HOME > ガルバリウム鋼板屋根の横葺き・縦葺きとは?それぞれの特徴って.....
ガルバリウム鋼板屋根の横葺き・縦葺きとは?それぞれの特徴ってなに?
更新日 : 2024年04月17日
更新日 : 2024年04月17日

ガルバリウム鋼板屋根は大きく「横葺き」と「縦葺き」に分けられそれぞれ違った特徴を持っています。名前の通り見た目の違いが特にわかりやすいですが、もちろん屋根の向きが違うだけでなくそれぞれにメリット・デメリットがあります。屋根の形状や勾配によっては不向きなパターンもあり、誤った選択をしてしまうと雨漏りを引き起こす原因になってしまうので、お住まいの屋根に適した屋根材や施工方法を選択することが重要となります。
とはいえ、お住まいに適した葺き方・向いている屋根材はどちらなのか、横葺き・縦葺きにはいったいどのような特徴があるのかなどわからないことや、ご自身で判断するには難しいことがたくさんあるかと思います。お住まいに適した屋根材、施工方法を選択していくためにも「横葺き」と「縦葺き」それぞれの性質をしっかりと理解し、正しい知識をもったうえで屋根リフォームを検討しましょう。
今回の記事ではガルバリウム鋼板の優れた特徴や「横葺き」と「縦葺き」のメリット・デメリットについて、またリフォームする時の注意点などご説明してまいりますので、ガルバリウム鋼板での屋根リフォームをお考えの方は参考にしていただければと思います。
ガルバリウム鋼板とは、アルミニウムと亜鉛とシリコンでめっきした鋼板のことをいいます。金属屋根ですが、アルミニウムと亜鉛でめっきしていることでトタン屋根などに比べ傷や錆ができづらく、重たい瓦屋根や比較的軽いスレート屋根よりもさらに軽量で耐震性・耐久性も高い屋根材になっています。このように優れた特徴が多いガルバリウム鋼板は近年、屋根リフォームで採用されることが多くなっています。

ガルバリウム鋼板が台頭するまで屋根材としての人気が最も高かったスレート屋根と比べてみましょう。工事してからの耐用年数はスレート屋根は20年前後ですが、ガルバリウム鋼板においてはおよそ30~40年もつとされています。そして、塗装メンテナンスの時期もスレート屋根は10年ほどが目安となりますが、ガルバリウム鋼板は15~20年ほどでのメンテナンスが推奨されています。これらから、スレート屋根と比較して、ガルバリウム鋼板のほうが耐久性・メンテナンス性に優れていると言えるのではないでしょうか。

そのほかにも、ガルバリウム鋼板の優れている特徴はその軽さにもあります。1坪あたりの屋根重量を瓦屋根と比較するとガルバリウム鋼板は約10分の1の重さになり、比較的軽めのスレート屋根でも比べると約3分の1~4分の1の重さになります。屋根重量が重い場合、地震により建物が大きく揺れ、お住まいの崩壊リスクが高くなる危険性があります。軽量の屋根材にすることで建物にかかる負担が減り、耐震性を高めることにも繋がりますので、お住まいを守るためにも軽量の屋根材を使用することが大切です。

これまでは瓦屋根やスレート屋根を使用するお住まいが多かったのですが、屋根の軽量化により耐震性を高めることができ、他の屋根材と比較してたくさんの優れた部分があるガルバリウム鋼板を使用して屋根リフォームをすることが近年では増えている傾向にあります。
ガルバリウム鋼板で屋根リフォームをする場合「横葺き」と「縦葺き」どちらを選択したら良いのか?適したものはどちらなのか?お住まいにぴったりの屋根材や施工方法を見つける手がかりになるよう、それぞれの特徴やメリット・デメリットをご紹介させていただきます。

横葺きの特徴は?

横長の屋根材を軒先から平行に葺いた方法のことを、横葺きといいます。外観はスレート屋根に似ていてすっきりとシンプルな印象を与えてくれます。横葺きにはさらに2種類に分けられ、屋根材のつなぎ目が薄く段差が低いためフラットな形状になる「平葺き」と、段差を高くすることで奥行きや厚みを出す「段葺き」があります。お住まいの外観の雰囲気や、お好みで葺き方を選ぶことが可能です。
横葺きのメリット・デメリットは?
横葺きは他の屋根材と比べ、たくさんの種類からお好みの色やデザインが選べることが特徴的で、さらに複雑な構造をしている屋根であっても対応可能な点もメリットです。バリエーションが豊富なため屋根リフォームを機に斬新なデザインに仕上げたい、おしゃれな屋根に挑戦してみたい、という見た目にこだわりたいとお考えの方には「横葺き」がおすすめです。

