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瓦葺き屋根の特徴と地震や台風による被害を最小限に抑えるメンテナンス方法をご紹介
近年軽量な化粧スレートや金属屋根材が注目され普及していますが、日本の住宅といえば瓦葺き屋根ですよね?1枚ずつ差し替えができる便利な屋根材としても知られていますが、ずれが生じやすいことから地震大国、台風の多いこの時期の瓦葺き屋根はより一層注意しなければなりません。そこでこのページでは瓦葺き屋根の特徴から自然災害に対してできる対策をご紹介したいと思います。
1.瓦葺き屋根とは?
瓦葺き屋根とは言葉の通り、瓦を葺いた屋根のことです。瓦といっても陶器や金属製、セメント製等ありますが、これを指すのは陶器製の本瓦が多いため今回でも陶器瓦としてご紹介いたします。瓦葺きが施工され始めたのは飛鳥時代、中国・朝鮮半島から寺院建築の技術とともに伝来したようです。当時日本の住宅では茅葺き(かやぶき)屋根・檜皮(ひわだ)葺きが多かったのですが何しろ燃えやすいということから、一件で火事が起これば近隣住宅すべてを壊して延焼を防ぐ他ありませんでした。その点瓦葺きは耐水性・耐火性に優れていたため建て直しが難しい寺院等では一気に使用され始めました。では一般住宅ではどうだったか、これは瓦の重さがネックとなりなかなか進みませんでした。既存の茅葺き屋根等に合わせた建物構造は瓦の重量に耐えられず、結局一般住宅に使用されたのは江戸時代中期頃からでした。
普及やリフォームに関しては現代住宅の考え方と変わりません。例えば瓦葺き屋根のリフォームには瓦・金属・化粧スレート等種類を選ぶ必要はありません。瓦の重量に耐えられるだけの構造を元より持っているからです。しかし化粧スレートや金属屋根材に合わせて建築された住宅には瓦を使用することができません。そのため使用する屋根材は一気に限定されますので、あらかじめご注意ください。
2.本瓦葺きと桟瓦葺き
瓦葺きの方法には「本瓦葺き」「桟瓦葺き」があります。
・本瓦葺き
神社やお寺、仏閣でよく見られる瓦屋根の形です。本瓦葺きには丸瓦と平瓦が使用されています。丸瓦とはその名の通り、丸い形をした瓦で屋根の頂点である棟から軒先に一直線に並べられていのが特徴で、平瓦の連結部分に丸瓦を乗せて雨水の侵入を防ぐ役割があります。平瓦は、丸瓦の下にある瓦でややカーブした瓦です。また、本瓦葺きは「土葺き」と呼ばれる土の上に瓦を乗せて固定させる方法で葺かれています。土の上に瓦が乗るので屋根全体がかなり重くなります。
・桟瓦葺き
桟瓦葺きとは土を使用せず、防水紙の上に設置された桟木に瓦を引っ掛けて固定する方法で、現在の瓦屋根に使用されている葺き方です。桟瓦葺きに使用する瓦は桟瓦といい、丸瓦と平瓦を一体化させた瓦で、瓦の裏に桟木に引っ掛けるための突起がついているのが特徴です。桟瓦は引っ掛けているだけなので、瓦が割れてしまったりヒビが入ってしまった場合でも、劣化した瓦だけを交換できるというメリットがあります。
3.自然災害で起きるトラブル
現代瓦葺き屋根の多くは《引っ掛け桟工法》で施工されています。これは瓦に小さな突起を設け、桟木と呼ばれる下地木材に引っ掛けるように取り付けることでずれにくくする工夫がされています。ただ引っ掛けているだけの瓦ですので1枚だけを取り差し替えることも可能ですが、強風や地震といった自然災害時に大きな被害を受けることもあります。その例を簡単に挙げます。
・台風による被害
①瓦のめくれ
引っ掛けて重ねているだけの瓦は何よりもずれやすいです。経年により少しずつずれていくこともありますが台風や強風時に風が入り一気に捲れあげてしまうこともあります。この場合被害を受けた面のみまとめて剥がれており、威力次第では隣家にまで飛んでいることがあります。
②飛来物による破損
