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屋根のなかってどんな風になっている?内部・構造を詳しくご紹介!
更新日 : 2022年02月10日
更新日 : 2022年02月10日
2つの面からなる一般的な屋根、4面以上から成る屋根、ほとんど傾斜がない平らな屋根、急勾配な屋根…というように、ひとくちに「屋根」と言っても、その形はさまざまです。
屋根はどんな建物にも必ずある部分で、雨や風などの環境から住まいを守る働きをしています。屋根がどんな構造をしているのかを知るだけでも、メンテナンスの大切さに気づくことができますし、いざという不具合の際にも慌てずに済むでしょう。
こちらのページでは、外からはなかなか見えない“屋根の内部・構造”について、詳しくご説明していきます。
長い文章のページとなっていますので、内容を動画でもまとめています。動画で見たいという方はこちらをご覧ください!
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屋根はどんな部材で構成されている?
私たちが「屋根」と聞いてイメージするのは、“瓦”や“金属屋根”というように屋根の素材のことではないでしょうか?街を歩いていて建物が目に入った際、外観を表現するとすれば「このお住まいは和風の瓦屋根だな」といったように、屋根の素材に注目しがちですよね。
ただ、屋根は建物の上に単純に屋根材が乗っかっているだけではありません。屋根の下には「屋根を乗せるため」に必要な木材が組まれていて、屋根材とともに建物を守っています。
ひとつひとつの部材や部位によって呼び方が異なるので、それぞれがどんなものか見ていきましょう。
垂木
垂木は、屋根の荷重を支える働きをしています。屋根の基本とも言える木材で、屋根の上から下へと斜めに取り付けられている部分です。屋根に勾配がついていれば必ず設置されていて、「縁の下の力持ち」的な部位とも言えるでしょう。
約45cm間隔で組まれており、屋根材を固定するときに垂木に合わせて釘を打つことで雨漏りのリスクも減り、屋根の強度を向上させることにもなります。
野地板
垂木の上には、野地板と言われる部位があります。昔は小巾板という、18cmほどの幅で厚さ5mm程度の板を重ねて設置していました。現在の主流は、厚さ9mm、または12mmの構造用合板(1800mm×900mm)による野地板です。
「野地板」という名称を初めて聞いた人も多いかもしれませんが、屋根の土台として重要な役割があります。野地板には防水紙を敷き、それから屋根材を設置します。
外からは見えないものの屋根にとってはかなり重要な部分。耐用年数が20年~30年ほどですが、「野地板だけのメンテナンス」というのは現実的ではないかもしれません。そこで、屋根葺き替えなどのタイミングに合わせて、野地板も一緒にメンテナンスを行うといいでしょう。
※構造用合板とは・・・ 合板という名のとおり板を複数枚重ね合わせることで非常に高い強度を誇る素材です。住宅の構造耐力を上げるため、屋根や床、壁の下地など主要な部分に用いられています。
防水紙(ルーフィング)
野地板の上には、雨を遮る役割のある防水紙を敷きます。防水紙はルーフィングとも呼び、雨漏りを防ぐための“最後の砦”とも言える部材です。
雨漏りがすると、「屋根材が壊れた?」「穴があいたかも」「屋根が割れた」など、屋根材自体の問題に結び付けて考える方が多いかもしれません。
しかし、基本的には防水紙さえしっかり機能していれば、雨漏りが起こることはありません。
「防水紙が最後の砦」と言うと大袈裟に聞こえるかもしれませんが、屋根から室内への雨の浸入をおさえているのは、本当に「防水紙(ルーフィング)」なのです。
防水紙とひとくちに言っても、一般的な防水紙をはじめ、改質アスファルトルーフィングや粘着タイプのもの、厚手の粘着タイプ、遮熱タイプなどラインナップはたくさんあります。
屋根の雨漏りと深く関連する重要な部材ですから、葺き替えやカバー工法で選ぶときには、ぜひ“良質の防水紙”をお選びください。
屋根材
私たちがよく目にするのが、防水紙の上に敷かれる屋根材です。見た目にも影響する部分と言えるでしょう。屋根材は、屋根の構造のなかでも露出しているため、常に紫外線や雨、風などの刺激を受けています。
住まいの美観にも直結する部分であると同時に、屋根材が受けた雨水を適切に雨樋まで受け流す「一次防水」としての役割もあります。「二次防水」としての役割を担っているのは先ほど挙げた防水紙であり、雨漏りは屋根材の一次防水、防水紙(ルーフィング)の二次防水の2つで守られています。
