瓦葺きに使われる瓦の種類や葺き方、メンテナンス方法をご紹介

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瓦葺きに使われる瓦の種類や葺き方、メンテナンス方法をご紹介

更新日:2020年12月21日

 瓦葺きとは、屋根の施工の一つで瓦を使って屋根を仕上げることをいいます。瓦にも様々な種類があり、多くは粘土瓦(陶器瓦)が使われていますが、他にもセメント瓦やコンクリート(モニエル)瓦などが使われます。これらの屋根材によってメリット・デメリットがあり、また瓦葺きの中でも屋根材の違いだけでなく、葺き方による違いもありますので、これから屋根のリフォームをお考えの方にはわかりにくいのではないでしょうか。このページでは瓦葺きに焦点をあて、工法による違いやメンテナンス方法などをご紹介いたします。

 

粘土瓦

 

瓦の種類別特徴

粘土瓦

 粘土瓦は粘土を窯で焼いた屋根材で、陶器と同じように作られるため陶器瓦とも呼ばれます。一番の特徴はどの屋根材よりも一番耐久性が高いことです。屋根材の中でも耐久性の低いトタンは5年から10年ほどで交換が必要になりますが、粘土瓦の場合は50年ほどで、中には100年以上経っている建物も多く存在します。まあ瓦は和風建築には欠かせなく、荘厳で落ち着いた雰囲気は瓦ならではです。デメリットとしては重さです。一般的な屋根材の中でスレートや金属がありますが、一番軽い金属と比較して約5倍ほど瓦は重くなりますが、デザイン的に瓦を好む方も多く、瓦の見た目はそのままで、軽量なハイブリッド瓦というものも街の屋根やさんで取り扱っております。

粘土瓦(いぶし瓦) 粘土瓦(釉薬瓦)

 

セメント、コンクリート(モニエル)瓦

 名前の通りセメントやコンクリートが瓦の材料に使われているものです。コンクリート瓦の中でもモニエル瓦と呼ばれるものもありますが、これは主成分にコンクリートが使われれており、正式名称は乾式コンクリート瓦といいます。モニエル瓦は商品名ではありますが販売当時はシェアが高かったことから、一般名詞になったのが現状です。粘土瓦は窯で焼くため、その工程で瓦が割れてしまうことや製品の品質を一定に保つことにコストがかかります。しかしセメントやコンクリート瓦は形を自由に形成でき、品質も安定して大量に生産できるため価格が安いという特徴があります。耐久性としてはそこまで高くなく、10年ほどで色あせなどが出始めるためメンテナンスとして定期的な塗装が必要になります。

モニエル瓦 モニエル瓦

 

ハイブリッド瓦

 見た目は粘土瓦で、粘土瓦のデメリットである重さは半分という優れた瓦がハイブリッド瓦です。街の屋根やさんで取り扱っているケイミューのROOGA(ルーガ)シリーズは、樹脂混入繊維補強強化セメントといって衝撃に強く、台風時など飛来物でも破損しにくい素材でできています。屋根材の重さは建物の躯体にも影響があり、重い瓦を使うには柱や梁なども強固な物を使う必要がありますので建物を建てる場合に費用が高くなる傾向があります。その点、ハイブリッド瓦は軽量ですので、建築時の費用を抑えることができるだけでなく、地震による揺れで受けるダメージも軽減できることや、ハイブリッド瓦は設置方法が強固なので台風での飛散のリスクも少ないです。
 デメリットとしては、新しいタイプの瓦なので施工方法に専門的な技術が必要になり施工できる業者も限られます。
ハイブリッド瓦について詳しくはこちら

 

ハイブリッド瓦 ROOGA 雅 ハイブリッド瓦 ROOGA 鉄平

 

瓦葺きの種類

一言で瓦葺きといっても実は大きく3つに分類されます。

 

引っ掛け桟瓦葺き

 

 瓦葺きといえばこの葺き方がポピュラーになっております。波型の瓦を使用しますが、瓦自体に引っかかりをつけており、ずれにくくなっています。後で紹介いたします本瓦葺きは、使用する瓦自体が重く、その重さを改善した桟瓦葺きはズレに弱い特徴があります。それらを改善したのが引っ掛け桟瓦葺きです。

引掛け桟瓦 引掛け桟瓦には突起がありズレにくい

 

本瓦葺き

 古くは一般住宅にも使われたようですが、現在は寺社仏閣の建築に用いられる葺き方です。一番の特徴は独特の景観で、瓦も丸瓦と平瓦の二種類を使って設置する伝統的な工法と言えます。瓦を多く使うため重量があることから、躯体にはそれに耐えうる強固な部材を使う必要があります。

本瓦葺では丸瓦と平瓦が使われる 本瓦葺き

 

