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【屋根材】ガルバリウム鋼板製品のメリット・デメリット【外壁材】
更新日 : 2025年03月25日
更新日 : 2025年03月25日

近年の住宅リフォームでは、ガルバリウム鋼板製品が採用される機会がどんどん増えています。
このページをご覧の方の中にも、住まいの屋根や外壁のリフォームを考え、ガルバリウム鋼板製品を検討されている方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。
こちらの記事では、ガルバリウム鋼板のメリットだけでなく、デメリットについても詳しく解説します。
メリットとデメリットの両方を把握し、ご納得いただいた上でリフォームに臨んでいただければと思います。




ガルバリウム鋼板が多くの支持を得る理由であるメリットをご紹介します。
耐食性が高い
ガルバリウム鋼板の最大の魅力は、金属でありながら錆に強い点です。金属製と聞くと、錆の心配をしなくてはならず、不安に思う方も多いでしょう。
もちろん、「どんな状況下でも絶対に錆びない」ということはありません。しかし、その耐食性はこれまでの金属建材を大きく上回り、たくさんの支持を得るに至りました。

錆びにくさの秘訣は、めっき成分にあります。ただの鋼板であればすぐに錆びますが、アルミニウムと亜鉛をめっきすることで高い耐久性・耐久性を誇っています。
ガルバリウム鋼板のめっき成分

ガルバリウム鋼板のめっきは、亜鉛43.4%、アルミニウム55%、シリコン1.6%の合金で構成されています。
アルミニウムは、ステンレスと同様に、空気中で酸化皮膜を形成する性質を持ちます。酸化皮膜とは、金属が酸化した際に金属表面に形成される酸化物の膜であり、非常に安定性が高く、それ以上の化学反応(腐食、錆)が起こりにくくなります。
また、亜鉛が含まれていることにより、犠牲防食機能も発揮します。犠牲防食機能とは、亜鉛メッキの表面に傷がついて鉄が露出した場合でも、亜鉛が優先的に腐食することで、鉄自体が腐食から守られるという働きです。


上記の機能を備えているため、ガルバリウム鋼板は金属製の外装材として非常に優れた建材です。かつて、金属製の外装材と言えばトタンが主流でしたが、ガルバリウム鋼板は、そのトタンの4倍の耐食性を備えていると言われます。

軽量なため、耐震性が高くなる
ガルバリウム鋼板は、非常に軽量な建材であるため、採用することで耐震性の向上も期待できます。地震大国である日本においては、非常に心強いと言えるでしょう。
屋根の重量が重いほど建物の重心も高い位置になるため、揺れが大きくなり、建物への負担が増します。屋根材の落下、家具の倒壊の他、梁や柱といった構造部への影響といった危険が考えられます。

ガルバリウム鋼板製の屋根材の重量を他の屋根材と比較してみると、以下の通りです。

また、重量と耐震性の関係は、屋根だけでなく外壁でも同様のことが言えます。
次は、ガルバリウム鋼板製の外壁材とその他の外壁材の重量を比較してみましょう。
屋根材としても外壁材としても、ガルバリウム鋼板製の建材の耐震性が優れていることが分かりますね。

屋根カバー工法に最適な屋根材
軽量なガルバリウム鋼板は、屋根・外壁のカバー工法に最適な建材です。
既存の屋根・外壁の上から新しい屋根・外壁を被せる工法ですが、軽量なガルバリウム鋼板であれば、重量の増加も許容できる範囲に収まります。

熱反射性が高い
ガルバリウム鋼板は、めっきの主成分であるアルミニウムの容積比が80%と非常に高く、その表面には結晶が独特の模様(スパングル)として現れます。これにより、ガルバリウム鋼板は他のめっき鋼板に比べて約2倍の熱反射性を発揮します。

夏場の屋根は非常に熱くなります。熱反射性の高いガルバリウム鋼板は、表面温度・室内温度の上昇を抑えます。省エネルギー効果に期待される場合にも適した建材と言えるでしょう。

汚れにくい
金属であるため湿気や雨水を吸収しないガルバリウム鋼板は、他の屋根材に比べて苔やカビといった汚れが付きにくい建材です。

日本で最も普及しているスレート屋根は、塗膜が経年劣化すると苔やカビが繁殖してしまいます。外壁材としてメジャーな窯業系サイディングやモルタルも同様です。これは、スレートやモルタルが雨水を吸水してしまうために起こります。建物の北側の外壁や屋根面に苔やカビが繁殖しやすいのは、日当たりが悪く湿気が多いためなのです。

ガルバリウム鋼板そのもの水を吸収しませんが、それでもうっすらと苔やカビが繁殖してしまうこともあります。低汚染塗料やフッ素塗料で塗装すると繁殖を抑制できますので、苔やカビの繁殖が気になる方にはおすすめです。
ひび割れない

