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意外と多い笠木が原因のベランダ・バルコニーからの雨漏り
更新日 : 2024年04月22日
更新日 : 2024年04月22日
笠木ってどこのことをいうの?
まず笠木ですが、ベランダやバルコニーのみに取り付けられているものではなく皆様のお住まいには様々な箇所に「笠木」が設置されてます。 塀や手すり、腰壁、パラペット(屋上の端部に設けられている立ち上がり部分)などの最上部に被せる仕上材を笠木と言いますが、例えば室内を見回してみても階段の手すり壁や対面キッチンの腰壁等にも笠木が取り付けられています。この笠木は意匠性や機能性を持たせるために施工されています。 ベランダやバルコニーであれば物や人が落ちないよう必ず外周に手すり壁が設けられていますがその手すり壁の最上部をカバーするように設置されている仕上げ材が笠木となります。笠木はどんな材質のものがあるの?
笠木として用いられる材料には木製の笠木や、セメント製笠木、モルタル製笠木、金属製笠木などがあり使用される材質により防水性・耐久性、用いられる場所に違いはありますが、ベランダやバルコニーには防水性の高いガルバリウム鋼板やステンレス、アルミといった金属製笠木(金属製の笠木をパラキャップとも言います。)が用いられることが多いと言えます。笠木の目的・役割とは
手すり壁や塀の頂点に帽子のように被せる笠木ですが、室内にある笠木、屋外にある笠木それぞれで当然必要とされる機能はもちろん目的や役割も変わってきます。意匠(デザイン)としての役割を持つ笠木
街中を歩いていると洋風なおしゃれな家が建ち並び、お住まいの建物だけではなく、お住まい全体のデザイン性を高く維持するためにその外構(エクステリア)にもこだわりを持ったお家もずいぶん多く見かけます。デザインにこだわった笠木ということで言うと塀に取り付ける笠木ではないでしょうか。無機質なブロック塀を塗装で綺麗に色づけることの他にも笠木を被せることでワンポイントのアクセントを加えておしゃれを演出している笠木を見かけることが多いですよね
ベランダ・バルコニーの笠木には特に防水性を高めるための役割が求められている
前述の塀の笠木では意匠性(デザイン)を高めるための役割という側面について話をしましたが、塀の笠木においても意匠性だけではなく、雨垂れやブロックの劣化防止といった機能性を持たせるために笠木を取り付けるという側面があります。 ではベランダやバルコニーの笠木はどうなのでしょうか? ベランダ、バルコニーの笠木に関しては特に機能性を高めるという役割が大きいと言えます。その最たるものが雨漏りを防ぐための防水機能です。 防水機能を持たせる必要があるということはそれだけベランダやバルコニーからの雨漏りが多いことを意味しています。そもそもベランダもバルコニーもお住まいの2階以上の場所にあり、建物から外面に張り出した形で存在しています。ルーフバルコニーであれば階下の居室屋根部分に作られており、いずれにしても雨風の影響を直接受ける場所に存在します。 手すり壁の内部に雨水が浸入してしまうことで階下の居室への雨漏りへとつながったり、建物自体の腐食へとつながっていってしまうことを防ぐためにそれを守るベランダやバルコニーの笠木には防水性という重要な役割が求められているのです。 防水機能を持たせる必要があるということはそれだけベランダやバルコニーからの雨漏りが多いことを意味しています。そもそもベランダもバルコニーもお住まいの2階以上の場所にあり、建物から外面に張り出した形で存在しています。ルーフバルコニーであれば階下の居室屋根部分に作られており、いずれにしても雨風の影響を直接受ける場所に存在します。 手すり壁の内部に雨水が浸入してしまうことで階下の居室への雨漏りへとつながったり、建物自体の腐食へとつながっていってしまうことを防ぐためにそれを守るベランダやバルコニーの笠木には防水性という重要な役割が求められているのです。 最悪の場合シロアリの発生にもつながり、木材の強度・耐久性を著しく下げることにもなりベランダやバルコニーの利用に大きな不安を抱えてしまうことにもつながります。 そして最終的には浸入した水分が壁伝いに落ちていき、室内への雨漏りへとつながってしまうのです。 それでは鉄筋コンクリート造のお家ではどうでしょうか?鉄筋コンクリート住宅はRC住宅とも呼ばれますが、柱や梁などの主要構造部に鉄筋の入ったコンクリートを用いられており耐震性や耐火性、耐久性に大変優れた構造です。 こうした頑丈で強いというイメージからか木造住宅と比較すると雨漏りに強いという誤解を抱いている方がいらっしゃいますが決してそうではありません。 新築時において鉄筋はコンクリートのアルカリ性によって被膜(不動態皮膜)します。 これにより鉄筋自体に耐食性を持たせ金属の腐食、つまり錆(さび)から身を守っているわけですが、もしクラック(ひび)等がありそこからコンクリート内部に雨水が浸入してしまった場合、浸入してきた雨水や空気により徐々に鉄筋が酸化し、錆を発生させます。そして錆により膨張した鉄筋がコンクリートを破壊・突き破り躯体の破壊へと発展してしまうのです。 このような状態になってしまうと劣化はさらに進み、構造部分である鉄筋をみるみる腐食させ、コンクリートの強度を下げてしまうのです。笠木はどのように取り付けられているのか