桟瓦葺き

 見た目や重量的には引っ掛け桟瓦葺きと同じですが、引っ掛ける部分がないのでズレに弱いため、現在は桟瓦葺きに変わって引っ掛け桟瓦葺きが用いられています。

 

瓦葺きの屋根のメンテナンスについて

 粘土瓦は長持ちするため、メンテナンスフリーとも言われますが、実際は瓦以外の部分が先に劣化することから屋根自体のメンテナンスは定期的に必要となります。

漆喰の傷み

 漆喰は屋根の棟部分や鬼瓦、外壁との取り合い部などに使われています。漆喰の耐用年数は10年ほどですので、その時期を過ぎてくると変色やひび割れ、剥がれなどが見られるようになります。漆喰の劣化が進むと、剥がれて雨漏りしたり、棟や鬼瓦の場合は瓦がずれたり最悪崩れるというケースもあるため早めに修理が必要です。

 

防水紙の傷み

 防水紙は屋根材の下に設置されているため、通常見ることはないでしょう。しかし、年数が経てば劣化して防水としての機能を果たせなくなう。防水紙の耐用年数は使用する材にもよりますが、20年以上経っている場合は点検をすることをおすすめします。
防水紙が劣化すると変色や、穴あき、剥がれやすいなどの問題が出てきます。

 

瓦の割れやズレ

 台風などの強風時には、飛来物が屋根に当たり瓦が割れてしまうケースがあります。また、強風によってずれることもあるため台風後は専門業者に屋根の点検を依頼することをおすすめします。
もし瓦の割れがあった場合、同じ瓦が入手できれば差し替えることができます。しかし、瓦自体がとても長持ちするため、新築から50年以上経っている場合などは瓦自体が生産されていないこともあります。その時はすべて新しい瓦に交換するか、もしくは軽微な割れであれば補修材で接着することもあります。また、飛来物で割れた場合は瓦だけでなく、中の防水紙や野地板にも傷みがあるかもしれませんので、こちらも合わせて確認するようにしましょう。

 

野地板の劣化

 屋根は瓦、その下に防水紙、そして野地板の順に重なった構造になっています。水分が瓦や防水紙でシャットアウトされていれば野地板は長持ちしますが、実は屋内の湿気などで傷むケースもあります。また、雨漏りなどで長期間野地板が湿気っていることなどで、野地板が腐食していることなどもあり、その場合は交換が必要になります。
野地板だけの交換というよりも、一旦瓦を外して防水紙も撤去が必要なので屋根の葺き替え工事によって野地板を交換という流れが一般的です。

野地板が湿気で傷んでいる 棟が崩れている

 

瓦葺き屋根で行われる工事

棟取り直し工事

 漆喰の劣化が軽度な場合は、古い漆喰を撤去して新たに漆喰を詰め直すという簡単な補修で済みますが、劣化が進んでいて棟が歪んでいる場合には棟取り直し工事を行います。棟取り直し工事では、棟瓦を一度外し、再び積み直しますので、漆喰詰め直し工事よりも費用はかかります。

屋根葺き直し工事

 瓦の下の防水紙やさらにその下の野地板が劣化したときに、全ての瓦を取り外し、防水紙や野地板の補修を行なってから再び瓦を積み直す工事です。同じ瓦を使用するので、外観を変えることなく下地の交換ができます。また費用も抑えることができます。

屋根葺き替え工事

 瓦屋根からスレート屋根や金属屋根など違う屋根材に変更する工事です。下地が寿命を迎えたタイミングで行われる方が多いです。瓦屋根はどうしても重量があるので、他の屋根材に比べると耐震性に劣ってしまいます。屋根葺き替え工事で軽い屋根材にすることで耐震性の向上につながります。しかし、廃材費用や新しい屋根材の費用がかかるため、工事金額は高額で後期も長くなります。

 

瓦葺き屋根の定期点検について

 ここまで記事を読んで頂きありがとうございます。ご覧いただいたとおり、瓦葺き屋根といっても様々な瓦があり、さらに葺き方、不具合のパターンなど多岐に渡ります。近年ではDIYがブームでご自分で屋根に上って修理をしてみるという方もおりますが、私達屋根の専門家としてはあまりおすすめはできません。
 屋根の不具合は素人目で見て不具合と判断できないものも多く、さらには補修をしたことで逆効果というケースもあります。何よりなれない高所からの転落の危険も伴います。
私達、街の屋根やさんでは屋根の調査を無料で行っておりますので、ご自宅の屋根の状態が気になる場合はお気軽にご相談ください。

 記事内に記載されている金額は2020年12月21日時点での費用となります。
 街の屋根やさんでは無料でのお見積りを承っておりますので、現在の詳細な費用をお求めの際はお気軽にお問い合わせください。
 そのほかの料金プランはこちらからご確認いただけます。

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