ガルバリウム鋼板の外壁材は、ひび割れにくい建材です。
窯業系サイディングや、特にモルタル外壁では、クラック(ひび割れ)がよく起こります。ひび割れは、外壁の剥落や雨漏りの温床となり、美観も損ねてしまいます。

また、ひび割れが起こる原因として多いのが「凍害」です。建材が吸水した水分が凍結し、体積が膨張することで建材を内側から圧迫し、破損させてしまいます。
ガルバリウム鋼板製であれば吸水することがありませんので、凍害による破損の心配も必要ありません。
施工性が高い
ガルバリウム鋼板製の屋根材・外壁材は、軽量で加工が容易であり、施工性に優れた建材と言えます。短時間での張り替えが可能であり、補修などの作業も他の建材に比べてスムーズに行えるため、人件費などのコストを削減できます。

短時間で施工できるというのは、大型台風や地震に被災した際にも心強いです。修復スピードが速くなるので、安心した暮らしを早く取り戻すことができるでしょう。金属なのでリサイクルすることもできますし、人にも地球にも優しい建材と言えるのではないでしょうか。
屋根勾配が緩くても施工可能
ガルバリウム鋼板の屋根材は、緩やかな勾配の屋根でも施工可能です。
近年はデザイン性を重視して、屋根勾配の緩やかな住宅が増えていますので、金属屋根材が採用される機会はさらに増えています。

棟から軒先に向かって縦方向に屋根材を葺いていく縦葺き(立平葺き)であれば、わずか1寸勾配から施工することができます。ガルバリウム鋼板製屋根材の縦葺きは、雨水が流れる方法に継ぎ目が出来ず、雨水が滞留しにくくなります。そのため、緩勾配の屋根に多い雨漏りトラブルに強い屋根に仕上がります。

スタイリッシュなデザイン
近年はシンプルなデザインの住宅が増えています。シンプルモダンな住宅は都会的な印象が強いですが、意外と自然豊かな風景にも調和します。

ガルバリウム鋼板製屋根材が持つシャープな印象は、シンプルモダンなテイストを引き立てます。凹凸が少なく、金属が持つクールな質感は、シンプルに仕上げたい部分に最適です。耐久性が高く、長持ちするので、将来的に売却を考えている場合にも、有利に働くでしょう。

ここからはガルバリウム鋼板のデメリットを紹介します。メリットの多いガルバリウム鋼板ですが、万能というわけにはいかず、デメリットも存在します。メリットとデメリットを比較して充分にご検討ください。
導入費用が高い
ガルバリウム鋼板は、導入コストが高くなるのがデメリットの一つとして挙げられます。
ガルバリウム鋼板はスレートや窯業系サイディングに比べると、導入コストが高くなります。しかし、メンテナンスの手間が比較的かからず、サイクルも長くなるため、長いスパンで維持コストまで含めて考えると、安価で済むでしょう。

スレートとの比較
製品によって異なりますが、スレートは約5,000~8,000円/1㎡、ガルバリウム鋼板屋根材は6,000~10,000円/1㎡ほどです。しかし、ガルバリウム鋼板の方が耐用年数・塗装サイクルが長く、メンテナンスの手間がかかりません。

衝撃で凹むことがある
ガルバリウム鋼板は、わずか0.4mm程の厚さであるため、衝撃によって凹んでしまうことがあります。一度凹んでしまうと修復は難しく、不可能と言ってもいいでしょう。
ひび割れないことをメリットとして挙げましたが、衝撃には弱いので、物がぶつからないよう注意する必要があります。ガレージや自転車置き場などの付近の外壁は、気を付けた方が良いでしょう。

強風による飛来物などで凹んでしまうこともありますが、凹みだけであれば機能的には問題ありませんので、急をようすることはないでしょう。

傷に注意が必要
凹むだけにとどまらず、屋根材・外壁材に傷がついてしまった場合には注意が必要です!
表面の塗膜・めっきに傷がつき、素地である鋼板が空気に触れると錆が広がってしまいます。

屋根は、台風や強風による飛来物の衝突などが原因で傷がつき、錆が発生しやすくなります。台風が過ぎた後は、屋根に大きな傷がないか、剥がれやめくれといった不具合がないかを点検することをおすすめします。
外壁については、物がぶつからないよう注意することに加え、屋根と同様に台風後の点検が重要です。傷を見つけた場合は、早めに補修を依頼しましょう。
小さな傷であれば、塗料を塗ることで補修が可能です。錆が広がる前に傷を塞いでおくことが、建物を守るための大切なポイントです。

断熱性が低い
金属製の建材は、他の素材と比べて熱を伝えやすい特性があります。
そのため、ガルバリウム鋼板の屋根材は素材自体の断熱性が低く、適切な対策が必要です。
「ガルバリウム鋼板の屋根や外壁を勧められたけれど、金属製は暑くなりそうで心配…」といった声はよく聞かれます。

