いぶし瓦の性能や特徴、メンテナンス方法をご紹介します

HOME > ブログ > いぶし瓦の性能や特徴、メンテナンス方法をご紹介します

いぶし瓦の性能や特徴、メンテナンス方法をご紹介します

更新日:2020年10月19日

 いぶし瓦とは、数ある粘土瓦の一種です。粘土を窯で焼いて瓦に仕上げる途中に、窯の中で燻す工程を経ていぶし瓦はつくられます。粘土瓦でいぶし瓦と同様に多く使われているのが釉薬瓦ですが、それと比較していぶし瓦は落ち着きがあり、独特の雰囲気をもっているため、多くのお住いに使われています。
 このページではいぶし瓦について、メリット・デメリットやメンテナンス方法についてご紹介いたします。

いぶし瓦

いぶし瓦はどんな瓦?

 最初にお話した通り、粘土瓦の一種であるいぶし瓦。名前の由来は作る工程で窯で燻(いぶ)すためで、この工程によって独特の灰色の瓦に仕上がります。
 いぶし、という言葉でもうひとつ思い当たるのが「いぶし銀」です。これはいぶした銀の風合いを色で例えた言葉ですが、それよりも華やかさわなくとも、確かな実力や魅力があるという意味で使われています。いぶし瓦の色はまさしくいぶし銀で、ツヤもなく、灰色という地味な色ではありますが日本の風土にマッチし、和風建築よく合うこのいぶし瓦は古くから愛されてきました。
 いぶし瓦が作られる工程として、まず粘土を焼き上げますが、その最後の工程で窯を密閉させて煙で燻して表面処理をしています。これを燻化工程といいますが、このとき表面には炭素膜が作られ、それが瓦を全体的に覆っていぶし銀の瓦にできあがります。炭素膜によって、素焼きの粘土瓦よりも劣化に強く長持ちしますが、屋根全体での重量はほんの少し素焼き瓦よりも重くなります。

いぶし瓦 日本の風土にあった景観 いぶし瓦 古い建物にも多く使われている

 

いぶし瓦は経年によって色ムラが起こる?

 よくいぶし瓦が使われているお住いで、部分的に色が変わっている状態を見たことはないでしょうか?実はこれは表面の炭素膜が経年によって剥がれたために起こる現象です。炭素膜があることで表面の保護機能は向上しますが、それがなくとも粘土瓦はとても耐久性が高く大きな影響はないと言えます。
 この色ムラはむしろいぶし瓦独特の味ともいえ、好まれる傾向があります。とくに日本家屋は古くなることで趣が出て、良さが増すと言われていますが、いぶし瓦はそれに一役買っていると言えるでしょう。

いぶし瓦は経年で色ムラが発生する いぶし瓦 色ムラ

いぶし瓦と釉薬瓦の違い

 同じ粘土瓦であるいぶし瓦と釉薬瓦ですが、いぶし銀ないぶし瓦とは対比し、ツヤがあり色鮮やかなのは釉薬瓦です。釉薬というガラス質のうわ薬と表面に塗って乾燥させ、さらに1150度の高温で焼成して瓦に密着させます。そのため、めったなことで表面の釉薬が剥がれることはなく、長期間美しい色合いを保持します。それに対していぶし瓦は経年によって表面の炭素膜が落ちるため、色ムラがみられるようになります。当初の景観を維持したい方には釉薬瓦に分がありますが、経年とともに変化するといういぶし瓦もその良さがあるといえるでしょう。
 気になる性能についてですが、耐久性や強度など屋根材に求められる性能としてほとんど変わりはありません。ですので、いぶし瓦と釉薬瓦での性能では選ぶよりも、見た目などの好みになるのではないでしょうか。

釉薬瓦 釉薬瓦は様々な色が出せる

 

いぶし瓦のメリット

 粘土瓦全般に言えるメリットになりますが、何よりもメンテナンスフリーであることが大きいです。経年で表面の炭素膜が剥がれるという変化はありますが、だからといって塗装をする必要はなく、50年以上もの耐用年数があります。また、遮音性の高さや燃えにくさ(難燃性)。屋根材としてとても優秀と言えるでしょう。
 また、見た目の良さや日本の建物にとてもよく合う景観もいぶし瓦のメリットといえます。

