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逗子市小坪にて30年以上メンテナンスをされていなかった棟瓦が倒壊、南蛮漆喰シルガード(黒)使用し棟瓦取り直し工事にて復旧致しました
【施工前】
【施工後】
施工内容棟瓦取り直し、漆喰工事
築年数42年
平米数29.7m 大棟6段 隅棟3段
施工期間2日
使用材料南蛮漆喰シルガード(黒)
費用53.6万円
ハウスメーカー地元工務店
【お問い合わせのきっかけ】
担当:新海
きっかけは近所の方からの連絡によるものでした。実際工事現場となった逗子市小坪にはお住まいになられていなかった遠方にお住まいのK様より、今は空き家にしている実家の屋根から瓦が落ちてきて近隣の方へご迷惑をかけている、また屋根の状態がどうなっているかわからないので一度点検をしてほしいとご相談を頂きました。
ご実家の屋根は赤瓦とも呼ばれる和型の瓦が葺かれておりました。30年以上屋根に関しては大きなメンテナンスはしていないとの事や、強風の影響を受けやすい高台に建てられている事もあると思いますが、隅棟が倒壊しており、倒壊した近くの平部の桟瓦も部分的に割れや欠損が見受けられます。テレビ用のアンテナも倒れてしまっており、なんとか支線で屋根にとどまっていたという状況でした。
このままでは近隣のお住まいへ瓦が落下し二次被害が起きてしまう事を一番心配されていたK様でしたが、空き家にしている事もあり全体的な修繕ではなく部分的な修繕ができないかとのお話になりました。ですのでお打合せの結果、倒壊してしまっている棟瓦を復旧させる為に棟瓦取り直し工事のご提案をさせて頂きご用命頂きました。倒壊が広範囲に及びすぐに養生ができない事もある為に、急ぎ屋根に散乱していた熨斗瓦や冠瓦等を屋根からベランダへ下ろして簡易養生をし、早期に工事をする事で対応させて頂きました。
ご実家の屋根は赤瓦とも呼ばれる和型の瓦が葺かれておりました。30年以上屋根に関しては大きなメンテナンスはしていないとの事や、強風の影響を受けやすい高台に建てられている事もあると思いますが、隅棟が倒壊しており、倒壊した近くの平部の桟瓦も部分的に割れや欠損が見受けられます。テレビ用のアンテナも倒れてしまっており、なんとか支線で屋根にとどまっていたという状況でした。
このままでは近隣のお住まいへ瓦が落下し二次被害が起きてしまう事を一番心配されていたK様でしたが、空き家にしている事もあり全体的な修繕ではなく部分的な修繕ができないかとのお話になりました。ですのでお打合せの結果、倒壊してしまっている棟瓦を復旧させる為に棟瓦取り直し工事のご提案をさせて頂きご用命頂きました。倒壊が広範囲に及びすぐに養生ができない事もある為に、急ぎ屋根に散乱していた熨斗瓦や冠瓦等を屋根からベランダへ下ろして簡易養生をし、早期に工事をする事で対応させて頂きました。
担当:新海
現地調査時の様子
現地にお伺いし屋根に上がった時の様子からご紹介します。まず上がると目に入りましたのは瓦の倒壊とテレビ用アンテナの倒壊です(写真一枚目)。現地にてお話を伺いますと、今は空き家になっているこちらのご実家は30年程屋根のメンテナンスはしていないとの事でした。ですので、この状態で済んでいるのは珍しいと感じてしまう程です。瓦屋根には漆喰が土台に使われておりますが、こちらは定期的に詰め直したりしメンテナンスをしておく必要があり、それらを長年行っていませんと雨漏りに繋がったり、今回の様な棟瓦の倒壊に繋がるのですが30年はこのように倒壊していなかったのが驚きです。
屋根全体を見ると、屋根の頂点である大棟から軒先へ向けて斜めに降っている箇所にある隅棟の倒壊が目に入ります。近くに行き確認します。
鬼瓦(おにかわら)も外れ、丸い冠瓦(かんむりかわら)や熨斗瓦(のしかわら)といった棟を構成している瓦が強風の影響か経年による漆喰の劣化による歪みの影響か定かではありませんが倒壊しております。内部にある葺き土、粘土も丸見えな状態です。このような状態に見舞われた際に瓦の落下を防ぐ為の銅線も切れてしまっており、地上へ落ちてしまっている瓦が何枚もございませいた。運よく軒先あたりに残っている瓦は調査時に安全な場所へ下ろしておきました。
これを見ますと、もしここに大雨や強風などが直撃し二次被害が起きてしまった時の事や、定期的なメンテナンスはどんな屋根材が使われている屋根でも必要と分かります。
また、こちらの大棟は6段熨斗になっており、大変重厚なお住まいであると分かります。しかし、高く積んだ棟は自身や強風・台風などの自然災害時の影響も受けやすい事もあり今回の施工ではあえて段数を少なくして4段にする運びとなりました。
他にも見渡すと隅棟はほぼ歪みや倒壊が起きており、簡易養生では済まない状態であった為に早期の工事にて対応させて頂く事となりました。
棟瓦取り直し工事にて復旧
