劣化が進行して雨漏りしたシート防水を点検・調査

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劣化が進行して雨漏りしたシート防水を点検・調査

更新日:2025年10月09日

はじめに

陸屋根のシート防水が劣化して雨漏りが発生している現場の点検・調査レポートです。

今回の調査地は横浜市青葉区

建物は築20年以上の鉄筋コンクリート造で、屋上防水には塩ビ系シート防水が採用されていました。

しかし、経年劣化が進行し、表面の剥離や膨れ、ひび割れが目立ち、雨漏りが発生していました。

この記事では、現場の状態や劣化の原因、そして今後必要となる補修方法について詳しく解説します。


シート防水とは?陸屋根に多く採用される防水工法

陸屋根(平らな屋根)では、雨水が滞留しやすく、勾配のある屋根に比べて防水層の性能が建物寿命を左右するほど重要です。

その中でも多く採用されているのがシート防水工法です。

シート防水は、塩化ビニール(塩ビ)やゴム(EPDM)などの防水シートを貼り付けて、屋上に防水層を形成する工法です。

施工スピードが早く、均一な厚みの防水層を確保できることから、ビルやマンション、工場など大型建物の陸屋根で多く使用されています。

ただし、シート防水は紫外線・温度変化・経年劣化の影響を受けやすく、定期的な点検とメンテナンスが欠かせません。


現地調査の概要(横浜市青葉区)

今回点検を行った建物では、屋上の広範囲にわたってシート防水の浮き・剥がれ・ひび割れが見られました。

表面の色褪せや粉化(チョーキング)も進行しており、防水機能の低下が明らかでした。



劣化が進んだシート防水

→ 屋上全体に色ムラや膨れが広がる様子。

防水層の上を歩くと、足裏でゴツゴツとした質感があり、シートがよれて変形していることがわかります。

これは、経年劣化によってシートが傷んだ証拠です。


劣化の進行状況と問題点



激しく傷んだシート防水

→ 防水層が破断し、内部の層が露出している箇所。

1. 表面の剥がれ・膨れ

塩ビシートが熱や紫外線の影響で硬化し、可塑剤が抜けて脆くなっています。

そのため、内部に入り込んだ空気や湿気が逃げられず、膨れや浮きとして表面に現れます。

2. クラック(ひび割れ)

経年劣化により柔軟性が失われ、温度差による伸縮に耐えられなくなって亀裂が発生しています。

ひび割れ部分からは雨水が浸入し、下地のモルタル層を劣化させていました。

3. 局部的な破断や剥離

指で押すと簡単に割れてしまうほど脆くなっている箇所もあり、防水層としての機能を果たしていない状態でした。

表面が剥がれてきたシート防水

→ 防水層の表面がめくれ上がり、下地が露出。


雨漏りの発生状況と浸入経路

建物内部では、天井や壁に雨染みが確認されていました。

特に降雨後にはシミの範囲が広がることから、屋上の防水層の破損が主な原因と判断できます。

雨漏りの経路を特定するため、赤外線カメラを併用した非破壊調査も実施。

温度差の画像解析から、膨れ箇所の下部に水分が滞留していることを確認しました。

つまり、目視で確認できる破損部以外にも、内部で劣化が進行している可能性があります。


立上り部や笠木部分の確認

防水層の中でも特に重要なのが、立上りや笠木周辺です。

これらの箇所は、シートの継ぎ目やジョイント部が多く、施工不良や経年変化により水が入り込みやすいポイントです。

立上りなどは問題なし

→ 立上り部分は比較的良好な状態。

今回の現場では、立上り部分に大きな破損は見られませんでした。

しかし、ジョイント部などのシールは硬化しており、近い将来補修が必要な状態でした。


シート防水が劣化する主な原因

シート防水の劣化にはいくつかの原因があります。

今回の現場で特に影響していたと考えられる要因は以下の通りです。

1.紫外線の影響

 長年の直射日光により、表面が硬化し亀裂が発生。

2.熱による伸縮と剥離

 夏場と冬場の温度差によって、シートが収縮を繰り返し、下地から浮き上がる。

3.施工からの経過年数

 シート防水の耐用年数は一般的に10〜15年程度。

 それを超えると防水性能は急激に低下する。

4.定期点検の不足

 定期的なトップコート塗替えやシール打替えを怠ると、早期劣化を招く。


今後必要な改修工法のご提案

現状では補修よりも全面改修(再防水工事)が必要な状態です。

下地の損傷や湿気の影響があるため、単なる塗替えでは根本解決できません。

主な改修方法としては以下の2つが挙げられます。

1. シート防水の再施工

既存の防水層を撤去し、新しい塩ビシートを機械固定または接着して施工します。

長期的な耐用年数(15〜20年)を確保できます。

2. ウレタン塗膜防水への改修

既存防水を撤去せず、上からウレタンを塗布して新たな防水層を形成します。

複雑な形状にも対応でき、コストを抑えられるのが特徴です。



破れてしまったシート防水

→ シートが破断し、下地まで劣化が進行している箇所。


定期点検の重要性

防水工事は「一度施工すれば終わり」ではありません。

特に陸屋根は水が溜まりやすいため、3〜5年ごとの定期点検が推奨されます。

以下のような症状が出てきたら早めの点検を行いましょう。

・表面の色あせ、粉状化

・シートの膨れ、浮き

・接合部や立上りの剥がれ

・雨漏りや天井のシミ

早期に発見できれば、部分補修だけで済むケースも多く、費用を大幅に抑えられます。


まとめ:シート防水の劣化は放置せず、早めの専門点検を

今回の横浜市青葉区の現場では、陸屋根のシート防水が経年劣化によって剥がれや破断を起こし、雨漏りが発生していたことが確認されました。

放置すれば下地や建物構造自体の腐食にもつながり、補修費用が高額になる恐れがあります。

街の屋根やさんでは、

・赤外線カメラを使った非破壊雨漏り調査

・ドローンによる屋上点検

・現場の状況に合わせた最適な防水工法のご提案

を行っております。

陸屋根やシート防水に関して気になる症状がある場合は、早めに無料点検をご依頼ください。

 記事内に記載されている金額は2025年10月09日時点での費用となります。
 街の屋根やさんでは無料でのお見積りを承っておりますので、現在の詳細な費用をお求めの際はお気軽にお問い合わせください。
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