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片流れ屋根の特徴と気を付けたい雨漏りへの対策

更新日:2020年5月25日

 屋根の形状は住宅によって異なります。以前の住宅であれば切妻屋根や寄棟屋根、和風住宅であれば入母屋が多かったかと思いますが、現在の住宅はさらに複雑な屋根形状が多いように感じます。これは住宅が建ち並ぶ過程で斜線制限や天窓・ドーマーの設置によるプライバシー確保の考えが進んだ結果でしょう。

しかし一方でシンプルな「片流れ屋根」も注目されつつあります。施工方法が簡単な為施工会社も好み、施工費用が安いためリーズナブルな価格での建築をご検討されている方には非常に人気が高く見かけることも増えました。しかし屋根の形状ごとにメリット・デメリットが存在し、片流れ屋根の場合は雨漏りを起こしやすいという情報もあります。それはいったい何故なのか、また雨漏りを防ぐためにはどのようなことに気を付ければ良いのか、片流れ屋根を選ぶ際、メンテナンスを行う際にしっかり確認しておきましょう。

片流れ屋根の特徴

1.片流れ屋根の特徴

 まずは片流れ屋根がどのような形状なのかをご紹介します。

切妻屋根 寄棟屋根
通常、多くみられる屋根は2面以上の屋根面で成り立っているかと思います。従来で最もシンプルなのは2面で形成された切妻屋根、そして4面で形成された寄棟屋根や方形屋根が一般的でした。

片流れ屋根は屋根面が1面で形成された屋根形状です。南面を高くすることで窓を多く設置でき日の光を十分に取り入れられますし、北面を高くすることで太陽光パネルを南面に設置することができます。光を取り入れにくい平屋にも多くみられるため、片流れ屋根は住宅の階数や形状に関係なく取り入れられていることがわかりますし、シンプルな形状ですのでスタイリッシュな住宅に見えます。

2.雨漏りを起こしやすい箇所と原因

 

 デザインも格好よく気になる方も多いであろう片流れ屋根ですが、雨漏りを起こしやすいという心配が付きまといます。実は屋根での雨漏り事例で相談を頂くことが多い屋根形状に片流れ屋根がランクインします。しかも雨漏り箇所も集中しており、最も多いのが頂部の棟板金部分、ケラバ、そして軒先です。この3点でなぜ雨漏りが起きやすいのかを簡単にご紹介します。

1.棟板金

片流れ屋根の棟板金 片流れ屋根での雨漏り発生
 棟板金は片流れ屋根の最も高くなった部分に取り付けられていますが、屋根と外壁の取り合い部分が最も雨水に晒されやすい構造になってしまうのです。雨水の吹き込みも通常であれば雨仕舞で防げるのですが、外壁と屋根の取り合いが十分に施工されていないと伝い雨が屋内に浸入してしまい雨漏りに発展してしまいます。

2.ケラバ

片流れ屋根の形状 片流れ屋根の端
 ケラバというのは雨樋が取り付けられていない斜辺を指しますが、切妻屋根と較べると片流れ屋根のケラバは2倍の長さになります。2面で保護していた部分を1面で施工しているので当然ですよね?ケラバは雨水を軒先に流している部分でもありますが、伝い雨が2倍になれば雨漏りを起こす可能性も単純に2倍に跳ね上がります。ケラバに取り付けられている板金や破風板が劣化すれば雨漏りを起こすリスクが非常に高くなってしまいますので十分な注意が必要です。

3.軒先
 雨樋が取り付けられている側の軒先はいわゆる屋根で最も低い位置にあたりますので雨漏りリスクが低いようにも感じます。しかし実際は雨樋が集める雨水も切妻屋根等と較べると2倍になりますので、集水量が増えた際にオーバーフローを起こす可能性も高くなります。直接雨水に晒される機会は最も低い箇所ですが、十分に注意しなければならない箇所でもあります。

3.片流れ屋根のメンテナンス方法

 では片流れ屋根から雨漏りを発生させないようどのようなメンテナンスを行うべきかをご紹介します。屋根材によって欠かせないメンテナンスも異なりますが、非常に多い化粧スレート屋根材を中心にご紹介します。

1.屋根塗装

 屋根材も然り板金も太陽光や雨水に晒されることで劣化してしまいます。塗膜が劣化する前の塗装メンテナンスをしっかり心がけていきましょう。新築時は特に安価な塗料が使用されていることがありますので、片流れ屋根にかかわらず築10年前後での塗り替えを検討していきましょう。

2.棟板金・ケラバ板金の補強や交換

 強風の影響を受けやすい棟板金・ケラバの釘が抜けていないか、浮いていないかを定期的に確認しましょう。特に台風後は外れた板金が敷地内に落下しているということもありますので、点検と必要に応じた補修・固定を行いましょう。