ベランダやバルコニーの手すり壁の頂点に被せてある笠木ですが、どのようにして施工されているのでしょうか。これについてご理解いただくと、笠木のどのような場所から雨漏りが起こるのか見えてきます。まずベランダ、バルコニーには防水層となる床面と垂直に立つ手すり壁があります。 どちらも雨の影響を受けやすく雨漏りのリスクとなるため適切な防水処理が必要となりますが、床面であれば雨水が床にたまらないよう排水溝に水が流れるような勾配があること、また水が浸入しないようにFRP防水やウレタン防水などによって防水層を設置することとなります。
1.脳天打ちされているビスや釘の隙間から雨水が浸入する
垂直に建てられた物の頂点部分を人間の脳天と例えた言い方で、つまり笠木の真上から防水シートを貫通してビスや釘が打ち込まれている状態です。 もちろん新設時には雨水の浸入を許さないようビスを固く打ち込んだうえにシーリング材が充填されているため即座に雨水の浸入や雨漏りの心配はありませんが時間が経過することでシーリングが劣化し、また埋め込まれたビスにも緩みが生じ、これが原因となって雨漏りを引き起こします。特に笠木部分はそこまで勾配もなく雨水が上部に滞留しやすいためビスや釘が脳天打ちされた笠木は要注意と言えます。
15年以上前に取り付けられたベランダやバルコニーの手すりで多いのが、笠木の上に直接ビスを脳天打ちして取り付けられているという方法です。「我が家がまさにそう・・・」「自宅のベランダの手すりがそのように取り付けられている」とおっしゃる方もいらっしゃるかもしれません。そのように取り付けられた手すりは雨漏りの原因になることが多いため要注意です。
雨漏りのリスクがあるのは脳天打ちされた笠木だけではありません。ビスを打ち込めば上面であれ、側面であれ、経年劣化等により次第にシーリングの劣化やビスの緩みが発生し、笠木上面から流れ落ちた水滴が側面のビスの上に滞留し、空いた隙間から浸入することがあります。「我が家の笠木は側面から打ち付けられているから安心」と決して油断しないことが肝要です。
取り付けホルダーを笠木内に取り付けるということは笠木の外側にはビスを打ちませんが、笠木内にはホルダーを取り付けるために手すり壁の上面(笠木の下地となる部分)にビスを打ち込みます。 つまり外側に雨水が浸入する経路がないだけで、笠木の内側には雨水の浸入を許す経路が存在するのです。横殴りの雨の時に雨漏りが発生するという場合は通気口となる隙間から入り込んできた雨水が笠木内のホルダーの劣化したビスの穴から入ってきているという可能性が非常に高くなります。
2.ジョイント部分や外壁との取り合い部分のシーリング劣化が原因の雨漏り
複数枚の金属が笠木として設置されている場合、必ず一枚一枚の間に隙間が生じます。この隙間をシーリング材で充填し、隙間を埋めることで固定・防水しますがシーリングが劣化することにより雨水が浸水し、雨漏りへと発展します。 シーリングが劣化する原因は降り注ぐ紫外線や雨、また温度差であり建物の立地や自然環境にもよりますが、短いと新築から3年程度、長くても7年程度で傷みが始まり、劣化を進めていくことになります。
3.笠木の浮き部分が原因となる雨漏り
笠木はお住まいの外に突き出したベランダやバルコニーの上部に天を向いた格好で存在します。金属製笠木であれば紫外線や高温の太陽熱の影響の受け続けることで経年により変形が起こることがあります。また強風の影響も受けやすいことから笠木が固定されている場所から浮いてしまいそこからの雨水が浸入し雨漏りに発展するといったことがあります。4.笠木が錆びて穴が空いてしまったことにより雨水が浸入
ベランダやバルコニーの笠木には板金が使用されていることが多いのですが、この笠木自体が錆びてしまい、錆が進行した結果笠木の表面に穴が空き、そこが雨漏りの原因となってしまうケースもあります。 錆は金属の腐食で酸素と水分があることにより発生し、広がっていきます。腐食による錆は、穴はもちろん笠木自体の耐久性にまで影響を及ぼす重大な問題です。笠木を交換をする際は腐食しにくいアルミ製を選んだり、ビスもステンレスビスを用いるなど徹底的に腐食に強い笠木にすることも重要なことです。1.シーリングによる補修
2.笠木の交換
錆が広がり耐久性が低下していたり、穴が空いてしまっている、経年劣化により変形や傷みが顕著な場合は笠木の取り換えが必要となります。 もし現在のお住まいにおいて笠木部分が原因となり長期間雨漏りにお困りだった場合、すでに防水シートが破れてしまっている、笠木の下地である木材が腐食しているといった状況である可能性が高いでしょう。その場合は下地や防水シートも新しく取り換える必要があります。まずは雨漏りの状況を業者に伝えた上で、現状を確認していただきどこまでの取り換えが必要なのか判断を仰ぐようにしましょう。3.塗装による笠木のメンテナンスは意味があるの?