いぶし瓦のデメリット

 釉薬瓦のように表面にガラス層がないことから、若干ではありますが凍害や塩害に弱い可能性があります。また、これは軽量な金属屋根材やスレートと比較して、重量があることもデメリットです。
 屋根材が重くなるとどうしてもそれを支える躯体に負荷がかかるため、太くて丈夫な材が必要にないます。必然的に建築コスト高くなってしまうのです。また、地震による揺れにも屋根が重いことでダメージは大きくなるため、耐震を考えて軽量な屋根材への葺き替えを検討される方もいらっしゃいます。

地震で崩れた棟瓦の仮養生 地震で棟瓦が崩れている

いぶし瓦のメンテナンス

 メンテナンスフリーと言われるだけあっていぶし瓦に限らず粘土瓦自体は特別メンテナンスは必要あありません。しかし、だからといって屋根を放置していていいわけではないのです。
 瓦は何十年ももつとしても、その下に設置されている防水紙は10数年で寿命を迎え、経年劣化でひび割れや穴あきなどがでてきます。また、瓦屋根の棟などに使われる漆喰も10数年で変色からひび割れ、剥がれなどに発展するため、屋根としてのメンテナンスは必要になるのです。
 街の屋根やさんではお住いの無料点検を承っております。何も問題がないと思っていても、実際に屋根にのぼらなければわからない不具合もあります。とくに台風や強風があった後などは、気づかない破損箇所があり、それが何年も経って雨漏りになってしまったというケースも多いのです。
 長年異常がなかった方も、10年以上点検をしていないのであれば、ぜひ街の屋根やさんの無料点検をご利用ください。

 

 記事内に記載されている金額は2020年10月19日時点での費用となります。
 街の屋根やさんでは無料でのお見積りを承っておりますので、現在の詳細な費用をお求めの際はお気軽にお問い合わせください。
 そのほかの料金プランはこちらからご確認いただけます。

2024年最新情報!補助金でお得にリフォーム!

関連動画をチェック!

防水紙(ルーフィング)は雨漏り防止の要【プロが解説!アメピタ!】

 今回の記事で登場した工事やお住まいのトラブルに関連する動画をご紹介します!


 こちらの動画では、工事の内容やお住まいのトラブルの対処方法などをより詳しく説明しています。
 お役立ち情報が満載ですのでぜひご覧になってみてください。


このページに関連するコンテンツをご紹介

いぶし瓦
     【特徴】薬品を焼成の際に塗らずに焼いたものです。その後蒸し焼きにすることによって、瓦全体が渋い銀色をした瓦となっています。10~15年ほどで年数の経過による変色があります。劣化が進むと水が浸透しやすくなるので注意が必要です。【メンテナンス】風や地震でズレたり割れたり、落ちたりすることがあり…続きを読む
重くて固い瓦の落下は二次被害を招きます、だからメンテナンスが超重要
 最近では台風や地震が頻繁に発生し、瓦屋根に不安を感じている方も多いのではないでしょうか?  重くて堅固な瓦が地に落ちると、まず間違いなくその着地点の物を傷つけ、破壊してしまいます。 自分の敷地内であればまだしも、お隣に被害を及ぼしてしまった場合、問題が複雑化します。  頑丈で重い屋根材故に、適切…続きを読む
瓦の種類はたくさん!粘土瓦・コンクリート瓦・セメント瓦など瓦の種類や見分け方、メンテナンス方法について詳しく解説!
 日本の伝統的な屋根材と言えば「瓦」。昔から馴染みがある屋根材で、瓦と聞いただけでイメージが頭に浮かぶ人も多いのではないでしょうか。 しかし、ひとくちに「瓦」と言っても、神社などの建築で使われる和風な瓦から、外国を彷彿させるような洋風な瓦までさまざまあります。色や形状などの見た目はもちろん、材質や…続きを読む