※換気棟の設置

片流れ屋根の棟板金交換 棟板金交換工事

雨漏りとは関係ありませんが、メンテナンスの際に換気棟の設置も検討しましょう。6寸勾配以上の北面片流れ屋根の場合、1日中日が当たらない季節が存在します。また南面で太陽光パネルを設置している屋根でも設置面と未設置面では屋根温度が異なり温度差が発生します。すると壁内や室内で発生した湿気がこもり結露が発生しやすくなってしまいます。結露は屋根全体の腐食を招く恐れもありますので、できるだけ換気を行い湿気を溜めないことが非常に重要になります。換気棟や換気口の設置を積極的に検討していきましょう。

4.雨漏り対策

 片流れ屋根は雨漏りしやすいことはお分かり頂けたと思います。しかし対策を行えば雨漏りのリスクは低くなります。片流れ屋根の雨漏り対策をいくつかご紹介します。

・透湿ルーフィング
 ルーフィングとは屋根材の下にある防水紙です。透湿ルーフィングは、防水性に加えて通気性に優れた防水紙です。万が一屋根裏に雨水が侵入しても早く乾き、屋根裏の湿気も外へ逃してくれます。棟板金を透湿ルーフィングで覆うことで雨水の侵入を防ぐことができます。シーリングで隙間を塞ぐこともできますが、透湿ルーフィングの方が長持ちします。透湿ルーフィングの寿命は、なんと50年〜60年と言われています。

・水切り板金
 水切り板金とは、屋根と外壁のつなぎ目に設置する板を指します。屋根と壁の間に雨水が通らないようにする役割があります。また、雨漏りが多いケラバにも専用の水切りをつけることも有効です。「シール材付きケラバ水切り」はシール材で隙間を防ぐことにより、落ち葉やゴミがケラバに溜まることを防ぎます。ケラバのつまりがなければ、オーバーフローによる雨漏りを防ぐことができるという仕組みです。

 

お住まいのいろいろな場所に設置されている「水切り」とは?

 水切りはお住まいの様々な場所に設置されています。上記でもご説明した通り、水切りは雨水をお住まいに侵入させないという役割があります。片流れ屋根に設置されている水切り以外にも、お住まいにある水切りの種類をご紹介いたします。それぞれの場所や役割を知ることで、補修やメンテナンスの際に役に立ちます。

・ケラバ捨て水切り
 ケラバとは、片流れ屋根や切妻屋根(2面で構成された屋根)の妻側の端部を指します。妻側とは、簡単に言うと雨樋がついていない面です。台風のような暴風雨の場合、ケラバから雨が吹き込み、屋根を劣化させてしまう可能性があります。そこでケラバからの雨水の侵入を防ぐのが、ケラバ捨て水切りです。ケラバ捨て水切りに入った雨水は軒先へ流れます。

・軒先水切り
 その名の通り、軒先に設置する水切りです。屋根材の下を流れた雨水を雨水に流す役割があります。

・雨押え水切り板金
 屋根と外壁の取り合い部は雨漏りが多い場所です。そこへ設置するのが雨押え水切り板金です。

 

5.片流れ屋根と共に人気のある切妻屋根・寄棟屋根

 スタイリッシュで初期費用も比較的低いことから最近は片流れ屋根のお住まいを多く見かけます。片流れ屋根以外にも屋根の形はたくさんあり、特に切妻屋根、寄棟屋根が人気です。切妻屋根、寄棟屋根の特徴をご紹介いたします。

切妻屋根
 2面で構成されている屋根を切妻屋根と言い、三角屋根とも呼ばれます。シンプルな作りなため、施工費用も抑えられ工期も短く、雨漏りのリスクも低い屋根です。降雪量の多い地域では、雪の落下箇所が特定できるため事前に雪による被害を防ぐことができるのもメリットです。また、全ての屋根材が使用でき、和風・洋風どちらのイメージにも合うため、理想のお住まいにすることができます。
 一方、屋根が2面しかないことによって、妻側(屋根がない面)の外壁に雨や紫外線が当たりやすく、劣化しやすいといったデメリットもあります。

寄棟屋根
 4面で構成されている屋根を寄棟屋根と言います。寄棟屋根は屋根が4面あるので全ての方向の外壁を雨や紫外線から守ることができます。また、風が分散されるので、耐風性にも優れており、台風の多い地域や風の強い沿岸部にお住まいの方におすすめです。
 デメリットは、屋根面が多い分、切妻屋根や片流れ屋根に比べて費用が高くなってしまう、工期が長いといったことが挙げられます。また、棟の数も増えますので定期的なメンテナンスが必要です。

 

6.片流れ屋根に関するまとめ

片流れ屋根のメンテナンス

 片流れ屋根は近年よく見られる屋根形状です。シンプルですのでどの住宅とも合いスタイリッシュなデザインの為人気も高い屋根形状です。その一方で雨漏りや結露によるトラブル事例も多く、気を付けなければならない屋根形状にもあたります。現在片流れ屋根のお住まい、今後片流れ屋根を検討されている方は注意点・正しいメンテナンス方法を知ったうえで補修に臨みましょう。私たち街の屋根やさんはお住まい無料点検を承っております。雨漏りが気になる、台風被害の補修をしたい等、気になる点がございましたらお気軽にご相談ください。

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