それでは施工の様子です。まずは倒壊していた隅棟の解体から始まり、大棟とのぶつかる取合いまで崩していきます。鬼瓦(おにかわら)などの役物も一旦全て屋根の上に撤去しておき、滑り落ちていかないように支えを瓦の間に入れ込み、固定しておきます。棟瓦の解体をすると分かるのですが、内部の土台には大量の土や粘土が使われており、これらを全て人力で屋根から下す必要がございますので、棟瓦取り直しは手間と労力がかかる施工となります。また、しっかりと段取りをし屋根上の整頓も必要になりますので職人の腕が問われる工事でもあります。
隅棟を解体し、6段熨斗になっていた大棟の解体に着手した所です。瓦自体がそもそも屋根材の中では重い部類に入り、平米50キロ程あるのですがその内部には写真でもお分かりいただけるように大量に土や粘土が使われています。これらが瓦を支えているのですが、崩れないように外側へ塗り込んであるのが白い化粧漆喰と呼ばれる塗り物です。漆喰が傷むと内部へ雨水が入り込むようになってしまい、土や粘土が雨水を吸ってしまうと棟が歪み雨漏りに繋がりますので、瓦屋根では瓦同士の接着と同時に雨漏りしないようにするためにも漆喰のメンテナンスはとても重要です。
解体後に細かく割った瓦を屋根の取り合いに置き、その外側へ水糸を張り土台造りの準備をしておきます。土や粘土を使わずに、漆喰に防水性と強度を持たせた南蛮漆喰、シルガードを使って土台を作っていきます。色が黒いのは顔料と言われる色を作る成分にカーボンが使われているからです。近年の戸建住宅には耐震工法としてシルガードを使った改修工事が主流になってきておりますが、今でも旧式の漆喰は古民家やお寺、神社などに使われています。
土台を水糸からはみ出ないように造作した後は、一段目の熨斗瓦を乗せていきます。外側へ少したれるように時折水平器を熨斗瓦に置き、叩いて調整しながら慎重に施工していきます。
その後、二段目三段目の熨斗瓦をシルガードを使いながらしっかりと歪みが出ないようにのせていき、最後には最初に仕込んで置いた銅線で冠瓦をのせた後に結んでいざという時に瓦が屋根から落ちないようにしておきます。あくまで銅線は瓦が落ちないように結ぶためで、瓦の固定を銅線に頼っている訳ではありません。ですので、防水性や強度の強い練物のシルガードを使い今まで以上に強固に瓦を固定しておきます。
まだ施工の半分もいきませんが、これだけの土やガラが出ます。シルガードも大量に使う必要があり、これらを荷上げし下ろす作業を施工が終わるまで繰り返し行いますので、棟瓦取り直しがいかに労力と手間がかかるか想像ができます。また、これらをきちんと廃材として処分する必要もございます。
隅棟の施工が終わったらいよいよ大棟の施工です。隅棟と同様に水糸を張った後に大量のシルガードを使って土台を造作致します。これに熨斗瓦をしっかりと押し込みながら取り付けていきます。もともと6段もあった立派な大棟でしたが、今回は近隣へのご迷惑にならないようにする事と打合せをしていた為、6段から4段へと段数をあえて減らし、高台にある立地や自然災害時に影響が受けにくいように棟を積んでいきます。6段でもしっかりと施工すれば問題はありませんが、お客様のご要望や現場状況により街の屋根やさんでは柔軟に対応させて頂いております。
熨斗を4段積み上げて最後に冠瓦を納め、銅線をしっかりと結んで棟瓦取り直し工事は終わりを迎えます。施工中は大量に土や埃が出てしまい、屋根面は雨が一度降るまでは写真の様に見た目は悪くなってしまいますが、棟はしっかりと納める事が出来ました。役物もしっかりと取付、できる取合いにもシルガードを詰め雨漏りや瓦のズレ対策も万全にしておきます。
逗子市小坪K様邸の棟瓦取り直し復旧工事が無事に竣工となりました。施工を進めていく内に瓦の差し替えが必要な部分が分かったりしましたが、事前にお客様にその可能性がある事を伝えていた為に最短での対応を取らせて頂き、ご近隣へご迷惑がかからないようにとのお客様の最大のご要望に対応する事ができ、安心いただけ満足頂ける施工となりました。街の屋根やさんでは、棟取り直し工事11,000円/m~で承っております。詳しくはこちらをご覧ください。
今回使用しました南蛮漆喰シルガードは、強固に瓦を固定でき旧式の昔ながらの漆喰と比べて防水性が上がっている商品となります。漆喰の詰め直しなどのメンテナンスでもシルガードを使えますので瓦屋根は特にメンテナンスしなくても大丈夫だろうとは考えず、重量がある瓦屋根だからこそ定期的なメンテンナンスが必要と考え、ご自宅の修繕計画を立てられるといいと思います。
この度はご利用いただきまして誠にありがとうございました。
記事内に記載されている金額は2023年08月31日時点での費用となります。
街の屋根やさんでは無料でのお見積りを承っておりますので、現在の詳細な費用をお求めの際はお気軽にお問い合わせください。
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【工事後】
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