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工場・倉庫の屋根管理|折板屋根の特徴とメンテナンスの重要性を詳しく解説!
更新日 : 2025年03月11日
更新日 : 2025年03月11日

折板屋根は、大規模な工場や倉庫の屋根に広く採用されており、その機能を長く維持するためには定期的な点検やメンテナンスが不可欠です。
屋根に異常が発生すると、工場内で稼働する機械や倉庫に保管された商品・資材などが雨漏りの被害を受ける可能性があります。そのため、「今のところ問題はないが、そろそろ点検をしたほうがいいかもしれない…」と検討している方も多いでしょう。
そこで今回は、折板屋根の基本的な構造や特長、利点・欠点に加え、特に重要なサビ対策としての塗装メンテナンスのポイントを詳しく解説していきます。

折板屋根は、金属製の板材を波型や台形状に成形した屋根材で、主に工場・倉庫などの広範囲な屋根に適用されます。
一度に広範囲をカバーできるため、施工性に優れ、軽量でありながらも十分な耐久性を兼ね備えている点が特徴です。
そのため、屋根面積の大きな建築物に最適な屋根材といえます。
学校の体育館の屋根を思い浮かべると、折板屋根のイメージがつかみやすいかもしれません。
こうした大規模な施設だけでなく、さまざまな建築用途で活用されています!

折板屋根にはサイズの違いがある
折板屋根は、使用する金属板の長さによって「長尺屋根」と「短尺屋根」に分類されます。

長尺屋根
・1枚の屋根材が長いため、継ぎ目の数が少なく、防水性に優れている。
・工場や物流倉庫、商業施設など、広い屋根を必要とする建物に多く使用される。
短尺屋根
・短めの金属板を使用し、住宅のカーポートや比較的小規模な施設の屋根に適している。
・部分的な交換や補修がしやすい点がメリット。
現在主流の屋根材「ガルバリウム鋼板」
折板屋根の素材として、現在もっとも広く使われているのがガルバリウム鋼板です。
この素材は、従来のトタン(亜鉛メッキ鋼板)に比べて約4倍の耐食性を持ち、サビに強い金属材として屋根や外壁に使用されています。
特に、大型施設の屋根は解体やリフォームにかかるコストが高額になるため、耐用年数の長い屋根材を選ぶことが重要です。
ガルバリウム鋼板製の折板屋根は、適切なメンテナンスを行うことで30年以上の耐久性を確保でき、場合によっては40年ほど維持することも可能です。そのため、長期的なコストパフォーマンスの観点からも非常に優れた選択肢といえるでしょう。

曲げ加工による耐久性と防音効果

折板屋根の特徴的な台形状の波型デザインは、平らな金属板に比べて格段に強度を高める役割を果たしています。金属板であっても、曲げ加工を施すことで耐衝撃性が向上し、頑丈な屋根として使用できるのが大きなメリットです。
さらに、この独特の凹凸構造には、雨音の軽減効果もあります。雨水が屋根に当たる際、音が拡散されるため、ある程度の遮音性が確保されるのです。
ただし、工場や倉庫などの折板屋根は、下地材(断熱材や防音シートなど)を設置せずに直接施工されるケースが多いです。そのため、特に金属屋根は雨音が内部に響きやすい点がデメリットとなることを考慮しておく必要があります。



雨漏りのリスクが低い
長尺の金属パネルを使用することで、雨水の流れに対して継ぎ目が極力少なくなるため、水の浸入経路が減少し、防水性能が高い構造になります。
屋根材の接合部が少なく、継ぎ目からの雨漏りリスクを大幅に抑えることができます。

施工がシンプルで工期が短い
折板屋根は、一般的な屋根材とは異なり野地板などの下地を不要とし、専用の金具で直接固定できるため、施工時間を大幅に短縮できます。
必要な建材が少なく、施工工程も簡潔なため、コスト面でも優れた経済性を発揮します。

設計の自由度が高い
曲げ加工が可能なため、ドーム型やアーチ状の屋根など、特殊な形状の建物にも対応可能です。
工場や倉庫だけでなく、スポーツ施設や商業施設など、さまざまな用途に適用できます。


断熱性が低い
金属製のため、熱を吸収しやすく、夏場は屋内が高温になり、冬場は冷え込みが厳しくなります。
ただし、断熱材の追加や遮熱塗料の塗布など、断熱性を向上させる対策が可能です。

設置時に広いスペースが必要
屋根材の一枚一枚が長尺のため、搬入時や設置作業に十分な作業スペースが必要になります。
大型施設ではクレーンを使用するケースが多く、周辺環境によっては施工の難易度が上がることがあります。

