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藤沢市湘南台にて乾式洋瓦であるモニエル瓦のケラバが外れて落下してしまっていました
皆さんはモニエル瓦と呼ばれる屋根材をご存じでしょうか?近年住宅を建てられた方やリフォームされた方は「聞いたことがない」でしょう。それもそのはず、モニエル瓦は40年近く前に使用されていた瓦ですが、既に販売されていない製品になっています。つまり現在モニエル瓦を使用されているお住まいで雨漏りや破損が起きてしまうと、葺き替え工事でしか補修できません。ではそもそもなぜモニエル瓦が販売されたのか、なぜ廃盤になってしまったのか、今回はモニエル瓦について詳しくご紹介したいと思います。
1.点検の様子
今回屋根の調査依頼を頂きましたのは藤沢市湘南台にて塗装工事をしている最中のO様からでした。塗装工事中に、屋根の部材がなくなっていると言われ見てみると確かになくなっていたとの事。足場も架かっているので補修するなら一緒にとその塗装業者さんに見積もってもらったところ高額に感じられたとの事でした。
本当にその工事が今必要なのかどうかも含めて屋根の点検調査をご希望されておりましたので、しっかり調査を実施致しました。
トップライトが3つも設置されている珍しいお住まいにモニエル瓦が使用されていました
塗装工事中との事でしたので当然足場は架かっておりましたが、現在ではほぼ使われない単管パイプのみで足場が組まれていました。
ただ、ビルとビルの間や狭小地では逆に単管パイプしか足場を架けられない事もある為、今でもよく使われますが一般的な戸建て住宅のリフォーム現場では作業効率も悪く、屋根に上がるのも梯子を架ける時と同様な感じです。
2.モニエル瓦とは?
和風瓦やS瓦よりも聞きなれないモニエル瓦ですが、単刀直入に説明するとコンクリートでできた瓦です。粘土を焼いて形成した瓦とは根本が違うという事がわかりますよね?コンクリートが耐久性に優れている点から1970年~1980年代に普及しました。陶器 瓦とは違い型に入れ固めるだけですので製造も簡単ですし、もともとヨーロッパで普及している瓦でしたので信頼度も高かったのでしょう。1973年には日本モニエルという会社が代理店となり販売を続けていましたが、2010年には廃盤となったモニエル瓦にはどのような問題があったのでしょう?
メーカーが廃業しており今では手に入りません
モニエル瓦と他セメント瓦の違いとしては、屋根材が重なる端部を小口と呼びます。そちらがスパっと切れているか左写真の様に凹凸があるかないかで判断可能です。
屋根にあがりまずセメント瓦で違いを判断するために見ますが、ここだけでモニエルと分かります。瓦をめくってみますとモニエルの刻印があるのがわかります。
問題なのは、2010年に既に販売元が廃業してしまい屋根材の製造がなく、たとえ瓦1枚だけ欲しくても手に入りません。ですのでお住まいにモニエル瓦が使われていて屋根が傷んでしまっていたり雨漏りしている時は、ほぼ屋根葺き替え工事しか選択肢がないのが現状です。
製品が廃盤になる理由としては改良された新製品が販売され始めたり、流行から外れてしまったりと様々な背景があります。ただモニエル瓦は代替製品が出るわけでもなく完全にその痕跡すら残さない結果になっています。
その原因として一つは重さが挙げられます。陶器瓦は重たいという事はご存じですよね?コンクリート製のモニエル瓦はさらにその上をいく重量になってしまったのです。昔は画期的と言われたモニエル瓦も異常気象が多く地震も多い日本では、屋根の重さが建物の倒壊に繋がる可能性もあるという点から敬遠され始めました。
もう一つの原因はメンテナンス性の悪さです。粘土瓦の場合焼成することで陶器のような仕上がりで塗装の必要性はありません。
しかしコンクリート製のモニエル瓦は吸水すると劣化してしまうので塗装が欠かせない屋根材なのです。塗装と一言で言っても喪に終える瓦は特殊です。表面にスラリー層と呼ばれる塗膜を施すことで劣化しにくいメリットがあったのですが、塗装を行う際にスラリー層に塗膜が密着せず剥がれてしまう問題が起こりました。現在はモニエル瓦塗り替え用塗料がありますが、十分な知識がないとコンクリート瓦とモニエル瓦の違いを見極められないという業者もいます。
更に形状は瓦ですので棟等には漆喰施工が必要です。化粧スレートと瓦のメンテナンスを必要とするモニエル瓦は、一時的には瓦よりも安価に導入することができても長期的に見たメンテナンス費用が負担になってしまう、そのような問題が廃盤に追い込まれたデメリットなのです。
塗装できる屋根材なのですが、知識と技術も必要です。また「瓦」という言葉が先行してしまいメンテナンスをしていらっしゃらなかったお住まいも多く、点検でお伺いすると大抵築20年以上経過しており、屋根に多く苔が生えていたりすることも多く、また先ほど説明したように瓦自体が手に入らない為屋根工事をするしかない事が多いのです。
