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屋根の専門家が教えます、屋根の勾配(角度)と屋根材の関係
更新日 : 2024年01月28日
更新日 : 2024年01月28日
普段、生活している限り、屋根のことはあまり気にしない方がほとんどだと思います。それでも、屋根というと大半の方は三角屋根を思い浮かべるのではないでしょうか。見慣れた街並みを思い出してください。大方の屋根には勾配(傾斜)が付けられています。
屋根勾配は雨水を効率良く流すのに必要です。積雪地ではその勾配を大きくして、雪が自然に落下するように屋根を作ることもあります。
屋根勾配は屋根材の種類、そして地域の平均的な気象条件(風速、降雨量、積雪量など)を考えて決められます。勾配が急な尖がった屋根、勾配がなだらかな平たい屋根、それぞれにメリット・デメリットがありますので、覚えておきましょう。
屋根の角度を示す「勾配数」の表し方
勺配数と言われる、屋根の傾斜の度合いの表し方には、次の3つがあります。1.尺貫法勾配(寸法勾配)
水平距離10寸(303.03mm)に対して、高さが何寸あるかで表します。現在の日本では尺や寸といった単位は一般的ではないのですが、建築業界では今でも根強くこの呼び方が使われています。 ※寸(すん)は、尺貫法における長さの単位であり、日本では約30.303 mmで、尺の10分の1と定義されます。寸の10分の1が分(ぶ)です。 ※1尺=10寸2.分数勾配
水平距離と高さの比率を分数で表しています。上記の尺貫法勾配と基本的に同じ考え方ですが、こちらは約分された数字で表されること、『5/10』を『1/2』と表すこともあります。例えば、3/10とか5/10(1/2)と表します。3.角度勾配
屋根の勾配の角度、そのものを表記したものですので、一般の方々には一番イメージが伝わりやすいのと思うのですが、建築の世界では一般的ではないようです。 例えば5寸(151.515mm)勾配だと、「26.5650゜」と少数点以下が細かい数字になってしまいます。屋根勾配によって使用できる屋根材も異なってくる
非常に重要なポイントです。
例えば瓦屋根の場合、厚みがある瓦を重ねていく関係で実際の屋根の勾配に対し、それぞれの瓦の勾配は緩くなります。
屋根の上での雨水の流れや水切れの関係から屋根材ごとに最低勾配が決まっており、雨漏りのリスクを回避するためにも厳守しなければなりません。
瓦の場合、4寸勾配(約122mm・約21.8゜)が最低勾配に指定されています。
使用できる屋根材も 屋根の勾配と大きく関係しています
必要最低勾配
1寸勾配(約30.3mm・1/10・約5.57゜)以上 ※平葺き・横葺きの場合は3寸勾配以上
必要最低勾配
3寸勾配(約91.0mm・3/10・約16.7゜)以上
必要最低勾配
4寸勾配(約121.3mm・4/10・約21.8゜)以上
4寸勾配以上の屋根であれば、どの屋根材でも使うことができますので、屋根リフォームの際に利便性が高いと言えるでしょう(耐震性の関係でスレート(コロニアル・カラーベスト)から瓦といった重い屋根材への葺き替えはできないのでお気をつけください)。
屋根足場も必要としないので、コストパフォーマンスも高いといえます。新築や中古物件を購入する際は将来のことも見据えて、4寸勾配以上の瓦屋根がお勧めではないでしょうか。
急勾配の特徴(6寸勾配⦅約182.0mm・約31゜⦆以上の屋根)
角度があるので雨水が屋根に溜まりにくく、雨漏りしにくい。ただし、屋根面積が大きくなるので、コスト面では不利。
並勾配の特徴 (3寸~5寸勾配⦅約91.0~152.0mm⦆⦅約16.7゜~26.6゜⦆の屋根)
極めて一般的な屋根勾配で、日本で最も普及していると思われる。水はけ・デザイン性・コスト面など、色々な利点があるスタンダードな勾配です。
緩勾配の特徴(3寸勾配⦅約91.0mm・約16.7゜⦆以下の屋根)
雨水が屋根の上に留まっている時間がやや長くなりそうと心配される向きもありますが、落雪防止などの観点から、雪国などでは多く採用され、屋根の軒先に近い部分にアングルをつけるなども行われます。
お洒落な屋根にしたいと思っても、屋根勾配によって使用できる屋根材は変わってきます。
屋根材によっても屋根リフォームで選択できる屋根材が限られます。
新築、もしくは中古物件を購入する場合は将来のことも考えた上で、屋根を重要視することも大事なのです。
屋根の勾配に関する施工事例一覧
横浜市旭区上川井町にて陶器瓦屋根のメンテナンス、雨漏り解消の為に谷樋交換工事と棟取り直し工事を行いました
【施工内容】
【使用材料】
南蛮漆喰シルガード(黒)
横浜市青葉区大場町にて、強風の影響で棟板金の一部が屋根から剝がれてしまった2階建てアパートの棟板金交換工事を行いました
【施工内容】
棟板金交換
【使用材料】
JFE鋼板 極みMAX
横浜市港北区菊名にて棟板金の継ぎ目に打たれているシーリングが経年劣化により破断、下地ごと交換する棟板金交換工事を行いました
【施工内容】
棟板金交換
【使用材料】
ガルバリウム鋼板 色:グレー
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