こちらは①と逆のパターンですが、近隣住宅から飛来物を受け瓦が割れてしまうことがあります。瓦は割れにくく頑丈と知れ渡っていますが、一時的な衝撃には弱いため何かがぶつかる、落下することで割れてしまいます。瓦が割れた衝撃で防水紙まで破れてしまうことがありますので、台風通過後は必ず瓦屋根のチェックを行うようにしましょう。
③吹き込む雨での雨漏り
普段の雨ではなんともないのに、台風や強風時だけ雨漏りを起こしてしまうといったお住まいもございます。この場合わずかな隙間から殴り雨が入り込み雨漏りを起こしてしまっているため、普段の雨では何ともありません。このケースは換気口から入り込んでしまっているケースもあるため、補修の有無をしっかり判断する必要があります。私たち街の屋根やさんでは小屋裏や外壁の状態を確認したうえで適切なメンテナンスをご提案させていただきますのでご安心ください。
・地震による被害
①瓦の落下
縦揺れ・横揺れ等地震の起き方にもそれぞれありますが、どちらでも瓦が落下してしまうことがあります。この場合滑り落ちるように瓦が落下してしまいますので、まずは住宅周辺から少し離れた場所で様子を見ましょう。ただこの被害、実は瓦の正しい現象ともいえます。瓦が落下するのは地震時に建物全体が倒壊しないよう昔はあえて落下させる設計にしていたため、落下=悪いではなく、落下=建物は無事だったと考えられるケースももちろんあります。
②棟の瓦変形
地震の揺れは建物全体に伝わり屋根にも影響を及ぼします。顕著に被害が現れるのは屋根頂部にある棟。地震の揺れで大きく変形し歪む危険性が非常に高くなります。落下しなければ不幸中の幸いですが、余震が何回も続けば耐えきれず倒壊してしまうことも十分にありますのでご注意ください。
③荷重に耐えきれず倒壊
こちらは①とは違うケースで瓦が落下する間もなく住宅を押しつぶす最悪のケースです。原因は住宅全体の劣化ですが重さに耐えきれず柱が折れてしまうと真下にそのまま落下してきます。
4.瓦葺きが被害を受けないようにするには?
では瓦葺き屋根が地震や台風で被害を受けにくくするためにはどのようなメンテナンスが必要かをご紹介します。
①瓦のずれ修正
瓦は1枚ずれていればその周囲の瓦までもずれやすくなってしまいます。すると雨風が入り込みやすくなってしまいますので少しの浮きやずれもその都度修正していく必要があります。
②漆喰の詰め直し工事
棟の形成、瓦の固定にも役立っている漆喰ですが、経年劣化によりひび割れ・剥がれを起こす可能性があります。漆喰が劣化することで瓦の落下や雨漏りを起こす危険性もありますので、10~15年ごとの詰め直し工事を検討しましょう。
③棟の取り直し工事
棟は地震で大きく歪むことがありますが、銅線が切れたり漆喰が劣化したりすることでずれることがあります。棟が歪むことで雨漏りの発生、瓦の落下を起こすことがありますので、20年程度でまとめて取り直し工事を行うのがお薦めです。
④雨漏りは決して放置しない!
どの屋根材にも共通して言えますが、雨漏りは屋根下地だけでなく建物の構造を腐食させてしまう恐れもあります。放置してしまうと住宅全体の倒壊を招く恐れもありますので、必ず雨漏り発見時点で調査・補修を行っていくよう心がけましょう。
5.まとめ
瓦葺き屋根は塗装の必要もなく昔から親しまれている屋根材でもありますが、昨今台風や地震の被害が大きく敬遠されがちでもあります。ただどの屋根材に関してもメンテナンスを怠れば雨漏りを起こしますし、強固な施工を講じなければ飛散や落下も十分考えられます。瓦葺き屋根の利点を活かしながら定期的なメンテナンスをしっかり行い、被害を最小限に抑えるよう努めましょう。また軽量瓦や防災瓦などの導入に関して気になる方は、お気軽に私たち街の屋根やさんへご相談ください。
記事内に記載されている金額は2020年12月04日時点での費用となります。
街の屋根やさんでは無料でのお見積りを承っておりますので、現在の詳細な費用をお求めの際はお気軽にお問い合わせください。
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