街の屋根やさん横浜

    1. 電話 0120-989-936
      株式会社シェアテック
      1. 〒222-0033
        神奈川県横浜市港北区新横浜3-2-6
        VORT新横浜 2F
        店舗詳細はこちら
    1. 街の屋根やさん横浜支店
      街の屋根やさん横浜支店
      お問い合わせはこちらから スタッフ紹介 お問い合わせはこちらから スタッフ紹介

      あなたの近くの街の屋根やさんはこちら

       街の屋根やさんは神奈川県以外にも東京都、千葉県などでも屋根工事を承っております。日本全国に展開中ですので、貴方のお住まいの街の屋根さんをお選びください。

      お近くの施工店を探す 北海道 宮城県 福島県 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都 新潟県 石川県 山梨県 長野県 岐阜県 静岡県 愛知県 三重県 滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県 岡山県 広島県 山口県 香川県 愛媛県 熊本県 宮崎県 鹿児島県

      あなたの近くの街の屋根やさんはこちら

       街の屋根やさんは神奈川県以外にも東京都、千葉県などでも屋根工事を承っております。日本全国に展開中ですので、貴方のお住まいの街の屋根さんをお選びください。

      お近くの施工店を探す 北海道 宮城県 福島県 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都 新潟県 石川県 山梨県 長野県 岐阜県 静岡県 愛知県 三重県 滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県 岡山県 広島県 山口県 香川県 愛媛県 熊本県 宮崎県 鹿児島県

      防水工事を行った現場ブログ

      2024/04/18 陸屋根(屋上)は雨漏りが起きやすい!?雨漏り対策とメンテナンスのポイントを解説!

      陸屋根(りくやね)とは  陸屋根は建物の屋根の種類の一つで、斜面のある屋根と異なり、勾配の無い平坦な面を持つ特徴があります。 ビルなどでよく見られ、屋上と言われるとビルやマンションなどの建物を想像する方もいらっしゃるのではないでしょうか?  屋上のスペースを活用できるということか...続きを読む

      2024/04/9 陸屋根のデメリットとは?雨漏りリスクの高さに注意が必要です!

       一口に屋根と言っても「切妻屋根」や「片流れ屋根」など、その形状は様々です。 そうした中で、屋根を生活スペースとして使用できるのが「陸屋根(ろくやね)」と言われる屋根形状です(^^) しかし、陸屋根にもデメリットがありますので採用をご検討されている場合には注意が必要です(;_;) 今回は、陸屋根のデ...続きを読む

      2024/03/22 FRP防水がひび割れた!?補修やメンテナンスのことなら街の屋根やさんにお任せください!

      FRP防水とは  FRP防水とは、Fiber Reinforced Plastics(繊維強化プラスチック)の略称であり、液状のものを流して防水層を作る塗膜防水の一種です。シート防水と異なりつなぎ目がない特徴があり、強度が高く軽量なのでどんな場所でも使用できます。ただし、費用が高いというデ...続きを読む

      その他のブログ一覧→

      防水工事を行った施工事例

      施工内容
      その他塗装
      築年数
      約25年
      使用材料
      ロンシール ニューベストプルーフ 塩ビシート防水 機械固定工法

      その他の施工事例一覧→

      お問い合わせフォーム



      お名前
      必須

      例:屋根 一郎

      ふりがな
      【任意】

      例:やね いちろう

      ご住所(工事地住所)
      必須

      ※郵便番号入力で町名まで自動入力されます。

      郵便番号
      -

      番地・ビル・マンション名

      E-mail
      (半角英数)
      必須
      電話番号
      (半角英数)
      【任意】
      例:045-XXX-XXXX
      お問い合わせ
      【任意】

      入力内容をご確認の上、よろしければ「確認画面へ」ボタンを押して入力内容確認画面へお進みください。

      個人情報の取り扱いにつきましては、プライバシーポリシーをご覧ください。

      点検・調査・お見積りなど無料で承ります!お気軽にお問合せ下さい!


      お電話でのお問い合わせは

      通話料無料

      0120-989-936

      8時30分~20時まで受け付け中!