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葉山町堀内にて強風直撃により和瓦屋根の棟が倒壊、棟取り直し工事を行いました
【施工前】
【施工後】
施工内容棟瓦取り直し
築年数40年
平米数23.8m
施工期間2日間
使用材料南蛮漆喰 シルガード(黒)
費用43万円
保証5年
ハウスメーカー地元工務店
【お問い合わせのきっかけ】
担当：新海
葉山町堀内にお住まいのK様より、強風が続いた後のとある日に庭先に瓦が落ちていたので遠目から自宅屋根を見てみると、棟部分が無くなっているように見えるとの事でご相談を頂きました。
強風の影響はすさまじく、特に風が抜けやすいところのお住まいは被害に遭われた方が多かったようです。
調査にお伺いしますと寄棟になっていた屋根の隅棟部分が丸々倒壊してしまっておりました。屋根の上に冠瓦や熨斗瓦が散乱してしまっており、また瓦自体の割れも所々にあり、早急に工事が必要な状況と分かります。屋根から下り状況を説明し、お打合せを致しました所Ｋ様邸は築40年程経過しており、屋根のメンテナンスをした覚えがないとの事でした。今回の台風の影響で倒壊してしまった棟は１本でしたが、その部分だけ直したとしても今後も毎年台風シーズンに心配しなくても大丈夫な状態にしてほしいとの事で、全ての棟の改修工事として棟取り直し工事を行う運びとなりました。
既存の棟は葺き土の土台で棟が造られておりましたが今回の施工では土台に南蛮漆喰であるシルガードを使い強固に固定、また雨漏りしないように施工致しました。また、K様は「風災」の項目がある火災保険に加入されておりましたので、ご用命後に保険会社に申請する書類作成を街の屋根やさんで行わせて頂き工事代金の一部へ充てることが出来ました。起きてからでは遅い為に、自宅の屋根のメンテナンスはもちろんのこと自然災害が増えてきている昨今、火災保険に入っていらっしゃるかどうか一度確認してみてはいかがでしょうか。
緊急事態宣言は解除となりましたが、未だ続くコロナ禍におきまして私たち、街の屋根やさんではソーシャルディスタンスやこまめな消毒、マスク着用を徹底し
、お客様が安心して調査のご依頼や工事のご用命を頂ける環境つくりに努めております。屋根の事はお気軽にご相談ください。
強風の影響はすさまじく、特に風が抜けやすいところのお住まいは被害に遭われた方が多かったようです。
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緊急事態宣言は解除となりましたが、未だ続くコロナ禍におきまして私たち、街の屋根やさんではソーシャルディスタンスやこまめな消毒、マスク着用を徹底し
、お客様が安心して調査のご依頼や工事のご用命を頂ける環境つくりに努めております。屋根の事はお気軽にご相談ください。
担当：新海
【調査時の様子】
現地に伺いますと、自然の猛威を知る事になりました。寄棟屋根であるこちらの屋根にある棟から軒先へと斜めに降る「隅棟」の内の一本が丸々倒壊し、屋根の上に瓦が散乱しておりました。奇跡的に軒先に残っている瓦も多く近隣への被害はなかったようです。また、倒壊した時の影響か平部の瓦にも影響が出てしまっておりました。亀裂が入っていたり割れていたりと、そのままでは使用できないので新しい瓦も用意する必要がございます。
昔の工法の棟ですと葺き土の土台の上に、平たい熨斗瓦(のしかわら)と半月になっている丸い冠瓦(かんむりがわら)が積まれ、それらを銅線で結んで固定する工法が一般的でした。
調査時はその葺き土も大量に屋根の上に流れ落ちている状態でしたので、一歩間違えますと滑って屋根から落下してしまうほどですので、慎重に調査を致しました。倒壊していた棟は一本だけですが、屋根の頂点にあります大棟を見ると、熨斗瓦が五段も積まれている重厚な屋根でした。ご覧の様に昔の工法では葺き土が防水性能を担いそれらを保護するように熨斗瓦と冠瓦が積まれております。防水性能も担っているので、積まれている段数は多い方が雨仕舞として防水性能も良いと考えられていました。ですがこのままでは雨漏りに繋がってしまいます。
倒壊した原因は強風だけではなかったようです。倒壊した棟の内部をよく見ますと葺き土と漆喰の劣化が窺えます。葺き土を保護するために棟の両側面から漆喰が塗られており土台に雨水が入らないように棟は積まれております。しかし、その漆喰は経年で必ず劣化してしまうので定期的なメンテナンスが必要なのですが、棟はほとんどメンテナンスをしていなかったとの事でしたので、元々経年劣化で固定力が弱まっていた所へ強風がぶつかり棟の倒壊に繋がったようです。
特に屋根の高い所に設置させている棟は軒先やケラバと呼ばれる屋根の他の役物部分に比べ約二倍の負荷がかかりますので、一番自然災害の影響を受けやすいのです。だからこそ普段から備えておく必要がございます。