では屋根のどこがなくなっているのか調べてみます。
屋根全体を見てみると写真のように「ケラバ」と呼ばれる場所にあるはずの役物がなくなっていました。ケラバの下地木材を確認すると長年水を吸っている影響で腐ってしまっているのが確認できました。もともと役物を載せていき横から釘を打ち込み固定している物ですが、下地が腐食してしまい釘を受け止めて固定できるだけの力がなくなってしまい、ケラバが落下してなくなってしまっていたようです。
実際に使用されているモニエル瓦はどのようにメンテナンスを行えばよいのか、それは状態次第で大きく異なります。
1.漆喰の剥がれ
棟や雨押えに施工されている漆喰ですが、瓦同様に経年劣化により剥がれてしまうことがあります。瓦屋根同様に漆喰の剥がれが瓦のずれや雨漏りを起こすことがありますのでメンテナンスが必要です。
2.瓦の割れ・欠損
既に廃盤となったモニエル瓦は既存瓦での修復が非常に困難な為、同サイズの瓦があれば差し替えで対応します。しかしモニエル瓦は陶器瓦と比較すると若干サイズが大きいケースが多いため同サイズの瓦が見つからなかった場合は板金を加工し対応、それも難しい破損範囲の場合は葺き替え工事を行うしかありません。
3.塗膜の劣化
モニエル瓦は塗装が必要な屋根材に分類されます。ただ表層にスラリー層がありますので十分な高圧洗浄を行い、スラリー層にしっかり密着する専用の下塗り塗料を使用する必要があります。ただここで注意いただきたいのがモニエル瓦の施工時期はもう数十年前、傷んでしまった屋根材は必然的に塗膜の密着性が悪いため塗装直後に雨漏りを起こすことも考えられます。この点を踏まえ塗装を行うかを検討しましょう。
4.雨漏り
雨漏りを起こしてしまった場合、化粧スレートの場合は屋根カバー工法、陶器瓦の場合は葺き直し工事が可能なのですがモニエル瓦の場合はほとんどのケースで葺き替え工事一択です。築年数から考えても下地補修を考慮した葺き替え工事が必要な時期だとは思いますが、一時的な支出は大きくなります。モニエル瓦を使用されているお住まいは必ず、今後のメンテナンスを頭に入れておかなければなりません。
今回はこのケラバ一つでも同じものは手に入らない事と、築年数を考え新しい屋根材を使い下地から新しくする屋根葺き替え工事をご提案しご用命頂きました。
モニエル瓦が使われている事がわかったら、塗装でのメンテナンスも可能ですが先々の事を考え、屋根葺き替え工事を検討することをお薦めします。
葺き替え工事の施工手順
①まずモニエル瓦を全て撤去します。
先ほどモニエル瓦の弱点は重さとご説明しました。皆様がイメージする瓦である粘土瓦は1枚あたり約2.7kgであるのに対し、モニエル瓦は1枚あたり約4.5kgもあり大変重い屋根材です。
②防水紙の撤去
どの屋根材の下にも防水紙が敷かれています。名前の通りその役割は屋根から侵入してきた雨水を、防水紙の下へ通さないようにすることです。防水紙も経年で劣化しますので、交換が必要です。また防水紙は、ルーフィングや屋根下地とも呼ばれ、種類もたくさんあります。
③野地板の増し張り
防水紙の下には野地板と呼ばれる木材があります。野地板が傷んでいる場合は新しいものと交換します。既存の野地板の上に新たに野地板を重ねることで屋根の強度をあげることができます。
④防水紙の設置
野地板の上に新たに防水紙を設置します。防水紙の結合部から雨が侵入しないように防水紙同士の重なる幅を十分にとって設置していきます。
⑤新しい屋根材の設置
金属屋根、スレート屋根など新しい屋根材を設置し、棟部分に貫板、棟板金を設置してしっかりと固定したら完了です。
まとめ
安い・高耐久といわれたモニエル瓦ですが、実際後々の支出が高くなってしまいました。このように屋根材はメリット・デメリットを併せ持っています。現在はモニエル瓦のような致命的な弱点を持っている屋根材は少なくなりましたが、導入コスト・メンテナンスコストはしっかり考えておかなければなりません。私たち街の屋根やさんでは点検時にその屋根材の特徴はもちろん、メンテナンス方法もしっかりご説明させていただきます。特徴さえ把握していればいざというときに素早い行動を起こし更なる被害を止めることができるからです。現在新型コロナウイルスの影響もありますが住宅の経年劣化や雨漏りは待ってはくれません。心配・不安を感じていらっしゃる方は新型コロナウイルス対策を講じている私たち街の屋根やさんへお任せください。
記事内に記載されている金額は2020年10月13日時点での費用となります。
街の屋根やさんでは無料でのお見積りを承っておりますので、現在の詳細な費用をお求めの際はお気軽にお問い合わせください。
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- 施工内容
- 棟板金交換
- 築年数
- 32年
- 使用材料
- ガルバリウム鋼板製 棟板金
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