聞き馴染みのない部材「トユ」の役割とメンテナンス方法は？

　皆さんは「トユ」「トヨ」が何を指しているのかご存じでしょうか？おばあちゃんやおじいちゃんがそう呼んでいるという方であればわかると思いますが、滅多に聞く言葉ではないかと思います。実はトユやトヨは雨樋の事を指していて形状やその役割に違いもありません。今回はトユのように他の呼び名があるもののご紹介やトユ(雨樋)のメンテナンス方法に関してご紹介させて頂きます。

聞きなれない部材の呼び名

　住宅に関するお話の中で普段聞きなれない名前だったのに同じ部位を指していたという経験はありませんか？地域によって特別な名称があったり、昔の呼び名より現代の呼び名の方が浸透していたり、音だけで「このことかな？」と何となくイメージがつくこともありますが「どこのこと？」とさっぱりわからないという事もありますよね？代表的といえばスレートです。化粧スレート、カラーベスト、コロニアルなど様々な名前で呼ばれていますが、カラーベストとコロニアルに関しては製品名ですのでそのメーカーの化粧スレートしかそう呼ばれません。

　雨樋に「トユ」や「トヨ」と別の呼び名があるのも製品名が関係していたりします。デンカ株式会社という大手の雨樋メーカーがトヨ雨どいを販売し始めた時に施工業者が看板を設置したのですが、そこには『トヨ雨どい』と書かれており、トヨ＝雨どいというイメージが定着したのでしょう。今でも看板を見かけることもありますし、世代によっては雨どいをトユやトヨと呼ぶ方もいらっしゃいますね。

トユ(雨樋)のメンテナンス方法

　雨樋、トユ、トヨ。呼び方が違ってもメンテナンス自体は一切変わりません。塩ビや鋼板製であれば塗装で錆等の劣化を防止し、割れや外れは交換補修していく必要があります。樋は草や枝が詰まると排水不良を起こしてしまいますので、定期的な清掃や落ち葉除けネットの設置を検討していくのが良いでしょう。

　また強風や積雪、雹など自然災害で破損してしまうこともあります。この場合火災保険にご加入されていれば火災保険を申請した上で復旧分費用の請求も可能です。保険料が高くなったり回数に上限があったりということは一切ありませんので、しっかり活用していきましょう。

　注意が必要なのは自己負担での補修です。火災保険では復旧に必要な足場仮設費用も申請することができますが、通常部分的な足場仮設でも10万円程度がかかることが見込まれます。予期しない災害のたびに毎回高い支出が発生してしまいますので、計画性を持ったメンテナンスを日々行うことが非常に大切です。

特殊な形状・素材のトユ(雨樋)を使用している住宅は要チェック

　もう一つチェックするポイントとして、特殊な雨樋(トユ・トヨ)を使用しているケースです。特殊な形状の製品はホームセンター等で販売されている部材では補修できない可能性が高くなります。メーカーに問い合せ在庫があれば部分補修が可能ですが、もしなければその雨樋(トユ・トヨ)自体の補修が難しくなってしまい、全交換が余儀なくされます。

火災保険であれば原状復旧が難しい場合、同等の製品に切り替えてでも復旧できるのであればその費用を請求することが可能です。つまり廃盤製品で部分補修が出来なければ、同等の製品で全交換工事をすることで申請できるのです。しかし自己負担の場合は全てご自身で負担しなければならなくなりますので、部分補修工事よりもはるかに大きな出費となってしまいます。

雨樋が既に廃盤になっているのか、同じ形状の雨樋(トユ・トヨ)が存在するのかは集水器や軒樋の端に刻印されているメーカーと品番を知ることで確認できます。高所での確認作業は大変危険ですので、雨どいの在庫確認が行いたい方、補修をご検討中の方は私たち街の屋根やさんにお気軽にご相談ください。

トユの素材

塩化ビニル
　現在1番使われているのが、塩化ビニル製のトユです。プラスチックなので軽量で施工がしやすいことから新築を建てるときによく使用されます。費用も安いことも特徴です。しかし耐久性が他の素材のものに比べて低いので、強風や台風で破損してしまったというお問い合わせを多くいただきます。また、紫外線にも弱いため経年劣化でひび割れ、外れといった不具合が生じます。

ガルバリウム鋼板
　ガルバリウム鋼板は、金属屋根にも使用されている素材です。アルミニウムや亜鉛、シリコンで鋼板（鉄）をめっきしたもので、金属の弱点である錆に強く防水性も高いため雨水が流れるトユに向いています。

アルミニウム
　アルミニウム製のトユは耐久性に優れているのが最大のメリットです。雨や紫外線に強く、錆や割れなどの不具合を防ぐことができます。初期費用は高くなりますが、将来のメンテナンス費用を考えるとコストパフォーマンスの良いトユであるとも言えます。

銅
　神社仏閣でよく見られます。銅製のトユは、経年で変色するため色の変化が楽しめます。しかし高額なことと、酸性雨で穴が空いてしまうことがあるため戸建てのお住まいにはあまり用いられていません。

まとめ

　雨樋にはトヨやトユなど他の呼び名も存在しますが、基本的な形状・素材・補修方法に違いは存在しません。しっかり塗装によるメンテナンスや破損等は都度補修していくことで雨樋(トユ・トヨ)本来の役割を果たすことができます。

私たち街の屋根やさんでは雨樋が破損してしまった際は住宅全体のチェックとメンテナンスをご提案しております。その理由は雨樋だけでも足場仮設が欠かせない為、全体の補修を兼ねて行う事で長期的なコスト削減が図れるからです。足場を仮設するタイミングであるのであればこれを機に屋根補修・外壁塗装等も合わせて検討していくようにしましょう。点検・お見積りは無料ですのでお住まいの状態が気になる、雨樋(トユ・トヨ)が破損してしまいお困りの方はお気軽にお住い無料調査をご利用ください。新型コロナウイルスの感染予防対策を徹底した上でお伺いさせて頂きますので何卒宜しくお願い致します。

　記事内に記載されている金額は2021年03月11日時点での費用となります。
　街の屋根やさんでは無料でのお見積りを承っておりますので、現在の詳細な費用をお求めの際はお気軽にお問い合わせください。
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