

私たち「街の屋根やさん」では、屋根塗装、葺き替え、カバー工法、部分補修など、幅広い施工経験をもとに、トタン屋根の状態を的確に診断し、最適なメンテナンス方法をご提案しています。
もし、トタン屋根の補修方法にお悩みの場合は、お気軽にご相談ください!
▼その他、業者選びに役立つ関連情報
トタン屋根のポイントまとめ
●トタン屋根は軽量で地震に強い金属製の屋根材であり、かつては日本国内で広く使用されていましたが、現在では耐久性に優れたガルバリウム鋼板が主流になっています。●代表的なタイプには「瓦棒葺き」「波板」「折板屋根」などがあり、それぞれの構造や用途に応じた特徴があります。
●メリットとしては、施工コストの低さ、軽量設計による耐震性、雨仕舞(防水性)の高さが挙げられます。一方で、サビやすい性質や断熱性能の低さがデメリットとなります。
●メンテナンス・リフォーム方法には、「塗装」「部分補修」「葺き替え」「カバー工法」などがあり、屋根の劣化状況に応じた最適な工法を選択することが重要です。
●長持ちさせるためには、定期点検と専門業者による適切な施工が不可欠です。安全面や耐久性を考慮し、DIYでの修理は避けることをおすすめします。
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