屋根の基本的な構造は、垂木や野地板、防水紙、そして屋根材です。さらに「棟」や「鼻隠し」、「破風」なども屋根の一部です。「専門的な感じがする」と読み方さえ迷う単語もあるのではないでしょうか?しかし、屋根工事の見積もりではよく見かける言葉ですから、あらかじめ読み方やどんなものかを知っておくと非常に役立ちます。
棟
棟は「むね」と読み、屋根の一番上にある部位です。横から見たときに三角に見える「切妻屋根」は、2つの面が合わさる山の頂点が「棟」です。また、4つの面で構成されている寄棟屋根なら、頂点部分が「大棟」、頂点から傾斜がついている山を「隅棟(すみむね・下り棟)」と言います。
棟は、屋根面が重なり合うため、隙間ができやすく「雨漏りのリスク」を含んでいる屋根の弱点部分 でもあります。棟に雨が浸入しないように、スレート屋根や金属屋根には「棟板金」、瓦屋根には「棟瓦」を施工しています。
鼻隠し(はなかくし)
鼻隠しは、屋根の内部にある垂木を隠すため、屋根の傾斜の最も下部分となる「軒先」に設ける部材です。軒先には、屋根の斜面を伝った雨水を地面に落とすための雨樋がありますが、それの下地にもなります。
鼻隠しも、紫外線や雨水の影響があるため劣化しやすく、塗装でメンテナンスが必要です。
破風(はふ)
「屋根の先端にある」という点では鼻隠しと同じですが、破風は切妻屋根の妻側(横から見て三角に見える側面)を指し、破風に設置されている板を破風板と言います。
鼻隠しと違い、破風は雨樋に隠れることなくむき出しとなっている部分のため、紫外線や雨水の影響を受けやすいです。
軒天(のきてん)
軒天は、屋根の先端の「軒」と言われる部分の裏側のことを言います。軒天は屋根の裏側ですから、雨水や紫外線を直接的に受けないイメージを持つかもしれません。しかし軒天にもやはり劣化の恐れがございます。
風をともなわず、しとしとと静かに降るような雨の場合、軒天に直接あたることはありません。しかし、台風や強風などのように横風をともなうときは、雨の影響を受けやすいです。軒天は、ふだんはなかなか目にしない部分でしょう。そのため、雨染みや木材の剥がれがいつの間にか起こっているケースもあります。
軒天も定期的な塗装メンテナンスが必要な部分であり、あまりにも腐食がひどい場合は張替えを行わなければいけません。
屋垂木や野地板などの下地をはじめ、鼻隠しや破風といった専門的な部位も「屋根」の一部です。屋根と言えば表面に見える屋根材に注目しがちですが、このようにさまざまな部材・部位により住まいを守ってくれているのです。そのなかでも、紫外線や風雨の刺激を最も受けているのは最表面にある屋根材と言えるでしょう。
それでは次は住宅の外観を最も左右するといってもよい、屋根材の種類について紹介していきます。
瓦屋根(粘土瓦)
粘土から成る「粘土瓦」は古くから日本ではお馴染みの屋根材。“和”の風情が感じられる特徴があります。防水紙の上に打ちつけた瓦桟という木に瓦を引っ掛けるように設置していくのが瓦屋根です。軒先やケラバの部分は釘などで止めるのが一般的ですが、その他は組んでいきます。近頃は、地震に強い瓦として「防災瓦」も注目されています。
瓦屋根の大きな特徴は、塗装メンテナンスがいらないことです。しかし、棟部分に存在する漆喰や谷樋は定期的にメンテナンスしなければなりません。瓦はとても高寿命の屋根材で、一般的には30年~50年と言われています。釉薬瓦なら、50年以上の寿命も期待できるでしょう。ただ、一方で漆喰や谷樋、防水紙、野地板などの部分については、寿命は「瓦本体」よりも短いです。塗装のメンテナンスは不要とはいえ、屋根材以外のメンテナンスは定期的に行わなければなりません。
薄型スレート屋根(コロニアル)
セメントを主剤にした4.5mm~6mm厚の屋根材を「薄型スレート屋根」と言います。アスベストが含まれていた時代もありましたが、現在の薄型スレート屋根にはアスベストを用いていません。新築後、10年程度で屋根塗装のメンテナンスが必要です。塗装により美観と防水性を保つことができます。
薄型スレート屋根は、防水紙の上から1枚ずつ釘で打ち付けることで固定されており、屋根の面と面の境目は金属性の棟板金で覆うことで雨仕舞いをしています。
耐用年数は20年~30年ほどです。
金属屋根
金属屋根の大きなメリットは、瓦屋根やスレート屋根よりも「軽量」という点です。一坪当たりの重量は、瓦屋根の約1/10、スレート屋根の約1/4程度という軽さ。“耐震性”という観点から考えると、とても優れた屋根材と言えるでしょう。
