瓦は本当に100年持つ?防水紙の劣化が引き起こす雨漏りの実態

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瓦は本当に100年持つ?防水紙の劣化が引き起こす雨漏りの実態

更新日:2025年08月11日

はじめに



日本家屋の屋根材として長年親しまれてきた瓦。

特に釉薬瓦は色あせしにくく、美しい外観を長期間保てることから「100年持つ」と言われることもあります。

しかし、屋根全体の寿命は瓦だけで決まるわけではありません。

瓦の下にある防水紙や野地板といった下地材が劣化すれば、雨漏りのリスクは高まります。

今回は川崎市で行った釉薬瓦屋根の現地調査をもとに、防水紙劣化の危険性と対策についてお伝えします。


釉薬瓦の特徴と耐久性



釉薬瓦は素地の陶器に釉薬をかけ、高温で焼き上げた屋根材です。

表面の釉薬がガラス質の膜を形成するため、紫外線や雨風に強く、色あせや劣化がほとんどありません。

そのため、瓦自体は半世紀以上、場合によっては100年以上持つと言われます。

しかし、これはあくまで瓦単体の寿命です。

瓦の下には雨水を防ぐための防水紙(ルーフィング)が敷かれており、こちらの寿命は一般的に20~30年程度。

防水紙が劣化すれば、瓦が健在でも雨漏りが発生します。


現地調査で判明した防水紙の劣化

釉薬瓦

川崎市内の住宅で釉薬瓦屋根の点検を行いました。

一見すると、青く美しい瓦面に大きな損傷は見られません。

しかし瓦をめくって内部を確認すると、防水紙に穴や破れが見つかりました。

防水紙の穴

瓦の下にある防水紙には数センチの穴が空き、雨水が直接野地板へ浸入する危険な状態です。

このような劣化は経年による防水性能の低下が原因で、特に古いアスファルトルーフィングでは避けられません。

穴

さらに周辺には小さな穴も点在しており、雨水の浸入経路は複数存在していました。

わずかな穴でも、長年にわたって雨水が侵入すれば木材が腐朽し、雨漏りや構造材の劣化につながります。


室内に現れた雨漏りのサイン

雨漏り

室内の押入れ天井板には水染みが確認できました。

これは長期間にわたって少量の雨水が浸入していた証拠です。

防水紙の破れがある状態では、豪雨や台風時に大量の雨水が入り込み、被害が一気に拡大する可能性があります。


防水紙の劣化を放置するリスク



防水紙の破れや劣化を放置すると、以下のような被害が広がります。

・野地板の腐朽による屋根強度の低下

・屋根下地のカビ発生、室内への悪臭

・構造材の腐食による耐震性能低下

・雨漏りによる内装材の損傷と修繕費の増大

瓦は健在でも、屋根全体の防水性能は防水紙が担っています。

そのため、防水紙の寿命が屋根の寿命を決めると言っても過言ではありません。


適切なメンテナンスとリフォーム方法



釉薬瓦屋根のメンテナンスでは、瓦自体の交換は不要でも、防水紙と野地板の交換が必要なケースが多くあります。

代表的な工事方法は以下の通りです。

  1. 瓦の葺き直し

    既存の瓦を一旦取り外し、防水紙や野地板を新しくしてから元の瓦を再利用する方法。

    瓦の意匠や色をそのまま残せるため、景観を保ちつつ防水性能を回復できます。

  2. 葺き替え

    防水紙や野地板だけでなく、瓦自体も新しい屋根材に交換する方法。

    瓦の割れや欠けが多い場合や、軽量化を目的とする場合に選択されます。


まとめ



釉薬瓦は非常に耐久性の高い屋根材ですが、屋根全体の寿命は防水紙や下地材の状態に大きく左右されます。

今回の川崎市での調査でも、瓦は美しく保たれている一方、防水紙の劣化による雨漏りが発生していました。

「瓦は100年持つ」と言われても、防水紙は数十年で寿命を迎えることを忘れてはいけません。

定期的な点検と、適切なタイミングでの防水紙交換が、雨漏り被害を防ぐ最良の方法です。

街の屋根やさんでは、釉薬瓦屋根の点検・メンテナンス・葺き直し工事を承っております。

川崎市で屋根の不具合や雨漏りにお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

 記事内に記載されている金額は2025年08月11日時点での費用となります。
 街の屋根やさんでは無料でのお見積りを承っておりますので、現在の詳細な費用をお求めの際はお気軽にお問い合わせください。
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