そもそも塗装を行う理由の一つは見た目の調整のためです。色を変えることで印象を変えたい、時間が経って色あせてきた美観を取り戻したいといったことですね。 そしてもう一つは塗膜を作ることで防水性を高めるためです。塗装は笠木のメンテナンスといった側面で見た場合に意味がないとは言いませんが、あくまでも笠木の劣化を防ぐための予防的な施工であり、劣化して状態が悪くなった笠木や雨漏りを修理するためのものではないということを覚えておきましょう。
ベランダやバルコニーの笠木から雨漏りを発生させないために 無料点検をご活用ください
笠木の基本的なことから、笠木からどのように雨漏りが発生するのか?笠木のメンテナンス方法まで見てきました。これまで笠木からの雨漏り修理をさせていただいたお客様もおっしゃるのが「こんなわずかなところから」といった驚きの声です。 しかし雨漏りというのは笠木に限らず屋根や外壁からの雨漏りも少しの屋根材の割れや防水紙の破れ、外壁の亀裂といったことが原因となるように雨が直接当たる笠木だからこそ雨漏りに対しては細心の注意と定期的なメンテナンスが必要だということをぜひ覚えておいてください。 特に雨漏りは屋根から起こるものという先入観を持たれている方にとってベランダやバルコニーの笠木からの雨漏りというのはそこに注意が向きづらく、雨漏りが起こっている状況だとしても案外見過ごしがちです。街の屋根やさんでは雨漏りの無料点検時に屋根はもちろんベランダやバルコニーの笠木や、必要であれば小屋裏まで徹底的に調査をさせていただいております。雨漏りに悩んでいる、原因がわからないといった方はぜひ街の屋根やさんの無料点検をご活用ください。笠木の実際のメンテナンス例
笠木と外壁が原因による雨漏り 笠木交換とサイディング張替え
点検時の様子
二年前に築20年の中古住宅を購入されたお客様より、1階に雨漏りがあるということでお伺いしました。室内のクロスを確認させていただきましたが変色や剥がれといったことはありませんでしたが、木枠が水を吸い若干黒ずんでいるのがわかります。 目に見える形で雨漏りがしているということは、どこからか確実に雨水が室内に浸入していることを表しています。「まだこの程度の雨漏りだから大丈夫」だと油断せずに、雨漏りの兆候が見えたら即業者に見てもらいましょう。バルコニーの外壁と笠木交換
ベランダやバルコニーの笠木からの雨漏りまとめ
●笠木とは塀、手すり、腰壁、パラペットなどの最上部に被せる仕上材を言います ●笠木として用いられる材料には木製笠木、セメント製笠木、モルタル製笠木、金属製笠木などがあります ●ベランダやバルコニーの笠木には雨漏りを防ぐため防水性を高める役割が求められています ●笠木からの雨水の浸入は木造住宅・鉄筋コンクリート住宅ともに大変なリスクがあります ●笠木の取り付けには手すり壁の上面や側面にビスで取り付けられる方法や取り付け用のホルダーを用いて取り付ける方法があります ●ベランダやバルコニーからの雨漏り原因としては固定のために打たれたビスや釘の穴、笠木のジョイント部分や外壁との取り合い部分、笠木の浮き、錆による穴などからが考えられます ●メンテナンス方法としてはシーリングによる補修、笠木の交換などがあります ●塗装は予防的な処置であり、笠木自体の修理にはなりません ●ベランダやバルコニーからの雨漏りを未然に防ぐために街の屋根やさんの無料点検をご活用ください笠木に関する施工事例一覧
横浜市保土ヶ谷区権太坂にて擁壁の上に建てられた賃貸物件、瓦棒葺きから立平葺きへ屋根葺き替え工事を行いました
【施工内容】
部分塗装
【使用材料】
ビルトマテリアル デコルーフ
横浜市青葉区桜台にてバルコニー廻りの帯板が腐食してしまった為、ニチハの金属サイディング「影光」でカバー工事を実施
【施工内容】
【使用材料】
ニチハ FB型 影光 色:ライトグレー
横浜市西区浅間町で屋上の陸屋根をウレタン防水で防水工事しました
【施工内容】
防水工事
【使用材料】
田島ルーフィング GO-JIN
笠木に関するブログ一覧
笠木に関するお客様の声一覧
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