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屋根の傾斜は何が決まる?考えたこともない建築条件と屋根材についてご紹介

更新日:2020年09月25日

 皆さんはなぜ住宅屋根の傾斜がそれぞれ違うかご存じでしょうか?当然、美観性やデザイン性によるものもあります。屋根の傾斜によっては使用できる屋根材・使用できない屋根材というのも存在します。しかし実際メンテナンスの際にそのようなことを考えずに業者がお薦めする屋根材に決められたという方は多いでしょう。長く安心して住める住宅のメンテナンスは失敗すればコストもストレスも多大なものになります。そこで今回は屋根の傾斜がどのように決められているのか、また傾斜によって使用できる屋根材・使用できない屋根材について簡単にご紹介したいと思います。

1. 屋根の傾斜はどうやって決められる?

 屋根の傾斜を決める建築時に実は屋根の傾斜を制限する法律があること、ご存じでしょうか?屋根の傾斜に少なからず関係する規制をいくつかご紹介します。

①日影規制

冬至を基準に周辺住宅に日が当たることがないということを防ぐ法律です。用地地域と建物の高さによって決められるのですが、あと少し屋根を削れば、屋根の傾斜がもう少しあればといった際に屋根の傾斜を変えることも考えられます。途中から屋根の傾斜を変える、いわゆる「腰折れ屋根」は日影規制が関係していることもありますが、屋根の傾斜を途中で変えた部分は劣化が早く雨漏りリスクが高まりますので、可能であれば1面同じ傾斜が好ましいですね。

屋根の傾斜が変わる腰折れ屋根

②北側斜線制限・隣地斜線制限

北側にある住宅の採光・通風を確保するための法律です。どうしても隣家に対し住宅が南側にあることで北側の住宅は日当たりが悪くなってしまいます。そのため、隣地境界線から一定の高さを取り、そこから一定の勾配範囲内で住宅を収める必要があります。

③絶対高さ制限

第一種・第二種低層住居専用地域では住環境整備のため建築物の高さが決められています。都市計画次第ではありますが10mまたは12m以下に建築物の高さを収めないといけないのです。一際高い住宅を地域で見ることがないのは法律で決められているからなのです。「大きな建築物を見たことがある」といった場合も特定行政庁が確認し許可を得た建築物で、あくまで周辺に影響を及ぼさないことが条件なのです。

④道路斜線制限

こちらは住宅ではなく、道路の採光・通風を妨げないための法律です。前面道路の反対側の境界線から一定の勾配範囲内で建物を収めなくてはならないため、都市部の道路沿いにデコボコと幅が定まっていないマンションやアパートを見かけることがありますよね?これらが道路斜線制限を考慮した建物です。現在は道路から一定の距離があれば道路斜線の適用を受けない特例があるため、まっすぐなビルが建てられるようになりましたね。

道路の採光に関係する屋根傾斜 高さがまばらなマンション

⑤積雪荷重

雪は水分を含み非常に重たい存在です。積雪によって住宅が倒壊してしまうことも決して珍しくはないのです。そのため雪が多く降る地域では雪が滑り落ちる6寸以上の屋根にしていることがほとんどです。一定規模以上の緩勾配屋根の建物では積雪荷重計算をし、積雪に耐えうる強度に仕上げる必要があります。

積雪と関係ある屋根傾斜 積雪に耐える住宅

 簡単にご紹介しましたが、見てみると住宅に関する法律というよりも周辺地域に考慮した制限が多いように感じますね。皆さんが住んでいる地域にはたくさんの方も住まわれています。助け合い・譲り合い、一定のルールが成り立つことで皆さんが快適な生活ができるという事がよくわかりますね。

2. お住まいの屋根傾斜を知る方法

 現在すでに建築され住まわれている屋根の傾斜はどのように調べればよいのでしょう?最も簡単なのは図面です。立面図と呼ばれる四方から住宅を見た図面にはもちろん屋根も書かれています。その屋根の傾斜部分に4/10や6/10と表記されています。実はこの数字が勾配を表しておりこの数字はどちらも寸単位での表記です。簡単に説明すると横10寸に対し高さ4寸上がった傾斜が4/10を表し、4寸勾配とも呼ばれます。通常は4寸を基準にし、数字が少なるに従い緩勾配(屋根の傾斜が緩い)、数字が大きくなるほどに急勾配(屋根の傾斜が急)屋根と判断されます。
 住宅外観の見え方によっても簡単な判断ができます。2階建ての緩勾配屋根は地上から確認することはできませんが、勾配があることで屋根の傾斜も大きくなりますので状態を確認することが可能ですよ。