定期的な塗装メンテナンスが必要
金属素材の特性上、経年劣化によりサビが発生する可能性があります。サビの進行を防ぐためには、定期的な塗装メンテナンスが欠かせません。
折板屋根の適切なメンテナンス方法については、ページ後半で詳しく解説しています。


折板屋根は、その接合方法や構造の違いによって、大きく3種類に分けられます。
それぞれのタイプによってメンテナンスのポイントが異なるため、自分の建物に使われている折板屋根の種類を把握することが大切です。
はぜ締めタイプ

このタイプは、金属板の端を折り曲げて噛み合わせることで接合する構造です。
ボルトを使わずに固定できるため、屋根材に穴を開ける必要がなく、雨水が入り込みにくいのが大きな利点です。
また、継ぎ目部分がしっかりと密閉されるため、防水性に優れています。
ただし、重ね式と比較すると、強風に対する耐久性がやや劣る点には注意が必要です。

重ねタイプ

重ねタイプは、金属板を一定の幅で重ね合わせ、ボルトでしっかり固定する方法です。
固定力が強いため、風に対する耐性が高く、特に風が強い地域や海沿いの建物でよく採用されます。
しかし、固定に使用するボルトが表面に露出するため、経年劣化による錆びの発生や、防水性能の低下が懸念されます。
そのため、定期的にボルトの締め直しや防錆処理を行い、雨漏りのリスクを軽減することが重要です。

嵌合タイプ

嵌合式は、金属板同士を専用のキャップではめ込んで接続する工法です。
この構造により、ボルトが表に出ないため、見た目がスッキリするうえに、高い防水性を発揮します。
一方で、他のタイプに比べて施工コストがやや高くなる傾向があるため、広い範囲への導入を検討する際は、コスト面も考慮する必要があります。


折板屋根の耐用年数
折板屋根の耐久性は、使用する素材や維持管理の状況によって異なりますが、一般的には30~35年程度であるとされています。
特にガルバリウム鋼板製の折板屋根であれば、適切なメンテナンスを実施することで、より長期間にわたって使用することが可能になります。

折板屋根のメンテナンス方法
最大の課題は錆の防止と対応

金属製の屋根である折板屋根にとって、錆の発生は避けられない問題です。
また、折板屋根は勾配が緩やかになりやすいため、雨水や落ち葉が溜まりやすく、それが錆びの原因となることがあります。
錆が進行すると、屋根材に穴が開き、最終的には雨漏りが発生するリスクがあります。
したがって、折板屋根のメンテナンスにおいては、
☑ 錆びを未然に防ぐこと
☑ 発生した錆を早期に処置すること
この2点が非常に重要になります。


特に、工場や倉庫などでは雨漏りによる精密機器や保管物への被害も懸念されるため、適切なメンテナンスを実施することでリスクを回避し、長期的なコスト削減にもつながります。
それでは、具体的なメンテナンス方法について詳しく見ていきましょう。
屋根塗装による防錆対策が不可欠

折板屋根の劣化を防ぐ上で定期的な屋根塗装は欠かせません。
ガルバリウム鋼板は錆びに強い素材ですが、完全に錆を防ぐことはできません。
☑ 傷や経年劣化によって錆が発生する
☑ ボルトや留め具から「もらい錆」を受ける可能性がある
このような要因があるため、折板屋根の表面を塗膜でコーティングし、紫外線や雨水から保護することが重要です。


こんな症状が見られたら塗装のサイン!
以下のような兆候が現れたら、早急な屋根塗装を検討しましょう。
☑ 塗膜が剥がれている
☑ 変色や色褪せが目立つ
☑ 表面に粉状の白い物質(チョーキング現象)が発生している
☑ すでに錆が発生している

塗装を行う際には、まず「ケレン作業」を実施し、既に発生してしまった錆を除去します。
さらに、下塗りには防錆効果のある塗料を使用することで、錆の再発や拡大を抑えることができます。
折板屋根は、定期的なメンテナンスを行うことで本来の耐用年数を最大限に活かすことが可能です。
一度錆が発生してしまっても、適切な処置を施せば手遅れになることはありません。
継続的な屋根塗装と点検を行い、長く快適に使用できる環境を維持していきましょう!