横葺きの欠点ですが、屋根材を横に葺いているため雨水が下に落ちにくい造りになっているという点が挙げられます。雨水が長い期間滞留してしまうと屋根材の劣化が促進され、さらには雨漏りを引き起こしてしまうことにもなります。そのため雨漏り被害を起こさないためにも、屋根勾配が2.5寸~3寸以上ないお住まいでは施工が推奨されません。横葺きを検討する際には、事前に業者の方に施工が可能か調査をしてもらうとスムーズです。

<施工事例>
・カバー工事でスレート屋根からガルバリウム鋼板横葺き屋根にリフォーム
横葺きのガルバリウム鋼板を使用した施工事例をご紹介させていただきます。元々はスレート屋根塗装のご依頼だったのですが、詳しくお話をお伺いすると耐久性が心配であるということでしたので、屋根塗装ではなくスレート屋根より耐久性のあるガルバリウム鋼板を使用した屋根カバー工事をおすすめいたしました。カバー工事というのはもともとある屋根材の上に新たな屋根材を重ねて施工する方法のことをいい、施工費用を抑えて屋根材を新しくすることのできるコストパフォーマンスに優れた工法です。屋根材が二重になる分屋根が重くなってしまうという注意点がありますが、ガルバリウム鋼板のような軽い屋根材であればその点も安心です。
現在の屋根を洗浄してから、その上に防水紙(ルーフィング)という屋根からの雨漏りを防ぐためのシートを敷き、ガルバリウム鋼板を重ねていきます。
カバー工事は葺き替え工事と違い現在の屋根を撤去せず工事するため、撤去費用がなくリフォーム費用を抑えたい方へおすすめです。カバー工事後は屋根が2枚重なった状態になるため重みが増したり、既に雨漏りがあり下地に問題がある場合には施工できないなどの注意点も存在します。そのため、業者の方に現在の屋根状況をしっかり点検をしてもらったうえで検討するようにしましょう。
カバー工事後の屋根がこちらです。ガルバリウム鋼板によってカバー工事をしたことによって耐久性も高まり、工事前とは違う色味の屋根に仕上がりましたので新鮮さが感じられて嬉しいと、お客様にも喜んでいただくことができました。
縦葺きの特徴とは?

屋根の頂点の棟から軒先まで1枚の長い鋼板を使い施工していく方法のことを縦葺きといいます。屋根の傾きと同じ方向に縦の溝ができるため雨水が溜まりにくい構造になっております。
屋根の流れに沿って縦に木材を打ち付け、その上から屋根材を施工する「瓦棒葺き」や、1枚の金属を折り曲げ接合するためつなぎ目ができず雨漏りにも強い「立平葺き」があります。さらに立平葺きには「縦ハゼ葺き」と「嵌合式(かんごうしき)」の2種類にも分けられます。
縦ハゼ葺き:板金同士の繋ぎ目を折り曲げることで固定する工法
嵌合式:板金同士の繋ぎ目にキャップを嵌め込むことで固定する工法
瓦棒葺きは木材を使うため腐食による雨漏りが心配されますが、立平葺きは金属だけで施工するためその心配がなく、屋根仕上げの際よく使われています。
縦葺きのメリット・デメリットは?
縦葺きは金属板を屋根に沿って施工するため雨水の通り道ができ、屋根に雨水が溜まりにくいことで雨漏りの心配が軽減されることがメリットです。横葺きの場合、屋根勾配で施工できる限度がありましたが、縦葺きでは緩勾配でも施工が可能になります。また縦葺きの場合1枚の金属板を使用するので横葺きに比べ手間もかからず、屋根材の種類によりますがコストが削減できる場合もあります。

縦葺きは横葺きと違い豊富なデザインや色の種類があまりないため、屋根の見た目にもこだわりたい、さまざまな種類からデザインを考えたいなどのご希望があるお客様には横葺きの屋根材がオススメです。また、複雑な屋根の形状をしている場合は施工できない可能性もでてきます。
デザインなどに大きなこだわりがなく、雨漏りの不安を軽減したい、屋根リフォームのコストを少しでも減らしたいとお考えのお客様には「縦葺き」がおすすめといえます。