また、金属屋根は縦に葺く「縦葺き」、横に葺く「横葺き」というように、葺き方によって2つに大別することができます。
縦葺きは、屋根の棟から軒先まで縦方向に設置するため、雨水が屋根面に溜まることなくスムーズに流れます。排水機能が良く、雨に強い葺き方です。横葺きは、一枚一枚をビスで固定して貼り合わせるように、横向きに葺きます。 “和風”でも”洋風“でも、どんなお住まいにも合わせやすい葺き方と言えるでしょう。
セメント瓦・モニエル瓦
「セメント瓦やモニエル瓦は「瓦」という文字が入っていますが、日本瓦とは違ったものです。セメント瓦はセメントが主成分、モニエル瓦はセメントと砂を主成分としています。陶器瓦のように「瓦本体」に撥水性があるわけではないので、塗装をしなければなりません。耐用年数に合わせたメンテナンスが必要です。
モニエル瓦は、既に生産が終了し製造はされていません。セメント瓦も、新築で使われることがなくなりました。セメント瓦・モニエル瓦は、だいたい20~30年程度の寿命があると言われています。セメント瓦・モニエル瓦を用いたご住宅ですと、ほとんどがちょうど20~30年に差し掛かる頃かと思います。次のメンテナンスの際には是非、葺き替え工事をご検討ください。
アスファルトシングル
アスファルトシングルは、海外ではとても主流の屋根材です。日本では、屋根材としてはあまり聞き慣れないかもしれません。
表面に石粒を吹き付けたザラザラした屋根材です。シート状のため、複雑な形状の屋根でも加工がしやすく、軽いという特徴があります。
海外で主流の屋根ということもあって、デザインのバリエーションが豊富です。
“雨から住まいを守る”という目的を持つ屋根材と防水紙。雨漏りしないための施工方法として、下から上に向かって張り上げるというルールがあります。
屋根には傾斜がついていて、落ちてくる雨水は通常上から下に流れます。上から張り合わせてしまうと、重なった部分の上から雨が入りこんでしまいます。そのため、通常は下から上に順番に重ねていくことで、重なり部分に雨が入りこみづらくなるのです。
参考までによくある屋根の形状も簡単にご説明します
2つの面で構成されている切妻屋根。横から見ると三角に見えることから、「三角屋根」とも言われています。
寄棟屋根は、4つの面で構成されている屋根です。頂点の棟は大棟、頂点から軒へ向かって下る棟を隅棟(すみむね)と言います。
切妻と寄棟がミックスされたような屋根の形状をしています。
1つの面が一方向へと傾斜がついたのが片流れ屋根です。傾斜の上側を棟、下が軒先となります。
1つの頂点を起点とし、4つの面が4方向におなじ角度で傾斜がついています。正方形の住宅でよく見かける屋根です。
陸屋根は傾斜のない、1面のみの屋上のある屋根です。瓦やスレートなど一般的な屋根材を使用せず、防水工事を施すことで防水性を保ちます。
屋根には以上のような形状があります。小屋裏、小屋裏部屋、採光(明取り)、吹き抜けなど、屋根にどのような機能を持たせたいか、なにを重視したいかにより形状が決まっていきます。
まとめ
●表面に見える屋根材だけでなく、垂木や野地板、防水紙、棟、鼻隠し、破風など、屋根はさまざまな部材と部位から構成されています。
●一次防水の役割がある屋根材、二次防水役割がある防水紙というように、建物は屋根材と防水紙により雨水の浸入から守られています。
●屋根材の種類はさまざまで、代表的なものとして、瓦やスレート、金属、セメント瓦、モニエル瓦、アスファルトシングルなどがあります。
●切り妻屋根や寄棟屋根、入母屋、片流れ、方形、陸屋根などがよくある屋根の形状です。
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横浜市港南区東永谷で雨漏りした小波板金の屋根をオークリッジスーパーで葺き替え工事しました
【施工内容】
屋根葺き替え
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オークリッジスーパー ブラウンウッド
川崎市麻生区王禅寺西で棟板金交換工事のあと、屋根塗装工事を行いました
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横浜市金沢区平潟町でスレート屋根の改修、傷んだ棟板金を交換いたしました
【施工内容】
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