このような不安に対しては、断熱材が一体化した製品を選ぶのが効果的です。これらの製品は、素材の裏側に断熱材が直接貼り付けられているため、断熱性能にムラがなく、安定した効果が得られます。
屋根材なら「スーパーガルテクト」(アイジー工業)や「横暖ルーフ」(ニチハ)などが代表的な製品です。外壁材についても、主要なガルバリウム鋼板製品の多くは断熱材一体型が採用されています。


現在のお住まいの断熱施工状況を確認し、適切な対策を行えば、暑さはそれほど気にならないでしょう。
そのほかの対策としては、表面に白系などの明るい色の遮熱塗料を塗装する方法や、小屋裏に発泡タイプの断熱材を施す方法も効果的です。
なお、屋根や外壁がカバー工法で二重構造になっている場合は、熱の影響を受けにくく、あまり問題にはなりません。

デザインがシンプルになりがち
ガルバリウム鋼板の屋根材や外壁材は、シンプルなデザインゆえに「高級感や重厚感が足りない」と感じる方もいらっしゃいます。
外壁材の場合、窯業系サイディングはデザインやカラーのバリエーションが豊富で、タイル調や石積調などの質感を好む方には、ガルバリウム鋼板がやや物足りなく感じられることもあります。
また、これまで瓦屋根だった方の中には、シンプルさに違和感を覚える方もいるようです。
しかし、シンプルだからこそ洗練された印象を与える建材ともいえます。好みは人それぞれですが、近年では「スパンサイディング」や「ラップサイディング」など、ガルバリウム鋼板ならではのシンプルなデザインを好む方が増えてきています。

近年では、デザイン性に優れた高意匠の外壁材が販売されており、注目を集めています。中には、一見金属には見えないような模様が施された金属サイディングもあります。
また、瓦のような形状に加工されたガルバリウム鋼板製の屋根材もありますので、ご興味のある方はぜひご相談ください。

ガルバリウム鋼板屋根リフォームの事例
地震対策として軽量なガルバリウム屋根材で葺き替え



相次ぐ地震への不安から、軽量な屋根にしたいというご要望を受け、ガルバリウム鋼板製の屋根材「横暖ルーフα」へ葺き替えを行いました。これにより、屋根の重さは約10分の1に軽減され、瓦が落下する心配もなく、安心してお過ごしいただけるようになりました。
雨漏りした緩勾配のスレート屋根をガルバリウムへ



雨漏りの原因は、2.5寸という緩い勾配による排水の悪さでした。そこで、棟から軒までを1枚の板金で仕上げる縦葺き工法を採用し、さらに下地には粘着式の防水紙を使用することで、今後の雨漏りリスクを大幅に軽減することができました。
ガルバリウム鋼板 関連リンク
瓦屋根のリフォームをご検討中におすすめ!ガルバリウム鋼板の屋根は和風住宅にマッチします。
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→ガルバリウム鋼板製屋根材おすすめ5選
ガルバリウム鋼板の屋根材は、ここ10年ほどで急速にシェアを拡大しています。新しい建材という印象から不安に感じる方もいますが、実はガルバリウム鋼板は日本でも40年以上前から使用されており、実績のある信頼性の高い素材です。
ただし、どの建材にもメリットとデメリットがあるため、その特性を十分に理解したうえで採用し、長持ちさせるための適切なお手入れを行うことが大切です。

「我が家にぴったりの屋根材はどれだろう?」
「ガルバリウム鋼板の屋根材に興味があるけれど、どんな種類があるの?」
このようなリフォームや屋根工事に関する疑問やご質問があれば、ぜひ街の屋根やさんにご相談ください。
点検やお見積りは無料です。お住まいの状況をしっかり確認したうえで、ご希望やご予算に合わせた最適なご提案をさせていただきます。

ガルバリウム鋼板屋根材・外壁材のメリットとデメリットまとめ
●ガルバリウム鋼板のメリット
-ガルバリウム鋼板はアルミニウムと亜鉛のめっき鋼板でトタンの4倍の耐食性
-ガルバリウム鋼板をはじめとする金属屋根材は最も軽い屋根材
-熱反射性が高く、屋根表面の温度上昇を抑える
-吸水しないガルバリウム鋼板は汚れにくい
-セメント系建材やモルタルのようににひび割れない
-軽量で加工しやすく、施工性の高い建材
-縦葺き(立平葺き)なら勾配の緩やかな屋根でも雨漏りしにくい
●ガルバリウム鋼板のデメリット
-導入費用(イニシャルコスト)が高い
-ものがぶつかると凹みやすい
-傷がつき、めっきが剥がれると錆が広がる
-断熱性が低い
-デザインがシンプルで物足りない場合がある
ガルバリウム鋼板 メリット デメリットに関するお客様の声一覧!
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