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ラバーロック工法の注意点!誤った施工が雨漏りの原因につながります。
昔ながらの瓦を使用しているお住まいの方であれば、瓦がズレてしまったという経験がある方もいらっしゃると思います。現在では瓦を釘で固定することが義務付けられていますが、2021年以前に建てられたお住まいでは、1枚ずつ交換できるよう釘止めされておらず、瓦の凹凸部分をかみ合わせるように取り付けていることで風が吹いてもずれにくい設計になっているお住まいが多くあります。塗装が必要ない瓦は漆喰やずれを補修していれば長く使用できますが、瓦が釘止めされていないお住まいでは瓦同士が何度もこすりあう過程で角が取れ、噛み合わせが甘く弱くなってしまうということがあります。
本来であれば瓦を差し替えることで対処できますが、全体的に丸みを帯びていると葺き替え工事と大差ないほどの金額になってしまう場合もあり、そのような場合に用いられることがあるのが【ラバーロック工法】です。コーキングで瓦同士を固定する工法ですが、間違った施工方法を行ってしまうと雨漏りを起こし、葺き替え工事を行わなくてはならないといった最悪のケースも起こりえます。このページでは、雨漏りリスクと隣り合わせにあるラバーロック工法についてご紹介したいと思います。
ラバーロック工法とは?
ラバーロック工法を簡単に説明すると、窯業系サイディングの目地を埋めたり、スレートのひび割れ補修などで多用される「コーキング材(シーリング材)」で瓦同士を接着し、固定する工法です。瓦屋根の継ぎ目・重なり部分が白くなっているお住まいを見ることはありませんか?そのような屋根はラバーロック工法が施されています。
瓦はどうしても強風や地震でズレますし動きが生じます。揺れに耐えられなくなれば飛散したり、落下したりといった目に見えるトラブルを起こします。そこで、瓦同士を固定することで動きを制限し、耐震性を高めるといった目的で施されるのがラバーロック工法です。
しかしながら、街の屋根やさんではラバーロック工法を推奨していません。ラバーロック工法を施工する業者がお客様に伝えないリスク・デメリットを生むからです。
ラバーロック工法が抱えるリスク、デメリット
瓦を固定でき、耐震性が向上するという謳い文句で施工されるラバーロック工法ですが、逆に雨漏りの原因になってしまう事例が数多く報告されています。実際に街の屋根やさんで雨漏り修理に伺ったお住まいの中にも、ラバーロック工法が雨漏りの原因になっているお住まいがたくさんあります。ラバーロック工法が様々なリスクを抱えている工事であることを理解し、お住まいにとって本当に必要な工事かどうかご検討いただければと思います。
①瓦が再利用できなくなる
ラバーロック工法では瓦にシーリング材を接着させますので、その後のメンテナンス時には瓦に付着しているシーリングを剥がす必要があります。しかし、瓦に付着しているシーリング材をすべて剥がすのは極めて困難になりますので、ラバーロック工法を行った瓦は再利用できなくなってしまいます。
②大災害の際にはかえって逆効果になる可能性がある
ラバーロック工法は瓦の接着・固定という名目で行われますが、単体での瓦の差し替えが出来なくなってしまいます。また台風等で本来であれば数枚めくれ上がるような被害が起きた時、ラバーロック工法を行っていた住まいでまとめて1面剥がれるという事が起きてもおかしくありません。
③雨漏りのリスクがある
ラバーロック工法を行うことで、瓦と下地の間に入り込んだ雨水が排出されにくくなり、内部に滞留した雨水が雨漏りの原因になってしまう場合があります。特に、瓦の四方全てをコーキングされてしまっている場合にはほぼ間違いなく雨漏りするでしょう。屋根業者が瓦屋根での雨漏りと聞いて真っ先に確認するのがラバーロック工法の有無です。
ラバーロック工法の施工方法
ラバーロック工法を行うことで雨漏りを起こしてしまったという住まいもあるかと思います。瓦の固定を優先するあまり、瓦の四方全ての隙間をシーリング材で埋めてしまった結果です。瓦内部に入り込んだ雨水がシーリング材でせき止められ、湿気も逃げずに雨漏りを起こしてしまうのですが、お客様からすれば耐震性を上げるために行った工事が雨漏りの原因になるとは夢にも思わないでしょう。悪質な屋根工事業者であれば、わざとラバーロック工法を施工して、雨漏りが起きた時には【経年劣化】を理由に全面改修を提案するという事も十分考えられます。
ラバーロック工法は瓦の四方全面をシーリング材で埋めるものではなく、瓦の凸部の端をちょっとシーリング材で留めるものですが、それでも雨漏りのリスクは発生します。街の屋根やさんでは、瓦屋根の耐震性がご不安なお客様には葺き替え工事をご提案させていただくことが多いです。雨漏りのリスクを抱えてまでラバーロック工法を施工するより、将来を考えてしっかりとしたメンテナンスを行うことがお客様のためになると考えているからです。
ガイドライン工法
瓦屋根の施工にはラバーロック工法の他に「ガイドライン工法」もあります。ガイドライン工法とは、阪神大震災後の2000年の建築基準法改正を受けて2001年に設定された地震や台風に強い瓦屋根を作るためのガイドラインで施行する方法です。法改正前は、「瓦が剥がれ落ちないように施行する」というような内容でしたが、ガイドライン工法では「風や地震によって脱落しないようにしなければならない」と定められています。
・瓦を固定する釘を増やす
具体的には、法改正以前は瓦4枚に対して1本の釘で固定していましたが、ガイドライン工法では瓦2枚に対して1本の釘を使用するのが最低基準とされています。この基準より、固定力の強い1枚の瓦に1本の釘を使用する方法もあります。使用する釘の数は地域ごとに決められていますので、事前に確認が必要です。
・乾式工法へ
また、湿式工法から乾式工法へ変わりました。以前一般的だった湿式工法とは、土の上に瓦を乗せる方法です。湿式工法は、屋根の重量が重くなってしまうことと瓦の固定力が弱いという理由から乾式工法が用いられるようになりました。乾式工法は、土を使わず、桟木と呼ばれる木材を設置し、そこへ瓦を固定する工法です。土を使わないので屋根の重量を抑え、耐震性を高めることができます。
ラバーロック工法は地震や風に強いと言われることがありますが、耐震性や耐風性に関しては圧倒的にガイドライン工法の方が優れていますので、瓦屋根の耐震性・耐風性がご不安な方は、ガイドライン工法をご検討されてはいかがでしょうか。
まとめ
塗装メンテナンスが必要ない瓦は漆喰や割れ、雨漏りに対して目が行きがちですが、瓦自体も長く使用することで少しずつずれやすくなってしまいます。ラバーロック工法は安価なメンテナンスであるため、気軽に依頼されてしまう方が多くいらっしゃいますが、先々まで考えた時に本当に最適なメンテナンスかどうかは疑問が残ります。
私たち街の屋根やさんはお住まいを長く安心して利用できるメンテナンスをご提案させていただきます。費用面が不安という方にはリスクやデメリットをしっかりご理解いただいた上で工事を行いますので、気になる方はぜひお気軽にお住まい無料点検をご利用ください。
記事内に記載されている金額は2023年06月14日時点での費用となります。
街の屋根やさんでは無料でのお見積りを承っておりますので、現在の詳細な費用をお求めの際はお気軽にお問い合わせください。
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