縦葺きのおすすめ屋根材をご紹介
・稲垣商事スタンビーシリーズ
嵌合式で施工するため施工日数が早く、風にも強い立平葺きの屋根材です。0.5寸ほどの緩勾配な屋根でも施工できるため、対応できる屋根が多いところが特徴です。結露防止効果のある断熱材を裏面に貼り付け、雨水の振動を吸収し減音効果を期待できる軽量制振シートをオプションでつけることで、より快適なお住まいにすることができます。

・ 月星商事タフビーム
吊子部分が一体型されたシンプルな屋根材で、屋根の下地に直接取り付けることができ、上から踏み込むことで簡単に施工できる構造になっています。
シャープな縦のラインがアクセントとなりすっきりとした外観を表現することができます。表面はフラットタイプとさざなみタイプの2種類から選ぶことができ、曲げる施工も可能でアーチ屋根にも対応できるため、お住まいの他にも施設や体育館などの建物にも適しています。

<施工事例>
・タフビーム縦葺き施工で、緩い勾配の下屋をリフォーム
大屋根より一段下げた位置に造られた下屋の斜面がとても緩い勾配のため、雨漏り被害を防ぐためにも雨水が溜まりにくい縦葺きによる施工をご提案いたしました。
大屋根との接合部分は雨水が入り込まないように板金を設置し、防水性に優れているパッキン付きビスで鋼板を固定していきます。
鮮やかな下屋が完成したことで全体的にも明るい雰囲気のあるお住まいになり、縦葺きによって雨漏り対策もばっちりな仕上がりになりました。
ガルバリウム鋼板でのリフォームをお考えの場合、お住まいの屋根の形状や勾配などによっては施工できないケースがあるとご説明させていただきました。お伝えしたいくつかの気を付けるべきポイントをまとめましたので、正しい知識をもったうえで屋根リフォームをご検討いただくためにも一緒に確認していきましょう。
お住まいの屋根勾配を把握しよう
横葺きか縦葺きを決める段階で、まず第一に屋根勾配を確認する必要があります。横葺きの場合2.5~3寸以上の勾配、縦葺きの場合0.5寸以上の勾配があればそれぞれ施工可能になっています。横葺きだと屋根に雨水が溜まってしまい、雨漏り被害を防ぐためにもある程度の勾配が必要になります。お住まいの屋根勾配をご自身で確認することは困難かつ危険なため専門業者へ依頼をし、しっかり把握したうえで検討しましょう。

縦葺きから横葺きにリフォームできるの?
これまで、雨漏り被害を起こさないためにも屋根勾配をしっかり把握することが大事だとお伝えしてきました。屋根勾配が緩やかだと横葺きでは施工不可であるため、お住まいの 屋根を縦葺きから横葺きに変えたいとご希望の方は勾配を確認する必要があります。
勾配など考慮しないまま施工し、後から屋根勾配による問題が起きてしまう例が実際にありました。屋根は雨や風を直接うけてしまうため、お住まいの中でも重要な部分であるといえます。適切なリフォームを行ってもらうためにも、縦葺きから横葺きに屋根を変える際は専門業者による正しい判断が必要になってきますので、業者選びは慎重に行いましょう。

実績豊富で知識のある業者を選ぶことが大切です
きちんと知識を持ち実績豊富な業者のもと正しい判断で施工していただくことで、大切なお住まいへより長く住み続けてもらうことができます。ガルバリウム鋼板での施工実績が多く、お客さまのご不安や疑問に対し丁寧に対応をしていただけるような業者に依頼をしましょう。