3.傾斜によって使用できる屋根材・使用できない屋根材

 さてリフォームの際に決めなければいけないのが屋根材です。重厚感あふれる瓦?軽量・高耐久な金属屋根材?おそらく様々な選択肢が出るかと思いますが、屋根の傾斜次第では使用できない屋根材が存在します。まず4寸勾配程度の屋根であれば使用できない屋根材はありませんのでご安心ください。というのもどの屋根メーカーも4寸の屋根を基準に製品を開発しているためです。

 問題は急勾配・緩勾配屋根です。屋根の傾斜が緩いと自ずと水捌けが悪くなりますので誤った屋根材を使用すると雨水が入り込んだり劣化が早くなり、雨漏りを起こす危険性が高くなります。この場合金属屋根材といっても横葺きの屋根材ではなく瓦棒等の縦葺き屋根材の使用をお薦めしております。

横葺き屋根材 縦葺き屋根材

 また傾斜がある屋根は屋根材の固定が課題です。現在は瓦の固定方法も改善されているため急勾配屋根に瓦を使用することもできますが、まずその屋根傾斜に適しているのか、どのような固定方法を行うのかをしっかり確認しておくことが非常に大切です。

屋根からの雨漏り 屋根工事

 私たち街の屋根やさんにご相談を頂くお住まいの中には、屋根傾斜に適していない屋根材を使用していたことで雨漏りが起きてしまったというお住まいもございます。必ず現在の屋根材もその傾斜に適しているのかを確認してから適切なメンテナンスを行いましょう。屋根修理に関するご相談はいつでも承っておりますので、お悩みの方は私たち街の屋根やさんへご相談ください。

4.おすすめの傾斜は?

【急勾配(6寸勾配以上)】
・メリット
 急勾配の屋根では、雨水がたまらず下へ流れるので緩勾配に比べて雨漏りのリスクが低くなり、耐久性も高くなります。また屋根裏も広くとれるので、収納スペースを作れたり断熱効果も期待できます。

・デメリット
 風が当たる面が多くなるので台風時に影響を受けやすくなります。建築時や塗装などのメンテナンスの際に屋根足場や専門的な知識が必要となる場合があるので、費用が高くなる傾向があります。

【緩勾配(3寸勾配以下)】
・メリット
 急勾配のデメリットである、風の影響を受けにくいことがメリットです。風の強い沿岸地域におすすめです。また工事の際は屋根足場が必須ではないので費用が抑えられます。

・デメリット
 勾配が緩いため雨水やゴミが屋根にたまりやすくなります。その結果、雨漏りしやすくなります。急勾配の屋根に比べるとデザイン性や個性を出しにくい点もデメリットです。

 お家を建てる際に屋根の傾斜について悩みますよね。傾斜は将来の屋根の寿命を決めます。悩んでいる方におすすめしたいのは4寸勾配です。4寸勾配は傾斜が急勾配・緩勾配のメリットを兼ね備えており、機能性の高い屋根にすることができます。多くのお住まいで使用されているため、デザイン性や個性を出しにくいというデメリットがありますが、屋根傾斜はデザインよりも機能で選ぶことをお勧めします。

5.まとめ

屋根の傾斜によって異なる調査の難易度

 屋根の傾斜を決める際に様々な法律が関係していること、傾斜に適した屋根材が存在すること、普段何気なく住んでいるお住まいのことでも実は知らなかったという事があったのではないでしょうか?メンテナンスで大事なのは今お住まいがどのような状態なのか、またどのようなメンテナンス方法が最適なのかを知るという事からです。少し時間ができた際、買い物帰りにでも一度お住まいを見回して確認してみましょう。

 記事内に記載されている金額は2020年09月25日時点での費用となります。
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