【施工の様子】
まずは既存の棟を解体し、葺き土や漆喰なども綺麗に清掃し撤去しておきます。熨斗瓦や冠瓦は再利用するのが棟取り直しですので、再利用する瓦は平部に並べておきます。棟は解体を始めると大量の土を撤去しなければならず、廃材を入れるガラ袋も１０袋以上は楽に超えるほどです。またそれらを屋根から下さなければならないのでとても大変で手間がかかる作業となります。
綺麗に清掃し段取りが終わったら南蛮漆喰シルガード（黒）を使用し土台造りから始めます。こちらの南蛮漆喰と呼ばれるシルガードは土葺きに比べ防水性、耐久性が高く改修工事に最適です。施工中は柔らかく練り物の様な感触ですが、ある程度時間が経過するとガッチリ強固になりしっかりとした土台を形成してくれます。
写真の赤い矢印は糸を指しています。理由は棟は歪んでしまうと瓦同士に隙間が出来てしまい、その隙間から建物内部へ雨水が入り込んでしまう事に繋がりますので土台から作り直す棟取り直し工事時には糸をしっかりと張って一直線にし、それに沿って綺麗に棟を積み上げるように致します。
シルガードを瓦の間に詰めると同時に銅線もこの時点で仕込んでおきます。棟を積み上げた時に固定する為にです。ただし、棟の固定はあくまで銅線ではなくシルガードの固定力によるものです。銅線で最後に冠瓦を設置した後に固定する理由は有事の際に庭先や近隣へ瓦が落下し二次被害が起きてしまうのを防ぐ為です。しかし、メンテナンスされてない屋根をよくみると銅線も切れてしまっている事もよく見かけますので注意が必要です。
隅棟は熨斗二段でしたので最後に冠瓦を納め、銅線できちんと固定してゆきます。写真を見ているとお気づきかもしれませんが、台風の影響で割れたり欠けたりしている部分も多くあった為に、新しい瓦も用意しながらの施工となりました。ちょうど梯子の昇降機にのせてありますのが、新しい瓦です。色味が濃く一目で新しい瓦と分かります。
和瓦は今でも生産されていますので、例えば瓦一枚だけ割れてしまったときでも差し替えて交換が可能です。防災瓦や釘で打ち付けてあるガイドライン工法で施工されている瓦屋根ですと簡単に差し替えが出来ない事もある為に、施工手間や施工の金額も上がることがございます。
また、洋瓦や一部瓦では既に生産がないものもございますのでそうなってしまったら棟取り直しではなく、屋根工事では一番予算を見なくてはならない屋根葺き替え工事しか選択肢がない場合の屋根もございます。代表的な洋瓦では既に製造も販売もないモニエル瓦がございます。
四本の隅棟を順に積み上げて最後に屋根の頂点にある大棟の作業に入ります。糸を張るほどではない長さですが大棟は熨斗が五段も積まれている為に熟練の瓦職人さんの腕の見せ所です。きちんと積み上げませんと最後の納まりが悪く雨漏りに繋がってしまう事もございます。大棟の両サイドには鬼瓦と呼ばれる役物もある為同時に設置し積み上げます。鬼瓦も銅線で外れて落下しないようにきちんと固定してあります。
棟取り直しの時は、棟を上から見下ろしたときに黒いシルガードが見えてしまってはいけません。シルガードが先に傷んでしまい雨漏りに繋がってしまいますのでシルガードは基本熨斗瓦から外側へ出ないようにしないといけません。たっぷり塗ればその分防水性能があがるのではないかと思ってしまいますが、棟からはみ出る程では意味が無くなってしまいます。
ハンマーで軽く熨斗瓦を叩きながら積み上げていき、水平を見ながら熨斗瓦を積み上げ最後に冠瓦を乗せて作業終了となります。
【棟瓦取り直し工事、竣工】
葉山町堀内Ｋ 様邸の棟取り直し工事が無事竣工となりました。庭に瓦が落ちて調査に来てくれて屋根の写真を見せてもらった時はどうしようとものすごく不安だったが安心したとＫ様には素早い対応と施工に満足頂けました。今回は施工前の調査時に落下したら危険な倒壊した部分の瓦は下ろせるものはある程度おろし、ブルーシートで養生をしておきましたので着工まで問題が起きないように心がけました。春先や強風が吹く台風シーズンになってから屋根のメンテナンスをするよりも、その前に備えておくメンテナンスが一番重要なのではないでしょうか。いざ強風や台風が来てしまったら同じ様に被害に遭われてしまう方も多く、調査も工事もままならない場合がほとんどです。
この度はご利用いただきまして誠にありがとうございました。
記事内に記載されている金額は2021年11月05日時点での費用となります。
街の屋根やさんでは無料でのお見積りを承っておりますので、現在の詳細な費用をお求めの際はお気軽にお問い合わせください。
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