雨漏りが発生した際の対処法

もし雨漏りが起きてしまった場合、屋根の状態に応じて 「屋根カバー工法」 または 「葺き替え工事」 のどちらかの修繕方法が適用されます。
●屋根カバー工法(重ね葺き)
既存の屋根の上に新しい屋根材を施工する工法です。
この方法を採用することで、断熱性や防水性が向上し、屋根の耐久性を強化できます。
また、既存屋根の撤去が不要なので、廃材処分費がかからず、比較的コストを抑えられるメリットがあります。

●屋根の葺き替え工事
屋根材全体が著しく劣化している場合や、下地部分に損傷が及んでいる場合は、既存の屋根を撤去して新しい屋根材に交換する葺き替え工事が適しています。
この方法なら、屋根の構造部分も含めて補修できるため、長期的な耐久性が確保できます。

どの方法を選ぶかは、屋根の損傷具合や予算によって決まります。
雨漏りを放置すると、屋根の下地や建物内部に深刻なダメージを与える可能性があるため、早急に専門業者へ点検と見積もりを依頼することが重要です。
適切な修繕方法を選び、被害を最小限に抑えましょう!

折板屋根の塗装を行う際、正確な面積を算出することは見積もり金額に直結する重要なポイントです。
屋根の塗装面積を正しく把握することで、必要な塗料の量や工事費用を適正に見積もることが可能となるため、計算ミスを防ぐことが大切です。
ここでは、基本的な面積計算の方法と注意点について解説します。
折板屋根の塗装面積の算出方法

塗装に必要な面積を求めるには、屋根の「縦の長さ」と「横の長さ」を知る必要があります。
しかし、折板屋根は波型の形状をしているため、横方向(流れに対して直角の方向)には山と谷があり、実際の表面積は平面の長さよりも大きくなる点に注意が必要です。
例えば、一谷分の平面上の長さが200mmであっても、折れ曲がった部分を含めると実際には約288mmになることもあります。
このように、折板屋根の表面積を算出する際は、単純な長さではなく「係数」を考慮した計算を行う必要があります。
折板屋根の塗装面積を求める基本の計算式は以下の通りです。
折板屋根の横方向の長さ = 屋根の横の長さ × 係数
この「係数」は、屋根の形状や製品の仕様によって異なります。
例えば、高さ88mmの「88タイプ」の折板屋根では、一般的に係数1.44を使用することが多いです。
異なる係数を用いて計算すると、見積もりに大きな差が生じることがあるため、複数の業者から相見積もりを取り、金額の違いを比較することが重要です。
折板屋根の塗装面積は、以下の式で求められます。
折板屋根の面積 = 縦方向の長さ × 係数を掛け合わせた横方向の長さ
また、三平方の定理を利用した面積計算など、より詳細な算出方法もあります。以下のページで詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
見積もりの精度を上げ、適正な工事費用で折板屋根のメンテナンスを行いましょう!

工場の屋根に断熱塗料を活用するメリット

金属製の折板屋根は熱を吸収しやすく、特に夏場は屋内の気温が上昇しやすくなります。
この問題を解決するためには、断熱塗料を施すことが非常に効果的です。

断熱塗料には熱の伝わりを抑える特性があり、屋根に塗布することで外気の影響を軽減し、建物内部の温度変化を抑制できます。
夏は外部からの熱の侵入を防ぎ、冬は室内の暖気を逃がしにくくすることで、年間を通じて快適な室内環境の維持が可能となります。
さらに、多くの断熱塗料には遮熱性能も備わっており、赤外線を効率よく反射することで、屋根の表面温度の上昇を抑えることができます。これにより、屋根材自体の劣化も遅らせることができるため、長期的なメンテナンスコストの削減にもつながります。

断熱塗料を活用することで得られる4つの主要なメリットを紹介します。
☑ 屋内の温度上昇を抑え、快適な室内環境を維持できる
☑ 空調効率の向上による電気代・燃料費の削減が可能
☑ 労働環境の改善により、作業の生産性向上に貢献
☑ 空調負荷の軽減により、CO2排出量の削減に寄与
このように、断熱塗料を使用した屋根塗装は、快適性の向上だけでなく、コスト削減や環境負荷の低減にも大きく寄与します。
特に、工場や倉庫などの広範囲な施設では、その効果を最大限に引き出すことができるため、導入を積極的に検討する価値があるのです!
まとめ
●折板屋根とは、鋼板を波状や山型に成形した金属屋根のことを指し、軽量でありながら高い耐久性を持つため、工場・倉庫などの大規模施設に適しています。●金属素材であるため、錆の発生を抑えるメンテナンスが重要となります。
●折板屋根の主な種類には、「はぜ締め式」「重ね式」「嵌合式」の3タイプがあります。
●独特な形状を持つ折板屋根でも、専用の計算方法を用いることで正確な表面積を算出できます。
●ガルバリウム鋼板は耐錆性に優れていますが、長寿命化のためには定期的な塗装メンテナンスが不可欠です。
●雨漏りや水漏れが発生した場合は、屋根カバー工法や葺き替えを検討することで、より確実な修繕が可能です。
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