屋根の状態などによって施工費用は変わってくるので相場が定まりにくく、業者によっても費用は違ってきます。1つの業者だけで判断せずいくつかの業者と比べることで、見積内容が比較できることもそうですが、より信頼のできる専門業者を見極めることにもつながります。
ガルバリウム鋼板で横葺き屋根から縦葺き屋根にリフォーム
雨漏り被害にお困りのお客さまからのお問い合わせで、築30年の木造住宅でスレート屋根をご使用のお住まいでした。屋根になにかしらの問題がある可能性があり、雨漏りの原因を追究するため調査にお伺いしました。
お住まいの屋根はスレート屋根の横葺きで、屋根勾配が2.5寸ほどの施工対応可能な勾配ではありましたが、少し緩やかな傾斜でありました。さらに屋根材の下にある防水紙のメンテナンスを行っていなかったため、そのことが原因で屋根内部へ雨水が侵入しており、雨漏りを引き起こすこととなってしまいました。このように、いくつかの原因が重なることで雨漏り被害に繋がってしまうため、雨漏りを起こさないためにも雨水が流れていきやすい縦葺きのカバー工法で施工することになりました。
屋根の頂点にある棟板金をまず取り外します。板金を取り除いた下には貫板という木材があるのですが、この貫板が劣化していたため交換いたしました。今回はカバー工法のため既存のスレート屋根の上から防水紙を敷き、さらにその上から新しい屋根材を取り付けていきます。カバー工法により防水紙と屋根材が新しくなり、さらに縦葺き屋根材を使用していきますので雨漏り被害を起こしにくく、雨漏りの不安も軽減されます。
シンプルな外観が特徴のフラットタイプのタフビームで施工します。屋根の構造上、雨水が入りにくくなっていますので、雨漏り対策にも期待できます。
棟板金の下にある貫板の腐食防止のため、今回は水を吸い込みにくい耐久性のある樹脂製のタフモックを貫板として使用し施工いたしました。加えて棟板金を留める際にもステンレスビスを使用したため鉄製のビスより錆びにくくよりご安心いただけます。
仕上がった屋根をお客様にドローン撮影にて屋根上からご確認いただいたところ、シンプルでスタイリッシュな縦葺き屋根に大変ご満足いただきました。
お住まいの屋根の状態を、屋根上に登って日頃から確認することは非常に危険でご自身では大変難しいです。屋根は経年によって色落ちやヒビ、屋根材の欠けなどが起こるようになり、これら劣化は雨漏り被害を起こしてしまうきっかけになります。大体15年~20年ほどで屋根メンテナンスを行うことを推奨しておりますが、早めに業者による点検やメンテナンスを行っていただき、雨漏り被害にあわないためにも事前に屋根リフォームを検討しておくことをおすすめいたします。

現在の屋根の状態であったりお住まいの屋根に適した施工方法はなにか適切に判断するためには様々な観点からの知識と分析、そして経験が必要です。街の屋根やさんでは無料点検を行い屋根の状態を調査したうえで、ご希望のリフォーム内容をお伺いしお客様のお住まいに適したリフォーム内容を計画・ご提案させていただきます。これまで20,000棟以上のお住まいを施工させていただいた経験を活かし、お住まい全体を丁寧に調査させていただきますのでご安心ください。

他の屋根材と比較し優れている部分が多いガルバリウム鋼板ですが、屋根はお住まいの印象を大きく変えるため、新しく挑戦するには不安を感じる部分があると思います。その不安を取り除くためにもメリット・デメリットについて理解することが重要になります。
街の屋根やさんでは屋根リフォームによってお客様が最大限ご満足いただけるよう隅々までサポートをさせていただきますので、疑問やご不安ごと、ご相談などお気軽に街の屋根やさんへお問い合わせください。
ガルバリウム鋼板の横葺き・縦葺きとは?それぞれの特徴ってなに?まとめ
- ●他の屋根材に比べ、金属材なのに錆びにくく軽量で耐震性のあるガルバリウム鋼板はコストパフォーマンスに優れた屋根材です。
- ●それぞれ異なる特徴のある「横葺き」と「縦葺き」から選びます。
- ●横葺きとは?
-
- メリット…種類豊富な屋根材や色から決めることができ、複雑な屋根の形状でも施工可能
- デメリット…屋根の傾斜が緩やかだと雨漏りの原因になるので施工不可
- ●屋根の状態によっては葺き替え(張替え)が必要なケースもあります
- ●縦葺きとは?
-
- メリット…縦に溝ができるため雨水の通り道が確保され、緩やかな屋根でも施工可能
- デメリット…種類が豊富ではないため屋根のデザインにこだわりたい方には不向き
- ●お住まいの屋根の形状や勾配を業者の方に依頼し確認してもらいましょう。雨漏り被害を起こさないためにも屋根勾配を考慮した屋根材選びをお心がけ下さい。
- ●ガルバリウム鋼板を使用したリフォームで実績豊富な、正しい知識をもった業者を選ぶことがなにより大切です。
ガルバリウム鋼板 横葺き 縦葺きに関するお客様の声一覧!
あなたの近くの街の屋根やさんはこちら
街の屋根やさんは神奈川県以外にも東京都、千葉県などでも屋根工事を承っております。日本全国に展開中ですので、貴方のお住まいの街の屋根さんをお選びください。


点検・調査・お見積りなど無料で承ります!お気軽にお問合せ下さい!
お電話でのお問い合わせは
通話料無料

0120-989-936
8時30分~20時まで受け付け中!